彼の名(倉×丸)3

うさぎ🐰ときどき妄想してました @eitars_h

1 『たーだーよーし♡』 イキナリそう呼ばれてドキリとする。 なに？いつも大倉って言うくせに何急にデレてんの？ …とはいえ、なんだかこそばゆくてでも嬉しい。 なんやねん俺。そんなに丸ちゃんにハマってんの？ でも。丸ちゃんは隆平やろ。 …隆平…隆平…アカンわ。 #彼の名

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2 なんかしっくりこおへんねんな。 丸ちゃんは丸ちゃんやて。 やから 「何？丸ちゃん」 聞くと、明らかに不貞腐れて 『忠義？って呼んだら、隆平♡って返さな』 ってアホか。そんなんようせえへんわ。 けどちょっと顔色を伺ってしまう俺。 「隆平って呼び辛い」 #彼の名

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3 『そしたらさあ、隆ちゃん、とかは？』 「…それ、俺に言われて嬉しいん？キショくない？』 『………』 うわっ、なんか、…怒った？ 「丸？」 『……ない…』ボソッと呟く。 「え？なんて？」 『愛が足りない』 「っ！はあ⁈」 何言うてんのこの人。 #彼の名

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4 「こんなんで愛が足りないとかなに？」 『大倉いっつも冷たい』 恨めしげに言う。 なんでやねん！ 「丸ちゃんがおかしいんやって」 『なんでぇ？だってさあ、俺らって付き合うてるんよなぁ？』 「っ…うっ」 そうやけど…、え？よくわからん。なんやの⁈ #彼の名

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5 「何が不満やねん！」 『俺の方が好きなんやなって』 あぁっ！ 「アホか！」 なんで名前呼ばんだけでそう言うコトになるん⁈ 『…亮ちゃんはー隆平って呼んでくれましたー』 「それはっ、…特典映像だからやろ。今は呼んでへん」 なんで亮ちゃんの話をだすん。 #彼の名

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6 「名前で呼ばんかったくらいで好きの質量は変わらんやろ」 『……も、いいです』 「ええっ！ちょっとー」 勘弁してや。 『大倉、俺帰るな…。ほなまた…』 肩を落として帰る丸。 なんでやねん‼︎ わけわからんわー。腹立つ。 ….もう、ほんまどないする？ #彼の名

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7 丸ちゃん…あれからずっと俺にそっけないねん。他のメンバーとは普通に接してるん。なのに俺にはめっちゃ近寄るなオーラ発してん。 今日のリサイタル大丈夫やろか。 …謝っとく？ でもなんて？ 悩んでる間にもスタンバイの時間は迫る。 《大倉？》 「亮ちゃん…」 #彼の名

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8 《そろそろ行くで…って、どうしたん？》 「っ…、なんもあらへんよ」 《なんもあらへんてことはないやろ。死にそうな顔してんで？具合でも悪いん？》 「っ!//」 亮ちゃんが俺のおデコに手を伸ばす。 《…熱はないみたいやな…ぶっふぁwオマエ体温たっかw》 #彼の名

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9 「亮ちゃん///大丈夫やからほっといてや」 って言ったのに、手近にあったパイプ椅子を引き寄せて背凭れを前に座る。 《丸と何があったん？w》 キラリと何かを含んだ目線。 …丸とって、え？バレてるん？俺らのこと。 「亮ちゃん？えっ…と、あの…？」 #彼の名

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10 《wわかりやすいねん、お前ら》 「うそん？」 《…丸を怒らせたん？》 鋭く切り込まれる。 「……」 無言の俺を鋭い目で見る亮ちゃん。 シーンとした空気に居た堪れずに 「……ひかんといてな、」 と話しだす。 「…名前を呼べって言うんよ//」 #彼の名

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11 《…ウン…？》 一瞬視線が宙を彷徨う。 《え、隆平って呼べってこと？》 「そうや、いややろ？」 《なんで？呼んでやりゃあええやん》 ニヤつく亮ちゃんを睨みつけて、 「…面白がってるやろ？」 言うと、心外そうな顔をする。 《そんなわけないやんw》 #彼の名

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12 絶対面白がってる。 俺は面倒くさくなって、 「もうええよ！行こっ」 と立ち上がる。 《大倉！》 「なにぃ？亮ちゃん」 もうホンマええって。 《…丸とこのままでいいんか？アイツ、お前のこと本気やぞ？》 「っ//」 なんやそれ⁉︎どういうこと？ #彼の名

