北丸雄二さんによる米民主党候補者討論会のツイート
10月13日夜に開かれた討論会についての報道
北丸雄二さんの分析
アメリカの民主党のこと、よくわかってない書き方のような気がする。昨日の討論会はどう見てもヒラリー勝利。民主党の理想を語ったサンダーズの現実路線をヒラリーが引き寄せた形。 ▼ヒラリー氏、開き直り「学習すれば誰だって立場変える」:朝日 asahi.com/articles/ASHBG…
2015-10-15 03:35:131)昨日の民主党TV討論会、ACの矢継ぎ早の質問は資本主義、銃規制、気候変動、シリア情勢、1%への富の集中、中間層の崩壊、米国にとっての最大の脅威、メール問題、黒人への警官の銃撃、娯楽用マリファナの解禁、スノーデンと国家安全保障省、女性の出産のための有給休暇、と多岐に渡った。
2015-10-15 03:37:032)そこで注目だったのは、ヒラリーがいろんなところで政治的意見を変えている(フリップフロップ問題)という点が1つ。主義主張の一貫性は常に大統領選挙で取り上げられる問題で、シリア対策、TPP、同性婚、みんな意見が変わってきてるじゃないか、という批判と、もう一つは彼女のメール問題。
2015-10-15 03:39:333)結論から言えば全てがヒラリーにとって上手く運んで、今回の初回の討論会はヒラリーの大勝利という印象。しかしその一人勝ちの背景には、目下の最大のライバルバーニー・サンダーズの素晴らしさがあった、というのがミソ。サンダーズの理想主義と現況への鋭い批判がヒラリーの漁夫の利だった。
2015-10-15 03:42:494)どういうことかといえば「富裕層のトップ1%がアメリカの富の95%を手にしている」「政府がウォールストリートを規制しているのではない、ウォールストリートが政府を規制しているのだ」と強調するサンダーズに民主党支持層は歓声を上げて拍手喝采。彼こそがこの討論会の影の勝利者だった。
2015-10-15 03:44:415)しかしそれが正直で理想的であればあるほど、その現実的な実効性を問われることになり、そしてその実効性の可能性の部分をヒラリーがすくい取ってしまう、という仕組み。すなわち、民主党の理想を代弁するサンダーズを、ヒラリーがうまく有権者の求めるものの受け皿にしてしまった印象なのだ。
2015-10-15 03:46:356)なので、討論会の勝者は誰?というとヒラリーとサンダーズの2人が圧倒的に存在感を示したと誰もが答える。しかし誰が民主党の大統領候補として現実的か、と聞くと、視聴者は今度は圧倒的にヒラリーと思ってしまう、というメカニズムが働いたわけ。ヒラリーは浮いた事を言う必要がなかったからね。
2015-10-15 03:48:36その典型例がメール問題。ヒラリーはあれは間違いだったと認めた。その時、サンダーズがヒラリーに向けて、米国の中間層が崩壊し、2700万人が貧困を経験している今、あなたのクソみたいなメール問題などを聞くのにみんなうんざりしてるんだと力説したわけ。これで会場=視聴者の雰囲気は一変した。
2015-10-15 03:52:317)サンダーズのこの言はもっともなわけ。重要なのはアメリカの今と未来であってメール問題なんかではない。ここでサンダーズに有権者がなびいてもいいのだけれど、サンダーズは銃規制で脇の甘さを見せ、米国の目下の最大の脅威はと聞かれて「気候変動」と答えるなど、理想が過ぎる印象を示した。
2015-10-15 03:55:398)「アメリカの最大の脅威は気候変動で、子孫が住めなくなること」と答えたサンダーズの後で、ヒラリーが「核兵器がテロリストにわたることと世界情勢を語りながらも、最大の敵は共和党かしら」とジョークのように言うと、これはやはりヒラリーの方が現実的だし説得力があると思わざるをえない。
2015-10-15 03:57:199)つまり今回、ヒラリーは「すべてのことに用意ができている大統領候補という印象付け」に成功した。 サンダーズが民主党の理想を体現し、ヒラリーがそれを受けて実行役の役割を強調する。このコンビネーションがうまく働いた討論会。あとの3候補は全く存在感がなくてお呼びでないという感じ。
2015-10-15 04:00:16NYタイムズの読みも私と基本的に同じです。「A Night Goes Clinton’s Way, After Months of Problems」(数ヶ月の問題の後でやっとクリントンの思う通りの夜に)
2015-10-15 08:20:41バイデンが’出づらくなったという読みもNYタイムズは「Clinton’s Steady Performance in Debate Quiets Talk of Biden」(クリントンの安定したパフォーマンスがバイデンの話を沈静化させた)
2015-10-15 08:21:59