劉度が感これに挑戦するようです2015　9-10月号

劉度 @arther456

広大なカレー洋で、イタリア駆逐艦探しが始まった。「ヘーイ、Roma。駆逐艦を探すのはOKデスが、ちゃんと見分けの付く格好はしてるんデスかー？　いつものイ級みたいなstyleじゃ、見分けがつきまセーン」ローマは少し考えてから、言った。「ちゃんと人型、だと思う」#艦これ航海日誌

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「え、思うって」「私たちも誰が来るとは聞いてないし……まあ、日本に来るんだから人型をとれる子でしょう、多分」「……aboutデース。っていうか、駆逐艦でも人型をとれるんデスかー？」「とれるわよ。あなた達の鎮守府にもいるじゃないの」#艦これ航海日誌

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「What!?」駆逐艦の深海棲艦がいるなど、金剛は初耳だった。「Who!?Who she is !?」「ちょっと待って、誰も気付いてなかったの！？」「そんな一目で分かるものなのデスかー！？」大騒ぎになるリランカ島泊地であった。#艦これ航海日誌

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カレー洋を航行していた金剛たちは不審なイ級を発見した。金剛たちが近づいてもまるで動かない。死んでいるのなら、それはそれで珍しい。深海棲艦は死ぬと一時間も経たないうちに黒い水となって溶けてしまうのだ。とりあえず金剛たちはイ級の死骸を船上に引き上げた。#艦これ航海日誌

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「で、どうしましょう、これ」マグロめいて横たわるイ級の死骸を囲むのは、金剛、ローマ、秋津洲である。「ローマさん、何か分かります？」「って言われてもねえ……」「触っても、何も反応しないかも？」秋津洲が恐る恐る手を伸ばす。すると、いきなりイ級が跳ねた！#艦これ航海日誌

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「What!?」驚いた金剛が飛び退る。「活きがいいかも！」「刺し身に良いのではなかろうか」秋津洲と大艇ちゃんはイ級に興味津々だ。すると、イ級の中から声が聞こえてきた。「むー。私の寝袋を触ってるのは、誰ー？」「ｼｬﾍﾞｯﾀｱｱｱｱｱ!?」「金剛さん、落ち着いて」#艦これ航海日誌

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イ級の背中が蓋のように外れた。そして中から出てきたのは、赤茶色の髪をツインテールにした、褐色肌の少女だった。「あれ、ここ海の上じゃない？」「これは……桃太郎！？」「Wait, Roma.桃太郎は桃から生まれてるネー。これじゃイ級太郎デース」「イ級太郎」#艦これ航海日誌

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「ちょっとー、変な名前つけないでよー！」金剛とローマの会話に、イ級少女は立腹気味だ。「朕は二式大艇である。そこな少女よ、名乗ることを許す」「え？　あ、あなた喋れるの？珍しいわねー」「イ級から出てきた人に言われたくないかも」不幸なことに、この船にツッコミ役はいない。#艦これ航海日誌

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「ﾐﾅｻｰﾝ、ﾜﾀｼﾉｼｼﾞﾆｼﾀｶﾞｯﾃｸﾀﾞｻｰｲ！」ラバウルにキンキン声が響き渡る。阿武隈が率いる輸送船団が到着したのだ。「……何なんだろあの声」「おいおい、俺の電探でも聞き取れてるぜ。提督の耳大丈夫か？」隣の天龍が茶化してくる。#艦これ航海日誌

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「いやでも、イヤホンで聞くと頭痛くなるよあの声」「おいおい、あれでもまだ低いほうだぜ？」「もっと高くなるの？」「ああ。前に島風から聞いた話なんだけどな。えーと、キス島辺りにパトロールに行った時、あの阿武隈と一緒に船団を組むことになったらしいんだ」#艦これ航海日誌

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「パトロールしてたら、島風が不審な影を見つけてな。阿武隈と一緒に雷撃したんだ。魚雷は見事に命中。影は爆炎の中に消えたんだけどよ……」「何かあったの？」「ああ。その後阿武隈がこう言ったらしいんだ。『あれ、ｷｭﾙｷｭﾙｷｭﾙでしょ？』って」「……ｷｭﾙｷｭﾙ？」#艦これ航海日誌

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「ああ。テープ早送りしたみたいな声だったんだって。それで島風が『おうっ？』って聞き返すと、また阿武隈はｷｭﾙｷｭﾙ言いやがる。本当に人間の声なのかって思うぐらい早口で、島風も怖くなってきたんだ。そしたらな……」提督は何も言わず、ごくりと唾を飲み込んだ。#艦これ航海日誌

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「段々声がゆっくりになってきたんだ。あれｷｭﾙｷｭﾙでしょ？あれキュルキュルでしょ？あれキユルキユルでしょ？で、ようやく島風は何て言ってたか聞き取れたんだ」「……何だったの？」「『あれ、ただの岩でしょ？』」「魚雷の誤爆じゃねえか！？」#艦これ航海日誌

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アイツは……アイツはまさか……帰ってきたのか、"奴"が……！ pic.twitter.com/glqTii841v

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「村田あああああ！」ツ級エリートの対空カットインにより、哀れ村田隊（《）は爆発四散した。「村田……横綱としての初場所だったのに」「だからツ級には気をつけろと」「先月貸した千円、まだ返してもらってないのに」『いや、勝手なこと言わんといて下さい。生きてますからね？』#艦これ航海日誌

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「あー、うん。初撃墜だから少しはしんみりさせとこうかと思って」『地の文からもう台無しですよ。あー、お約束通り、２，３日はバカンスしてから帰りますからー』パイロット妖精さんは死ぬことはない。妖精さん脅威の技術力で、深海棲艦溢れる海からも無傷で生還することができる。#艦これ航海日誌

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ただ、撃墜されると著しくやる気を失い、数日ほどバカンスに出てしまうのが玉に瑕だ。そしてバカンスで楽しんだ妖精さんの頭からは操縦技術がすっかり忘れられており、また一から鍛え直すことになる。妖精さんをパイロットしたのはいいが、やはりそこまでうまい話ではなかった。#艦これ航海日誌

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「ヘーイ、Roma.次の作戦で使う武装をChoiceしたヨー。使うとイイね！」「日本式の改修……まあいいわ。ありがと。お礼は言っておくわね」その横でZ3が複雑な表情をしている。#艦これ航海日誌 pic.twitter.com/KskEC0mMow

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