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13 行きかけて立ち止まる。 「亮ちゃん…何か聞いてるん？」 《なんも聞いてへんよ》 目を擦りながら答える。 《せやけど、俺、丸のことはようわかんねん》 え… それって、どういうこと？ 《！ちゃうねん、ちゃうねん。丸とはさ…色々あったし》 色々って⁈ #彼の名

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14 「亮ちゃんっ、それってどういう意味⁉︎」 《そんな興奮せんでも。…気になるん？》 上目遣いで俺を見る。 亮ちゃんまさか？ 横山君というものがありながら？ 手がじんわりと汗ばむのを感じた。 《んふっ大倉なんちゅう顔してんねんwww》 「はっ？…へ」 #彼の名

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15 《ジョーダンやでw》 ニッと白い歯を見せて笑う。 …冗談？ 《まあさ、どっちが悪いとかはさ、俺も知らへんけど、このままは嫌なんやろ？》 それはそうやけど、 《そや！大倉、俺にいい考えがあんねん》 イタズラっ子の顔をして亮ちゃんが小声になる。 #彼の名

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16 《あんな……………。な？喜びそうやろ？w》 その提案に俺は眉をひそめた。 …マジか… 「…亮ちゃん、またからかってへん？」 《ヒドイやん！信じてーや》 やって、亮ちゃんのことやし…でも、自分じゃもう何にもでえへんしなあ。 「せやな。やってみるか」 #彼の名

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17 俺は亮ちゃんにそう言うとステージに向かった。 次や。 チャンスは多分亮ちゃんが作ってくれるはず。 脇に冷や汗をかきながら亮ちゃんと丸ちゃんを交互に窺う。 曲の流れからのトークタイム 亮ちゃんが横山くんを弄り、丸ちゃんが悪ノリするのはいつもの流れ。 #彼の名

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18 俺はそれを素知らぬ顔で見守っていると、 横:大倉もさあ、丸になんかゆう てやー はあ？なんかって、何⁈ 慌てて亮ちゃんの顔を見る。でも亮ちゃんはただにやけてるだけ。 面白がってるやん！ 今がそのチャンスなん？ あかんてめっちゃ見てるし。 #彼の名

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19 …どうする？ 亮ちゃんが目で合図を送ってくる。 ……… 「りゅ、隆平オマエさぁ、あんまふざけんなよ」 思い切り真顔で言ってやる。 『なんやねんっ///』 「なんもあらへんっ///」 『なにー？もー。そもそもオマエがさ』 「オマエってゆうなや」 #彼の名

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20 『そっちが先にっ』 横:ほらほらお前らこなんとこで ケンカすなよ 村:お前らホンマに、場所考え！ 横:お客さんも困ってるやろ 俺たちは思わず目を見合わせる。 …‘‘隆平”って呼んだんやけどな…うまいこといかへん。 #彼の名

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21 その時、 横:仲直りのチュウやな 横山君が意地の悪い顔で言う。 会場からはお客さんの悲鳴。 いつかのデジャブ 弾けるように横山君を見る。 笑いながらも目は‘‘いけ”と俺を促す。 俺がやらなあかんの？ 丸ちゃんは複雑な表情を浮かべて固まっている。 #彼の名

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22 会場のザワつき…お客さんが期待してるのはわかってるん。 行きかけて、あかんあかんて！ 無理やって亮ちゃん！ 亮:大倉、丸待ってんで？僕には できひんかったかもしれんけ どさーーー 最後の方はマイクを通さず ‘‘丸にはできるやろ？” #彼の名

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23 できるやろって、そんなん！こんな大勢の前で？ 丸ちゃん…？ いつもより口数が少なくて傷ついたような顔がステージのビジョンに映し出されて… だから俺は一歩足を踏み出す。 近ずくごとに上がる歓声とキスコール。 丸ちゃんの前で止まりマイクを下ろした。 #彼の名

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24 だけど俺は、 ‘‘…りゅ、隆平助けてや” 誰にも聞こえないように懇願する。 ヘタレって言われてもええ。俺ができんのはここまでや！ メンバーが焦れて、大倉！丸！と口々に呼びかける。 多分俺死にそうな顔してたんやろな。 丸ちゃんがふわっと笑った。 #彼の名

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25 ‘‘貸しイチな” そう言うと、 『もー、大倉そんなに俺が欲しいのー？』 とニヤニヤしながら俺に顔を近づけ、サラリと目の下にキスをした。 瞬間、爆発したように悲鳴があがる。 メンバーもやんややんや言うてるし、俺はもうヤケになって丸ちゃんを引き寄せて… #彼の名