がらくた鎮守府 '15秋イベ編

一部ゴア・スプラッタ表現あり注意。
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02Junks @junkworks

『というわけで今回はある意味大豊作ですよ、提督。なんか要ります?』「これまで使ってた阿武隈の頭部は…さすがに出ないんだろうな」『それは勘弁してください。これまでの戦闘データとかも抽出しておかないといけないんですから』 #がらくた鎮守府

2015-11-28 23:17:49
02Junks @junkworks

『他の廃棄品なら、そっちのコンテナやドラム缶に詰めてありますから、好きに持っていってください。来週末には最低限のパーツ取りだけして廃棄しちゃうんで、お早めに』 #がらくた鎮守府

2015-11-28 23:19:39
02Junks @junkworks

…こう、同一クローン体の生首や首なし胴体がコンテナに大量に詰められているのは、完全に「モノ扱い」である背徳感に高揚する反面、濃厚な高級食材を山盛りで出されたような胸焼け感にも襲われる。変態にだって風情というものはあるのだ #がらくた鎮守府

2015-11-28 23:24:42
02Junks @junkworks

明石と大淀は、方向性は違うとはいえ基本的に提督以上のマジキチ。 #がらくた鎮守府

2015-11-28 23:32:12
02Junks @junkworks

絶望的な戦力差の中、数々の死闘に臨み、輝かしい武運にも恵まれず、やがてその名も忘れ去られていった幾多の英霊。「名も無き」だって?ふざけるな。無理難題に挑み、功を成せるはずもない無謀な作戦に最期まで従事させられた我々が、どんな思いで眠り続けてきたか――― #がらくた鎮守府

2015-11-30 23:01:52
02Junks @junkworks

「もちろん、夜戦で片付ける!」最終作戦の旗艦を務める川内は、まさに過去最大級にノリノリだった。その理由は、今回の作戦内容にある。昼間の良視界での砲戦を得意としない水雷戦隊で決着をつけるという作戦内容は、実質上「夜戦で決める」と言っているに等しい。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:02:16
02Junks @junkworks

本来ならば、物資の輸送および民間への引渡しが終わった時点で、撤収しても良いような作戦だった。しかし、上層部の意向かはたまた提督の判断か、付近に展開する深海棲艦水雷戦隊の掃討命令が下ったのだ。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:02:49
02Junks @junkworks

作戦に参加するのは、この海域における軍艦の記憶を持つ、川内・時雨・江風。加えて提督が編成したのは、索敵および司令塔役の筑摩。夜戦の絶対的ハンター・雪風。そして提督自身の片腕と呼んでも過言ではない、叢雲。討滅作戦に相応しい、ほぼ現状のベストに近い陣容だ。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:03:54
02Junks @junkworks

何度となく繰り返されてきた戦術の通り、川内たちは夜間のうちに進撃を行い、最小限の接敵・交戦で敵陣深くへと切り込んだ。東の空が白んできた頃、洋上に、声が響く。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:04:48
02Junks @junkworks

「……夜ハネエ……本当ハ、怖イノヨ……??」空気を伝う音というより、艦娘たちの精神に直接響くような声。その時点で、声の主はもう明らかである。「陣形を整えて!来るわよ!」叢雲が声を張り上げた。が、叢雲の声すらも、一歩遅かった。耳元で轟く、爆音。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:05:35
02Junks @junkworks

「こ、このボクを、ここまで追い詰めるなんてね……!」状況の把握が追いついた時、叢雲の足元には時雨の上半身が這いつくばり、断面から真っ黒い煙を立てていた。時雨の下半身はしばらく水面に立っていたが、やがてそのまま、バシャンと小さな水飛沫を上げて力なく崩れ落ちた。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:06:33
02Junks @junkworks

―――呉の雪風、佐世保の時雨。その名だけは、今でも意識の奥に、まるで鍋底の焦げのように強くこびりついている。「幸運の武勲艦」。何がだ。その名声だって、数多の屍の上に成り立っているだけじゃないか。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:07:15
02Junks @junkworks

