詩の学校 #空想の街【ハンツピィの宴 二日目】
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世界最高峰の野球リーグの強豪チーム・ブルーソックス。 そのブルーソックス公認バー #バーGionPark は、北区ジェスル駅から徒歩30秒、KKビルの3Fにある。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:30:49「Gion Park」はブルーソックスの本拠地球場の名前。店内のプロジェクターと大型テレビでブルーソックスの試合を観戦できる。試合が行われる時間は、ブルーソックスファンの熱気で盛り上がるが、中継が終わり間もなくすると静かな夜カフェへと変わる。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:31:01基本的に営業時間は18:00からで、平日昼間はレンタルルームのようになっている。 ちなみに土・日・祝日は昼カフェで12種のブレンドハーブティーやオリジナルスコーンが楽しめる。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:36:03月に一度、その昼カフェとなったGion Parkで詩の学校が開かれる。 もちろん詩に興味のないお客さんが来ることもある。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:41:54先生はジェスルを拠点に活動する女性詩人のカナコ。噂では植物や動物の声が聞けるらしい。 日本という国の民族服を愛していて、いつもそれを着ている。和服と呼ぶらしい。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:42:06シーナは今年大学生になったばかり。ガールズバンドでベースを弾いている。 彼女の憧れはシンガーソングライターのMisterPepper。 彼に憧れてシーナも作詞作曲をする。作曲は3歳から得意に思っているが、作詞はからっきし。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:48:14バンドで自分の作詞した歌を演奏したいが、いつもボーカル担当の子からダメだしされて唄ってもらえない。 ボーカルの子が作詞して、シーナが曲をつけることが多い。歌詞のついていないシーナの曲もたくさんある。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:49:55シーナはどうしたら良い歌詞がかけるのか悩んでいた。たまたま入ったGion Parkの昼カフェ、ちょうど詩の学校の日だった。50クルーク払うと詩の学校に参加できる。貧乏学生にとっては高い額だったが、将来印税生活を考えれば安いものだと払った。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:54:51シーナの他には毎回参加してそうな生徒ばかりだった。40代後半に見えるメガネのサラリーマン風の男、モデル体型の不思議ちゃんっぽいアラサー手前の女、ぽっちゃりした弁髪の大学院生の男、白髪のおばあちゃん。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 00:59:43カナコ先生は用意してきた紙を生徒たちに配った。そこにはMisterPepperの詩が書かれていた。 歌詞だけでなくMisterPepperは散文詩も書く。それだ。国語の教科書にも載ってたやつだ。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:02:04授業の最初は、この詩を各々で朗読する。先生は詩の朗読の姿勢や気持ち、発声について話した。 シーナは、歌詞の書き方を知りたかったのに どうやら間違えたかのように感じはじめていた。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:06:19朗読し終えたあと、隣の席の人と朗読した詩の感想を語り合う時間となった。シーナとペアになったのは、不思議ちゃんだった。シーナはMisterPepperファンだけあって熱く語った。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:11:24不思議ちゃんは、ベッキーというらしい。ベッキーっぽいから友達からそのように呼ばれているのだとか。 「すごくポジティブになれる! MisterPepperは強い人だと思う!」と言われてシーナは嬉しかった。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:13:31ベッキーとは仲良しになれそうと思ったシーナは、MisterPepperのCDを貸すことになった。そんなこんな喋っているうちに先生の声がした。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:18:19「はーい。じゃあ次は、詩を書いてもらいます。今日のお題は、そうだなぁ 『ハンツビィの宴』にしようかな。いまから1時間で書いてください。お外に出て考えてもいいからね。」 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:18:31シーナは真っ青になった。いきなりそんな詩なんて書けない。書けないから参加したのに。 ベッキーは「お散歩してくるー」とすぐ外に出てしまった。シーナは頭を抱えて20分ほど固まった。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:20:44見回すとカリカリ詩を書いてる者、すでに書き終えてスコーンを食べている者、ベッキーと同じく散歩に出ているのか姿の見えない者。先生も何か書いている。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:28:05ハンツピィの宴の記憶を想い出し、とりあえず書き出してみる。小学生の作文みたいだけれど、なにも書かないよりはマシだ。 そして、「ポムの星は毒がある」をリフレインさせて歌詞のサビみたいなのを作ってくっつけた。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:37:30ベッキーは散歩から戻ってくるとハーブティーとスコーンのセットを注文し、スラスラっと書いた。 シーナはハーブティーがうりの店と知りながらコーヒーを頼み、時間ギリギリまでペンを走らせた。 書き終えた頃にはコーヒーはすっかり冷めていた。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:41:17ひとりひとり1時間以内にで書いた詩を発表していく。まずは辮髪の男。 ボソボソっと喋ってすぐ座った。 (・・・もしかして、1行?!) シーナは大きな衝撃を受けた。1時間あって1行しか書かないなんて。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:45:40次はベッキー。ベッキーは『ボムの星マン』という童謡のような幼い子が見るアニメの主題歌のような詩を朗読した。これもシーナにはショックだった。短い。8行ほどだった。 シーナは30行びっしり書いたのだ。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:50:52シーナに順番がまわってきた。朗読はよくわからない。シーナは即興でメロディーをつけて唄った。 ウケると思ったのに反応がいまいち。 各々の発表のあとに先生がコメントを言うのだが「うん、いいですね。いいと思います。」のひとことだけ。シーナはがっかりした。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:54:40白髪のおばあちゃんは、詩らしい詩を朗読するのかと思いきや、詩ではなかった。落語だった。 ポムの星そのものにポエジーがあるので、落語でも不思議な話に聞こえる。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 01:57:55良いかどうか全然わからなかったが詩らしい詩を読んだのはサラリーマン風の男だった。きっと優しい人なんだろうなと思った。 そして、最後に先生が自作の詩を発表する。仕事のないおじさんと死刑囚が出てくる詩だった。いろいろ考えさせられた。 #空想の街 #詩学校
2015-10-25 02:02:06