眠れる森の今剣

とうらぶ童話パロ(ジョークです) 粟田口の人数に気づいて思わず… こちらを参考にしました: http://hukumusume.com/douwa/pc/world/07/13.htm
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なげやりポンコツ大明神 @chlora101

むかしむかし、三条国のお城でお姫様が生まれました。お姫様は今剣と名付けられ、王様の三日月は国中の人を呼んでお祝いをしました。お祝いには魔法使いの粟田口一族も呼ばれました。

2015-12-06 13:50:07
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

粟田口たちは一人一つずつ、お姫様に魔法の贈り物をしていきます。「美しい人になりますように」「明るい人になりますように」「賢い人になりますように」…11の魔法がかけられたそのとき、広間の扉がバーンと開いて、甲高い声が響きました。「鳴狐をお忘れとはなんということでしょう!!!」

2015-12-06 13:50:37
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

叫んだのはお供の狐。そう、席についているのは12人だけ。鳴狐の分の席がありません。 お妃様の小狐丸が驚いて答えます。「何を言うんじゃ、招いたぞ」「しかし、彼の席がないようだが」王子の岩融が指摘すると、王の弟の石切丸が憤慨していいました。

2015-12-06 13:51:29
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「何を言っているんだい。ここは西洋。13は不吉な数だから、避けなければ」「おぬし、阿呆なのか」 「ともかく、鳴狐の席がないのは許せませぬ!鳴狐、ここまでされて黙っている道理はないでしょう!?渾身の魔法を!」お供の狐が騒ぐと、鳴狐が「ごめん」と一言つぶやいて、魔法の杖を振りました。

2015-12-06 13:52:02
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「さあさあ姫よ、鳴狐からの贈り物を受け取るのです!!あなたは7歳の誕生日に、紡ぎ車に刺されて死ぬのです!!」お供の狐が甲高く叫ぶと、鳴狐と共に姿を消してしまいました。 みなは大騒ぎです。そんな中、一期一振が立ち上がっていいました。

2015-12-06 13:52:42
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「みなさん、お待ち下さい。まだ私は魔法をかけておりません。簡単に呪いを打ち消すことはできませんが、出来る限りのことはしましょう」そして姫に向かって杖を振ります。「姫は紡ぎ車に刺されても死なず、百年眠るだけです。そして、立派な人の口づけで目を覚ますことでしょう」

2015-12-06 13:52:49
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

しかし、王様もお妃様もみな不安で仕方ありません。「ならば国中の紡ぎ車を狩り尽くしてやろうぞ!」王子の岩融が意気込み、その結果国中の紡ぎ車が燃やされてしまいました。「これでよし」と王様も一安心。

2015-12-06 13:53:08
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

呪いのことを何も知らないお姫様の今剣は、すくすくと成長し、いよいよ7歳の誕生日を迎えることになりました。浮かれ上がっていた今剣は、一人でお城の中を飛び回っていました。すると、見たことのない扉に気が付きました。「こんなところにおへやがあったんですね!なかになにがあるんだろう…」

2015-12-06 13:56:19
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

@chlora101 今剣が扉を開けると、古びた部屋の中に、ふわふわのマフラーをまとった老婆が、見たこともない機械を動かしているのが見えました。 「おばあさん、それなんですか?あたらしいおもちゃですか?」「…まあ」「ぼくもあそんでいいですか?」「もちろん!!どうぞどうぞ!!」

2015-12-06 13:56:51
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「おばあさん、そんなたかいこえもだせるんですね、びっくりです!」そんなことをいいながら今剣が紡ぎ車に手を伸ばすと、その瞬間、紡ぎ車の尖ったところが今剣の柔らかい手を突き刺して、今剣は意識を失ってしまいました。

2015-12-06 13:57:01
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「さすが鳴狐!うまくいきましたね」マフラーが騒ぎます。実は老婆は鳴狐が化けた姿だったのです。鳴狐が姿を消すと、今剣のことを探していた岩融が部屋に入ってきました。「…今剣!?」死んでしまったのかと思い胸に耳を当てると、心音と寝息が聞こえてきました。今剣は眠っているだけだったのです。

