日本昔話パロ

なげやりポンコツ大明神 @chlora101

昔々あるところに、一期一振という男が住んでおりました。一期には薬研、厚、博多、平野、前田という5人の小さい弟があり、貧乏ながらも仲睦まじく暮らしていました。一期には「自分にはもっと弟がいるはずだ」という不思議な確信がありました。そんな一期がある日川へ洗濯に行くと、

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川上からそれはそれは大きな桃がどんぶらこと流れてきました。これはうまそうだと桃を引き上げ、家へ持って帰って切ってみると、中からピンク色の髪の毛をした男の子が現れました。一期はその子に秋田と名付け、弟のようにかわいがることにしました。 そんな秋田が数えで7つになった頃、長男の薬研が

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「兄弟も増えたし金を稼いでくるぜ、何、心配するな」と言って突然家を飛び出してしまいました。一期は突然のことに悲しみ、これも貧乏なのがいけないと、野山に行って竹を取り売ることにしました。 一期が竹藪へ入ると、一本輝く竹がありました。不思議に思ってその竹を切ると、光り輝く女子が…

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いえ、男の子がおりました。一期はその子に乱と名付け育てました。乱は秋田よりもずっと早く成長し、あっという間に平野や前田よりも大きくなりました。 さてそのころ家を飛び出して放浪していた薬研は、家を出て最初に掴んだ藁がミカンに、ミカンが布に、布がウマに、とトントン拍子に交換して、

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最終的に広い屋敷を手に入れました。旅に出るといった屋敷の主人には妾がおり、名は宗三と言いました。宗三にすっかり一目惚れしてしまった薬研は、猛烈なアタックを繰り広げ、立派なお屋敷とお嫁さんを手に入れました。「早く兄弟たちをこの屋敷に招かないとな」薬研はそう思いました。

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しかし薬研はいつの間にか元の家から遠く離れた町におり、なかなか会いに行くことができません。 薬研がお屋敷を手に入れた頃、桃から生まれた秋田はすっかり大きくなっておりました。彼は一期の説得も振り切り、鬼ヶ島へ鬼退治に行くことにしました。桃から生まれた人間の運命です。

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また弟がいなくなり悲しんだ一期は、神様に「弟が離れないようにしてください」と祈りました。すると神様が「あいわかった」と微笑んで、いつの間にか一期の手の中に小さな…一寸ほどしかない男の子が入っていました。「俺は後藤藤四郎！今にでっかくなってやるぜ！」と男の子は言いました。

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後藤は背の丈は小さいものの度胸があり「薬研を探してくるぜ！」と意気揚々と家を飛び出し、都へと行ってしまいました。 都へたどり着いた後藤はあるお屋敷を見つけ、そこで奉公しながら薬研を探すことにしました。そこには物吉というお姫様がおり、後藤はその警護にあたることになりました。

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その頃悲しみにくれる一期がまた竹藪で刀を振るっていると、竹から小判が湧き出てくるようになりました。「このお金があれば薬研も秋田も後藤もここにいられたのに…」そう思いながら、一期はそのお金で乱の服を仕立てました。乱は、男の子でしたが、女子の格好をするのが好きだったのです。

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そんなとき、困った話が舞い込みました。女子の姿で美しく育った乱のその美貌の噂を聞いて、あちこちから貴族の男が、はては帝までが求婚してきたのです。今更乱が男であるとも言い難く、一期は無理難題を出して求婚者を追い払いました。しかし帝の燭台切はどうしても諦めてくれません。

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そんなとき、乱が突然「次の十五夜に月に帰らなきゃいけないの」と言い出しました。一期と燭台切は出来る限り兵を出し、月からの迎えを撃ち落とそうとしました。 十五夜の日、月からやってきた迎えを見て、一期は驚きました。「あなたはあの時の神様…！」 そう、やってきたのは神様の三日月でした。