けれど、その名に恥じぬだけの力と戦闘経験は、決して侮ることはできない。ならば、先手を取って打ち砕くのみ。次は雪風、お前だ、覚悟しろ――― #がらくた鎮守府

2015-11-30 23:07:39
02Junks @junkworks

「ゆ、雪風、この程度じゃ、沈みませんっ……!」駆逐水鬼の執拗な砲撃は、雪風を着実に追い詰めていった。主力となる川内と筑摩は随伴艦の処理に手一杯で、水鬼に対しては駆逐隊で夜戦まで凌がねばならぬ戦況。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:08:23
02Junks @junkworks

「雪風っ!」とうとう、雪風が直撃を受けた。返事はなかった、というより雪風はもう声を出せなかった。狙い済まされた水鬼の一撃が、雪風の頭部を確実に捕らえ、粉砕していたのだ。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:08:47
02Junks @junkworks

「江風、雪風を連れて後衛に下がって!」叢雲からの指示に従い、江風が首の断面から血や煙を漏らす雪風に肩を貸し、後方へと退いてゆく。「これは、まずいわ……」水鬼と1対1になってしまった叢雲が、つい焦りを呟いた。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:09:56
02Junks @junkworks

今回、雪風と時雨には夜戦向けの装備をさせていた。どちらかでも残せれば、夜戦で水鬼の一撃粉砕を狙えるだろうと言う算段だった。そのためであれば自分が囮になっても構わない、叢雲はそう考えて自身の修理要員までも用意していた。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:10:19
02Junks @junkworks

が、実戦の状況はこの有様だ。時雨・雪風が戦闘続行不能になり自分だけが残る形は、作戦としてはほぼ失敗に近い。「後ハ、オ前タチニ、夜ノ怖サ、教エテアゲル……」妖しく笑んで語りかける水鬼を、叢雲は強張る表情で睨みつけるしかできなかった。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:10:48
02Junks @junkworks

―――陽が、沈む。奴らの「光」たる時雨・雪風も退けた。こちらの、時間だ。叢雲、そしてその向こうに見える川内。夜の怖さもよく知っているはずの両者に、砲を向ける。お前たちは、こちらに来ることもできるはずだ。可愛がって、あげる――― #がらくた鎮守府

2015-11-30 23:12:27
02Junks @junkworks

水鬼が砲を構えた瞬間。夕暮れ時も過ぎ、互いの姿を視認することも難しくなったはずの洋上を、強い光が照らした。「!?」突如眼前に現れたあまりに眩い光に、水鬼は無意識に目を逸らした。逸らしてしまった。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:13:15
02Junks @junkworks

光の正体は、叢雲が放った照明弾。強い閃光を放てる時間はそう長くないが、目眩ましと位置関係の把握には十分な時間だった。水鬼が叢雲たちの方へと向き直ろうとした時、その眼前には、筑摩が仁王立ちしていた。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:13:43
02Junks @junkworks

「……待たせちゃったわね。貴女にも、光が当たる時が、きたのよ」水鬼が見上げる筑摩の顔は、赤子を抱く母親のように、ただただ慈愛に満ちていた…… #がらくた鎮守府

2015-11-30 23:14:12
02Junks @junkworks

『提督。「萩風」の艦霊、回収に成功したようですよ』「…これで完遂、だな。クローン体や艤装その他の調整、その辺は頼んだぞ明石」『お任せください』#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:14:37
02Junks @junkworks

これまでの深海艦と比べて、明らかに軽く頭ひとつは抜けているほど古の軍艦の記憶を色濃く残す駆逐水鬼。上層部としても、兵器開発部としても、そして提督としても、その存在をみすみす看過はできなかった。それが、この掃討作戦の正体だった。#がらくた鎮守府

2015-11-30 23:17:52
02Junks @junkworks

この艦霊から誕生した艦娘「萩風」が、今後の鎮守府に、そして海軍にどんな影響を及ぼすか。それはまだ、誰も知らない。 #がらくた鎮守府

2015-11-30 23:19:15