2015-12-06 13:58:08
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「国中の紡ぎ車を狩り尽くしたはずが…何故城にあるというのだ…!!」今剣をベッドに横たえながら、呪いが本当に起こってしまった事実を目の当たりにした岩融は打ちひしがれました。「それでは、姫は本当に百年も眠るというのか」三日月が悲しそうに言うと、そのとき魔法使いの一期一振が現れました。

2015-12-06 13:59:06
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「姫が目を覚ました時寂しく思われないように、すべてを眠りにつかせましょう」そうして杖を振ると、城中のすべてが眠りにつき、城壁の茨だけがただ伸びていきました。

2015-12-06 13:59:38
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

長い年月が過ぎたある日、茨に囲まれた城の近くをある国の王子が通りかかりました。「これが噂で聞いた城…」王子の名前は

2015-12-06 14:02:21
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

王子の名前は小夜。左文字王国の第三王子です。彼は100年前に栄えたという三条国の遺跡を探索するべく、この地にやってきたのでした。ようやく辿り着いた城はいばらだらけ。小夜王子は王家に伝わる短刀で、いばらを切り開いていきました。

2015-12-10 15:44:11
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

城の中では誰もかもが眠っていました。体のうえに積もった埃が、長い年月を思い浮かばせます。奥の方へ進んでいくと、大きな天蓋付きのベッドに、自分と同じくらいの歳の少女が横たえられていました。少女の美しさに、小夜は息を呑みました。「なんて綺麗な人だろう」

2015-12-10 15:51:12
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

小夜は思わず彼女の白い手を取って、その指にそっと口づけをしました。その瞬間、彼女の指先が急に暖かくなり、閉じられていた目がぱちりと開きました。真っ赤な瞳が小夜の姿を捉えます。「きみは…だあれ?」「僕は小夜左文字。貴方は?」「ぼくは今剣。なんだか、ながいことねむっていたような…」

2015-12-10 15:56:01
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

二人が手を取り合って見つめていると、まわりにいた王族のみんなも目を覚ましました。「おぬし、今剣に何をしている!」「やや、これが一期の言っていた立派な人というやつか」「随分小さいんじゃな」「何はともあれ、みんな目を覚ましたじゃないか。よかったよかった」

2015-12-10 16:04:12
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

そうして眠っていた何もかもが目を覚まし、今剣は自分が100年眠っていたこと、小夜のくちづけで目を覚ましたことを知ったのでした。「勝手なことをして、ごめん」そう小夜が謝ると、今剣はいたずらっぽく笑って言いました。「どうせなら、くちびるにしてくれてもよかったんですよ」

2015-12-10 16:04:36
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

目を覚ました今剣は小夜にすっかり一目惚れ。今剣が大切で仕方がない岩融が小夜にいくつも厳しい試練を与えましたが、小夜はそれを全部乗り越えて、今剣と結婚することになりました。めでたしめでたし。

2015-12-10 16:07:37
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「全然めでたくありませんぞ」結婚パーティーの会場に魔法使いの一期一振が乱入してきました。「王子はお姫様の唇に口付けしないとだめだったんです…みな期待していたというのに…」「そんなこと言われても…初対面の眠っている人にいきなり口づけするなんて変だよ」「ぼくはそれでもよかったですよ」

2015-12-10 16:13:32
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

「…というか、どうしてあなたの一族の鳴狐は今剣に魔法をかけたの」「あれはお供の狐が拗ねていて、それを宥めるためにやったんでしょうな…鳴狐は魔法をかけたあと、私に向かってウインクしてきたくらいですから」「ちゃーみーですね」「君はそれで死にかけたんだよ!?やっぱり復讐しないと…」

2015-12-10 16:13:54
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

小夜の復讐劇が始まるかどうかは昔話からは先のお話です。とりあえずめでたしめでたし。

2015-12-10 16:18:01
なげやりポンコツ大明神 @chlora101

ちなみに蛍丸が王子だったら唇にめっちゃキスしてるしみんなが目を覚ました頃にはベッドの上でイチャついてたよ

2015-12-10 16:19:47