Twitter投票小説『神をも恐れぬ』第1章

Twitterのアンケート機能を利用した読者参加型小説。
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*アノマテカ* @hoshikuzucake

※Twitter小説『神をも恐れぬ』 ほぼ即興で執筆します。「次こういう展開になってほしい」という希望があればこのツイートにリプください。その都度参考にさせていただきます。ただし、「版権キャラ・うちの子登場させて」というご要望にはお応えできません。あらかじめご了承ください。

2015-11-06 22:00:20
*アノマテカ* @hoshikuzucake

舞台の開幕を告げるベルと共に、背中を押された。顔からサッと血の気が引きバランスを取ろうと空を掴むが、足場へ戻ることは出来ず体は舞台のど真ん中へ落ちた。舞台に敷き詰められた大量の小枝と木の葉が潰れて派手な音を立てる。 「誰!?」 舞台に立っていた誰かが叫んだ。 誰?誰って自分は…

2015-11-06 22:01:36

少年……67%
少女……33%
3票

*アノマテカ* @hoshikuzucake

自分のことを思い出そうとして異変に気がついた。自分自身のことが何ひとつ思い出せない。ここが劇場の舞台の上で、ついさきっき誰かに突き落とされたことだけは覚えている。だが、それ以前の記憶はまるで切り落とされたかのようにバッサリとなくなっている。

2015-11-06 22:03:04
*アノマテカ* @hoshikuzucake

「大丈夫?」 誰かが落ち葉を踏みしめ、こちらへ近づきながら話しかけて来る。先ほど驚いて叫んでいた、最初から舞台に立っていた人の声だ。 「あ、大丈夫です。……!?」 とっさに応えて顔を上げると、そこにいたのは…

2015-11-06 22:03:51

全裸の美少女……33%
全裸の美少年……67%
3票

*アノマテカ* @hoshikuzucake

青白いスポットライトに照らされたしなやかな四肢。なめらかな艶を放つ純白の毛皮に、筆が風に走るままに何度もひっかいたような荒々しい黒の縞模様。怜悧さをたたえて澄みわたる青い瞳。盛り上がった筋肉の目立つ野性的な体を優雅に折りたたんだ白い虎が、静かにこちらを見つめていた。

2015-11-07 22:05:35
*アノマテカ* @hoshikuzucake

虎は首輪など身につけていない。目と鼻の先で、俺のことなどいつでも殺せる状況だ。俺が絶句していると、彼は厳かに口を開いた。 「怯えることはない。僕は人を喰らうことはない」 「えっ…虎がしゃべっ…えっ!?」 驚きの声をもらし目を丸くする俺を見て、彼は呆れたようにため息をついた。

2015-11-07 22:06:18
*アノマテカ* @hoshikuzucake

彼はビクつく俺にゆったりと歩み寄り、耳元でそっと囁いた。 「舞台の上なんだからしゃべるに決まってだろ。それより、何かセリフを…」 そう言われてやっと俺は気がついた。さっき開幕のベルが鳴っていた。つまり今は劇の上演中なのだ。劇の上演中に舞台の上にいるということは、彼は役者なのだ。

2015-11-07 22:07:22
*アノマテカ* @hoshikuzucake

状況を理解して、自分が酷く劇の進行を邪魔をしていることに気がついた。 「あ、すみません!俺、役者じゃないんです!すぐ引っ込みます!」 俺は慌てて木の葉の中から立ち上がり、舞台袖へ戻ろうと辺りを見渡した。しかし、舞台袖は見つからなかった。

2015-11-07 22:08:00
*アノマテカ* @hoshikuzucake

右も左も熱帯の木々が生い茂り、湿った深い熱気の中から虫の音や獣の鳴き声が聞こえて来るばかり。観客席もジャングルの草木に埋もれて見当たらない。スポットライトだと思っていたものは満月の明かりだった。 「無駄だよ。もう舞台の幕は上がってるんだ。舞台(ここ)はもう現実の世界じゃない」

2015-11-07 22:08:34
*アノマテカ* @hoshikuzucake

※この後主人公はどうする?

