本格怪奇体験ビデオ 残刻村を覆う影 最終章 ザ・カウンターアタック・オブ・ミヤコキンダーガーデン。【リブート・ミヤコキンダーガーデン・メンバーズ】＃1

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

【本格怪奇体験ビデオ 残刻村を覆う影 最終章 ザ・カウンターアタック・オブ・ミヤコキンダーガーデン 】#ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

【リブート・ミヤコキンダーガーデン・メンバーズ ＃1】 #ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「失礼します」病室のドアを開けると、ベッドに寝ていた人物がびくりと体を震わせた。白く清潔な病室に入ってきたのは、シスめいて黒いローブで体を包む男だ。「どちら様です？」ベッドに横たわる女性が聞くと、男はフードをとって挨拶をした。#ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「お久しぶりです、ミヤコセンセイ」「コセンさん！」ローブの男、コセン・ニンジャが深々とおじぎをすると、ミヤコセンセイと呼ばれた女性は体を起こした。輝く金髪に、白い病人服を着たこの女性こそ、謎の武装勢力ミヤコ幼稚園の元締め、ミヤコ・ミヤコその人である。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「すみません、このような格好で。訳あって姿を隠さねばならないのです」「いいえ、大丈夫ですよ。元気そうで良かった」先日の一件で、コセン・ニンジャら四人組は指名手配されていた。それはこの地下30階人間病院施設においても例外ではなく、多大な報酬が人間にも約束されていた。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「そちらもお元気そうで何よりです。具合はどうですか？」コセン・ニンジャは再会の喜びを噛みしめるように微笑んだ。「ええ、あまり調子は良くないですが、最近では少しだけ歩けるようになったんです。もう少しすれば完治します。絶対です！」「それは良かった。本当に、良かった」 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「それで、コセンさん。私に何かを聞きに来たのではないですか？」ミヤコセンセイは、布団の上で手を組むと、コセン・ニンジャの顔をじっと見た。「…流石はミヤコセンセイ。お見通しなんですね」「何を聞きに？」「たろりんの事について」「魔剣カシミヤ、ですね？」「ええ」 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

ミヤコセンセイは、なんと言うか考えるようにしばらくの間を置き、そして驚くべき事実を語り始めた。「魔剣の剣士たろりんさんは、4つの構えを使うのです」「構え？」「そうです。烈火の構え、突風の構え、静水の構え、そして暗黒の構え」「なぜそれを？」「戦ったからです。彼と」＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「結果は？」「うまく逃げおおせました。あれは剣鬼、もしくは修羅の類いでしょう」「修羅…」「剣に生き、戦いを求め、死線を彷徨う。まるで何かを埋めようとするように」「なんです？それは」「貴方ですよ、コセンさん。たろりんさんは、貴方を求めています」 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

その時、ミヤコセンセイは苦痛に悶えるように、頭を抱え出した。「ううう…」「大丈夫ですか！？」「時間がありません、手短にお話します」ミヤコセンセイはたろりんの構えについて話し始め、コセン・ニンジャはそれを正座で聞いていた。聞けば聞くほど、たろりんの強さに底が見えない。＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「最後に…暗黒の構えを…」ミヤコセンセイは、頭痛に耐えながら最後の構えの説明をしようとした、が、突然パタリとベッドの上にうつ伏せてしまった。「ミヤコセンセイ？」「…………」「ミヤコセンセイ」「……………」「誰かきてくれ！ミヤコセンセイが倒れた！」 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「コセンさん…」ミヤコセンセイがコセン・ニンジャの手を掴んだ。「なんです！？」「貴方の心に光ある限り、たろりんさんの罪をそそぎ、彼を救うことが…でき…る…はず…」「ミヤコセンセイ！しっかり！誰か！早く来てくれ！誰か！誰か！誰か！」………… ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

【ksnjtk】 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

【ksnjtk】 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

ビュウウウウ…強い風が、チュパカブラダウンタウンに吹く。清浄システムによって街の清掃を行うための、特殊なイオンの混じった風速10メートルの強い人工風だ。その強風の中を1人の園児が歩いている。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

風にたなびく茶色のマントと、フード付きカソックコートめいた軽装備、首からぶら下げた十字架、背には見ただけで業物とわかるロングソードが鞘に納まっている。顔はフードをかぶっているせいでよく見えない。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

園児は無言で、清掃風の吹く都市部の通りを歩き続け、そしてバーの前で足をとめた。バー・『人食いジェイソン』。賞金稼ぎである、この園児の行きつけのバーである。戸を開けて、店に入る。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

広い店内は、ロックな音楽と色鮮やかなライトと、ごろつきのチュパカブラで溢れていた。備え付けの三本の棒には、ストリップチュパカブラ達のポールダンス。人間の姿はない。園児はそれらに目をくれず、カウンター席に向かう。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「どうも、元気ですか？」200年間変わらない、狭苦しいカウンター席に着くと、サイボーグ化したマスターがグラスを拭きながら園児に話しかけた。「ぼちぼちさ」園児はフードの中で微かに笑いながら答えた。「最近は砂漠で仕事をしてた」「砂漠ですか…やはり多い？」賞金首だ。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「それなりさ。いつもの一つ」「かしこまりました」マスターは、『神の血』のラベルが貼られたウイスキーを取ると、慣れた手つきで氷の入ったグラスに注いだ。メタリックな機械手で、園児の前に置く。「ありがとう、マスター」園児は、ぐいと喉に黄金色の液体を流し込んだ。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「…風味が変わったな。何年ものだ？」「72年ものです、樽を変えたのですよ。あなたしか飲まないものですが、何十年も経つと無くなってしまうものです」「だが、いい酒だ」「ありがとうございます。長い付き合いですからね、出来る限りの事は、と…」 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

流れるロック、踊るチュパカブラ、騒ぐごろつき。園児はカランとグラスを揺らす。「変わったな、ここも」「200年経てば、なんでも変わります。客が人間からチュパカブラになった。ただそれだけです」「それだけで、そんな顔になるのか？」園児はマスターのしかめっ面を見ていった。 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「おっと、これはお見苦しい所を」「いいさ、僕とマスターの仲だ」そして、フードの奥の目を鋭くさせながら、園児は懐から一枚の写真を取り出した。「この園児をしっているか？」マスターは驚いた顔をした。「…この方を、どうするおつもりで？」「殺って、賞金を頂く」 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

マスターは、店の壁に貼ってある賞金首の写真と、園児の写真を見比べた。「…友を殺るのは、おすすめしませんよ」「仕事だ」園児は数十枚の万札を無言でマスターに差し出した。「魂を売れと？彼は私の友でもあります」「罪人だ。友じゃない」マスターは首を横に振った。「いやです」 ＃ksnjtk

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「そうか…惜しいな。いい店なのに」園児が剣の柄に手をかけようとした時、スッ。と隣の席の男が、グラスに入ったミルクを差し出した。「やめておけ。これでも飲んで落ち着いたらどうだ？」隣の、ジェダイめいた茶色のローブの男が言った。その腕にはテッコ。 ＃ksnjtk