「なぁ志保、もし私がちっこい妹やったらどない……って何やその顔は!」 「まだ何も言ってません」 「顔が語っとるわ! 『えー奈緒さんみたいな妹とかマジムリー』ってなぁ!」 「そうですね」 「私かてちっこい妹やったら可愛くて志保もぎゅーてしたくなるやろ!」 「いいえ全く」
2015-10-14 10:07:30@sytlo 気付くと彼女は傘を放っていた。黒い帳がころころと地面を這う。 「プロデューサー」 彼女の頬を雫が伝う。一つ、また一つと。 傘を差し伸べるよりも早く、その体を抱き留めた。冷たい感触。側に居なければ、彼女は遠ざかってしまうように思えた。
2015-10-17 22:06:05@sytlo 「もし、明日で世界が終わるなら、プロデューサー君はどうする?」 「まぁ、実家に帰ると思いますよ」 「ふーん……私は、誰かとお酒飲んでたいな」 「莉緒さんらしいです」 「うん。でもきっと、次の日頭痛で目が覚めたり、ふらふらの体で水飲んだり、出来ないんだよね」
2015-10-17 22:12:55@sytlo 最上静香は、初めて香水を買った。手のひらに収まるその小瓶は、静香の密やかな冒険の証だった。 次の日、香水を少しだけ、手首につけた。誰か気付くかな。そんな期待を抱きながら。 しかし期待とは裏腹に、気付いたのは唯一気付かれたくないと思っていた、男だけだった。
2015-10-17 22:21:14@sytlo 「これじゃあお守りみたったっ!」 それまで俺の背をベッドにしていたこのみさんが、思い切り俺の背をつねる。 「言うと思ったわ」 「す、すみません!」 「なーにがお守りよ!」 激昂するこのみさんを諌める為に、何度か背を揺らした。本当にお守りをしている気分になった。
2015-10-17 22:28:03貴方はレイジュリで『受け止めてくれるのはあなただけ』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517
2015-10-17 22:28:29@sytlo 「ジュリアちゃーん」 レイがアタシの元へと駆け寄ってくる。手元にはおもちゃのギター。やれやれ、また遊びたいのか。 「いいよ。付き合って……ん、何だよ」 レイは顔をにやつかせている。 「だってジュリアちゃん、嬉しそうだから?」 「そうか?」 「うん」
2015-10-17 22:30:19@sytlo 私、結構ダンスには自信あった。うん、きっと、誰にも負けない位には、思ってた。 でもさプロデューサー、あの日、ステージであんなの見せられたら、もうそんな事言えないよ。言ってた自分が恥ずかしい。どうすれば、いいのかな…………。 私、もう……。
2015-10-17 22:42:45@sytlo 二人は、夜に漂う静寂に阻まれていた。どちらかが手を伸ばせば、静寂は闇に溶けていくだろう。しかし夜は更けていく。 「麗花」 女の頬には流線。男は涙を拭おうと手を伸ばす。女の華奢な手は一度それを拒み、しかし二度目で掌を重ねあわせた。 もつれ合い、絡みあう。
2015-10-17 22:54:02