吉備津もののけ録

8月頃に朝ドラのように連日深夜にやろうと思い立ち、やりそこねたパロディネタです。 午前2時に更新します。 元ネタのお話は稲生物怪録ですが、パロディなので、結末や展開も色々と……はい。 一ヶ月、やりきれる自信はありませんでしたが、なんとかなりました。お付き合いしてくださった皆様、ありがとうございました……
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怪異前日

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

吉備津彦が、闇吉備津ともののけ退治をしている。 怨霊をばったばったと倒し終え、吉備津彦らはそれぞれ家路につこうとしていた。 「そういえば、彦よ。この奥にある杉の木だが…先刻、こんな噂を耳にした」 「む?」 「杉の木に触れると、もののけに憑かれる」 「…」 「怯えているのか?」

2015-11-01 21:06:33
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「クク、震えている」 「寒いだけだ」 「ほう?」 闇吉備津はニヤニヤと笑っている。 「この俺を愚弄するか……!ならば付いてこい」 山の奥へ吉備津彦と闇吉備津が消えていった……

2015-11-01 21:10:21
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

山の奥に古い大きな杉の木がそびえ立っている。 「これか…見事な」 「見事よの」 「…」 吉備津彦が杉の木に静かに触れた。 ……………… 何も起こらない……

2015-11-01 21:14:42
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「…はは、なんだ。何も起こらぬではないか!」 「触った程度で何か起こると思っておったか?ククク」 「お前はどこぞの海賊のように一々揚げ足を取るな…ならばこれでどうだ」 吉備津彦が杉の木の近くの大きな岩に刀で傷を付けた。 「わかったわかった、是としよう…帰るぞ。寒くて……震える」

2015-11-01 21:24:28
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

闇吉備津と猿が風呂に入っている様子が映っている…… twitter.com/kibitsuhiko_wl…

2015-11-01 21:29:19
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

山中の猿の露天風呂へ行った闇吉備津を置いて、吉備津彦は帰宅をした。 爺と婆は今朝方、京へと物見遊山へ出ていったため、家の中はがらんとしている。 「…呼ぶか」 近所に居を構える犬飼らを呼び、共に食事をとり、犬飼らが帰るのを見届けると、湯あみを済ませ、吉備津彦は床へと就いた……

2015-11-01 21:36:40

怪異一日目

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

【第一夜】吉備津彦が眠っていると、何やら煙がもうもうと上がっていた。煙たさにむせた吉備津彦が見ると、ワンダーランドの本が燃えており、ワンダーランドの本を開けると、巨人が吉備津彦の頭をわしづかみにしようとした。 咄嗟に緊急回避をし、本へ向き直ると巨人は消え、本も燃えていなかった……

2015-11-02 06:49:20

怪異二日目

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「なんだったんだ…」 一夜明けて、ワンダーランドの本を手に持ちながら不思議がる吉備津彦。 「桃様ぁ!朝食を作りにきましたー!」 「戸を開けて欲しいでござるー」 「む。今、開けようぞ」

2015-11-02 07:32:02
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「本が燃えて巨人が出た……ですか?」 「うむ」 朝食を食べながら犬飼らに昨日の話をする吉備津彦。 「ならば、我々が今夜お供しましょう」 「すまぬな」

2015-11-02 07:45:27
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

【第二夜】  犬飼達が集まってきた。 ややしばらく吉備津彦らと酒を飲みながら昨日の巨人が来るのを待っていたが、来る気配がない。 突然足元の畳がぱたりぱたりと持ち上がり始めた。足元を掬われた犬飼らが驚いて部屋から飛び出した。吉備津彦がひょいひょいと畳を避けている…

2015-11-03 05:58:11
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

畳から力が失われ、ぱたりぱたりと倒れていく。 「終わったか…」 吉備津彦はため息をつくと、畳を戻し始めた。 間もなく夜が明ける……

2015-11-03 05:58:30

怪異三日目

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

【第三夜】 吉備津彦が息苦しさと獣くささに目を開くと布団が敷き布団が大聖、掛け布団が美猴になっていた。 「!?重い!」 思わず美猴を投げ飛ばして起き上がる吉備津彦。 美猴と大聖は布団に戻っていた……

2015-11-04 02:01:20

怪異四日目

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

【第四夜】 ずり……ずり…… 草鞋を履いた何者かの足音がする。 「犬飼か?」 吉備津彦が目を覚まし、起き上がると誰も履いていないうさぎの草履が一人でに歩いている。 「ぬ?!」 草履がさらに飛び上がり、空中を歩き始めた……

2015-11-05 02:01:02

怪異五日目

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

【第五夜】 どすん、と物の落ちる音で吉備津彦の目がぱちりと開いた。 台所から何か巨大なものが飛んできている。 「セイッ」 枕元に置いていた刀で巨大なものを叩き落とす。 古い、きびの入った俵だった……

2015-11-07 01:36:44

怪異六日目

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

【第六夜】 湯あみを終えた吉備津彦が一息をついていると背後の障子がつーっと開いた。 吉備津彦が後ろを振り返ると、巨大な手が入ってきた。巨大な手の指先はそれぞれ手になっていた。巨大な手は吉備津彦の顔を、手を、胸を、腹を、脚を触れ続けた。一晩中続いた為、吉備津彦は眠れなかった…

2015-11-07 02:00:57

怪異七日目

冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

【第七夜】 「お化けだなんて、恐ろしいですね」 サンドリヨンが心配して泊まりに来た。 話していると、天井から伸びた長い手がサンドリヨンの背を押した。 サンドリヨンを吉備津彦が抱き止め、二人は見つめあう……

2015-11-08 02:01:00

怪異八日目

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