宮廷歌手小森輝彦さんのツイートまとめ第17回「オペラ「金閣寺」音楽稽古と立ち稽古」

日本人初ドイツ宮廷歌手、小森輝彦さんのツイートまとめです。
0
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

神奈川県民ホール40周年記念企画、オペラ「金閣寺」のチラシ、本格派版(?)です。 pic.twitter.com/rFio5v5Fyc

2015-10-30 07:28:28
拡大
拡大
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

九州から帰ってきたら、オペラ「金閣寺」の音楽稽古がいよいよ大詰め。マエストロの下野さんのもと、音楽の最後のまとめの稽古が続いています。

2015-10-27 09:43:16
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

下野さんの稽古はいつもすごく手際が良くて、下野さんの頭脳明晰さが稽古の進め方にもすごく現れていると思う。昨日のマエストロ音楽稽古では下野さんの音楽作りの方針を色々うかがえて、すごく有意義だった。

2015-10-27 09:43:23
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

黛さんの「涅槃交響曲」も指揮したことがおありとのことだったが、黛音楽についてものすごく深い分析をされていて「はーなるほど」とか「いやーそうか」と、その視野の広さと洞察の深さにいつも圧倒されます。昨日もすごく面白かった。キーワードは「和のテイスト」だったかな。

2015-10-27 09:44:56
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

オペラ「金閣寺」の立ち稽古、順調に進んでいます。音楽が難しいから立ち稽古に入るにあたってかなりびびってはいたんですが、こう言うのって肝心なのは開き直りなのか?と思ったりして。稽古が楽しいです。 今日でほぼ1幕はつきました。まぁ溝口にとっては1幕はまだ序の口なんですが。

2015-11-01 19:06:47
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

演出の田尾下さんとも話しているんですが、このオペラ、難しさの一つは時間軸が飛びまくるんですね。ストーリーを追ってオペラが展開されていない。溝口の重々しいモノローグから始まりますが、「金閣寺は燃えねばならん!」という決意を最初にまず示すわけです。

2015-11-01 19:08:30
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

黛さんが音楽を担当された市川崑監督の、金閣寺を元にした映画「炎上」も、取り調べのシーンが冒頭にある。こうやって場面の入れ替えをしたくなる題材なんだろうか、と思いますが、これは実は演者にとっては色々問題も多くなるのです。今日稽古したシーンではそれがクローズアップされた。

2015-11-01 19:11:18
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

溝口はこのオペラでは歌う部分が飛び抜けて多い訳ですが、要するにこのオペラそのものが溝口の頭の中で起こっていることを音楽含めて色々な形で表現している作品と言う事になるのだと思います。 だから、コメンテーターとしての溝口と登場人物としての溝口は微妙に役回りが異なる。

2015-11-01 19:12:56
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

受難曲のエヴァンゲリストみたいな役割もするわけです。ただ、それは客観を語るのではなく、すごく偏った主観を語り続ける。だからこれをご覧になる皆さんは、ある意味で溝口の金閣寺への愛憎半ばする態度を追体験することを求められることになる。いや我々がそういう状況を作るべきなんだな。

2015-11-01 19:14:34
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

父が死ぬところも、父が死にゆくところを見て怖がる部分もあるわけですが、もう父の死を体験し終わった、金閣寺を燃やす時点での溝口が振り返って怖がっている、と言う視点は排除できないと思う。 昔見た怖い夢やシーンを思い出して「あの怖い夢だ、これは」と怖がっているような。

2015-11-01 19:16:08
小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

というわけで、かなり具体的で、やることが規定されている音楽のようでいて、実は行間というか遊びが沢山あって、演者にとってはかなり難しいと同時に色々やれる余地があるオペラである事が、1幕の稽古を通してよく分かりました。2幕以降も頑張ります。

2015-11-01 19:17:14