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「満月なのに三日月というのも、変なものだな」そう言って三日月は「おぬしに撃たれるのは気が進まん。乱よ、しばらく現世で遊んでもよいぞ」と月へ帰っていきました。一体何だったんだと思いながら、燭台切は乱に求婚しました。しかし乱に「ボク実は男の子なんだ」と言われ、とぼとぼ都へ帰りました。

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いろいろあって一時期はお金持ちになったものの、兄弟も多く出費はかさみ、師走に入った頃には家はすっかり元の貧乏にもどっておりました。厚が落ち込んで「これじゃあ正月の餅も買えねえな…」と言うと、博多が「笠を作って町で売ればよか！」と言って藁を取り出し、兄弟全員で笠を編みました。

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大晦日も近づいた日、出来上がった笠を持って、平野と前田が町へ売りに行くことにしました。雪の降る中、町への道の途中で、二人は地蔵がたくさん並んでいるのを見つけました。地蔵の上には雪が積もりとても寒そうに見え、ふたりは地蔵を可哀想に思って、作った笠を地蔵にかけてやりました。

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しかし作った笠を全てかけても、あと二体分の笠が足りません。平野と前田は自分たちの笠も地蔵にかけてやり、売るものがすっかりなくなってしまったものの、いいことをしたと満足気に家に帰りました。博多は激怒しましたが、一期はいいことをしたね、とほめてやりました。

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餅もないのは残念だねと笑いながら、一期と弟達は大晦日を過ごしていたところ、扉を叩く音がしました。開けるとそこには、笠を被った青い髪の少年がおりました。 「僕は小夜左文字。訳あって地蔵に化けていた付喪神。さっきの笠の復讐をしに来た」

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「小夜、これは復讐ではなく和睦です」後ろの僧衣の男がそうたしなめると、小夜は少し顔を赤らめながら、平野と前田の方をみて「笠のお礼、少しだけど」といって、たくさんのもち米と小判を渡しました。お礼をいう間もなく小夜と僧衣の男は立ち消え、本当に神様が現れたんだと兄弟たちは驚きました。

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やっと餅が食べられる、と皆が喜んでいると、さらに戸を叩く音がしました。そこに立っていたのは、随分前に家を出た薬研でした。横には美しい人も立っています。 「俺っち、屋敷も手に入れて嫁さんも手に入れたんだ!迎えに来るのが遅くなって悪かった。とりあえず正月はみんなで過ごそうぜ!」

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薬研の帰還に一期は大喜びです。薬研の持ってきた酒を開けながら宴会が始まろうと言う時に、さらに戸を叩く音がしました。そこに立っていたのは、薬研を探しに行くと出て行った後藤ーーしかし一寸ではなく、なんと大きくなっていた後藤でした。

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「いち兄!俺、都で姫様の警護をしていたら鬼を倒して、そいつが持っていた打ち出の小槌を振ったら、なんとでっかくなれたんだ!!どうだ、すごいだろ?」 後藤の隣には美しい格好をした姫様がおりました。 「それで、奉公していた先のこの姫様と結婚することになったんだ!」

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薬研も後藤も帰ってきて、これで秋田がそろっていたらなあ、と一期はすこし寂しい気持ちになりました。すると、外から犬の鳴き声と、「いち兄ーーー!!!」と叫ぶ声がしました。兄弟全員で外を飛び出すと、雪の中を秋田と、そしてなぜか犬と雉と猿がこちらに向かって走ってきているのが見えました。

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「いち兄、ぼく、鬼を倒してきたんだ!この子たちにも協力してもらって」そういって秋田は犬を撫でました。「それとこれ、鬼たちが持っていた財宝!これでもう楽に暮らせるよ!」 こうして一期の元には、薬研、厚、博多、後藤、乱、平野、前田、秋田という弟達と、たくさんの財宝が集まったのでした。

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こうして豊かになった兄弟たちは、それは楽しくて幸せなお正月を過ごし、その後はみんなで裕福に暮らしたのでした。めでたしめでたし。

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五虎退は一休さんしてて虎となかよししてたのでいません!!!!!!!!!!!(ほんとすいません忘れてましたごめんなさい)