2015-11-07 22:10:59

虎の話を聞く……67%
逃げる……………33%
3票

*アノマテカ* @hoshikuzucake

生ぬるい風がざわざわと鳴り、冷や汗をかいた俺の肌を撫でていく。白い虎は冷めた口調で「ここは現実の世界ではない」と言う。 「現実じゃなかったらなんだっていうんだ?夢でもみてるっていうのか?」 俺は軽くめまいを覚えながら声を絞り出した。口がかわいて土と緑のにおいが不快に喉へ絡みつく。

2015-11-09 22:00:33
*アノマテカ* @hoshikuzucake

虎はめんどくさそうに顔をそらし、こちらをちらりと横目で見ると、地面に寝そべって毛づくろいをし始めた。なんだその態度は。俺は怒りにまかせて声を荒げた。 「おい!聞いてんのか!?」 「うるさいな。聞いてるよ。夢の中?あぁ、だいたいそんな感じ。ここは劇場の舞台。皆が同じ夢をみる場所…」

2015-11-09 22:01:24
*アノマテカ* @hoshikuzucake

そこまで話すと、自分の背をなめていた虎がふと顔を上げて俺を見た。 「君、舞台が始まる前の記憶ある?」 「えっ?…いや、ない」 虎は俺の答えに納得したようにフンと鼻を鳴らすと、今度は自分の腹へ舌を這わせながらしゃべり始めた。

2015-11-09 22:02:34
*アノマテカ* @hoshikuzucake

「なるほど。君はこの舞台の役者らしい。役者は役になりきるために、舞台の上では舞台に関係ないことなど忘れてしまう」 「はぁ?ちょっと待ってくれ!」 俺は頭を抱えて思わず話をさえぎった。近くの木にとまっていたらしい鳥が俺の声に驚いたらしく耳に刺さる叫び声を上げて飛び去っていく。

2015-11-09 22:03:21
*アノマテカ* @hoshikuzucake

この鳥の鳴き声も劇の演出なのか?ここが劇場の舞台の上だというなら観客席はどこに?この蒸し暑さが…自然のにおいのするこの空気の味が、すべて劇?劇の役者は記憶をなくす?俺が役者?ツッコミどころが多すぎてわけがわからなくなってきた。

2015-11-09 22:04:11
*アノマテカ* @hoshikuzucake

「…そうだ!舞台に関係ないことは忘れるって言ったよな!舞台に関係あることは忘れないんじゃないのか!?俺、台本を読んだ記憶も何もないぞ!」 もっと他に聞くべきことがある気がしたが混乱を極めた俺はもう思いついた言葉をそのまま口にするしかなかった。虎は初めてすこし驚いたような顔をした。

2015-11-09 22:04:58
*アノマテカ* @hoshikuzucake

「へぇ…!この劇はもともと即興劇で台本もないけど…そのことすら知らないってことは、たぶん、本当に何も知らないまま『無理やり役者にさせられた』んだろう。【舞台監督】に」 「『役者にさせられた』?【舞台監督】?」 「素人が入った方が舞台がおもしろくなると思ったのかもね」

2015-11-09 22:06:01
*アノマテカ* @hoshikuzucake

毛づくろいを終えて愉快そうに笑うと、虎はのっそりと起き上がり、俺のにおいを嗅ぎ始めた。 「な、なんだよ…」 どこからどう見ても野生の虎にしか見えない存在に迫られて、俺は思わず後ずさる。虎は上目遣いで楽しげに俺を見上げ、撫でるような低い声で囁いた。 「ねぇ、殺してあげようか?」

2015-11-09 22:06:56
*アノマテカ* @hoshikuzucake

「は?」 急に何の冗談かと思ったが、どことなく物騒な輝きを放つ虎の目を見て背筋に悪寒が走った。人語を解すのでどこかで気を許していたが、俺の目の前にいる存在はどうも本物の獣であるかのように思われた。俺はさらに一歩後ずさる。

2015-11-09 22:07:30
*アノマテカ* @hoshikuzucake

虎も小枝を踏み折りながら、俺に一歩にじり寄る。 「死ねば君の出番は終わる。舞台を降りられるよ。安心しなよ。劇で死んだからって本当に死ぬわけじゃない。一旦死んで、【舞台監督】に文句のひとつでも言って来たら?」 そう言っている途中から、虎の口の端にはよだれが垂れ始めていた。

2015-11-09 22:08:11
*アノマテカ* @hoshikuzucake

俺はさらに後ずさろうとして、木の根につまずいて転んでしまった。地面に尻もちをつくと、虎と目線がほぼ同じになる。殺意と愉楽に満ちた眼差しがまっすぐ俺を射抜いて来る。虎の白い唾液が糸を引いて俺が履いているジーンズの太ももに垂れる。俺は…

2015-11-09 22:11:21
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