#スエズ鎮守府 活動記録その6

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アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「クリスマスで出費痛いのに、そこからさらにお年玉まで準備とかさぁ……士気に関わるのに国からは予算降りないしさぁ……」 望月「大人は大変だねぇ」 提督「ほんと大変だよパンツくれ」 望月「どーしてそーなる……」 #スエズ鎮守府

2015-12-26 10:19:12
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「えー、クリスマスが終わった直後ですが、来週には正月が来ます」 ビス「早いものね」 提督「というわけで、君達には正月の飾り付けのために」 大鳳「年の瀬らしく買い出しに行けと」 提督「いや、出撃先で飾りの材料を集めてもらいます」 ビス「……」 大鳳「……は?」 #スエズ鎮守府

2015-12-27 00:45:27
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「そんな顔されてもなぁ……俺も大本営が何言ってるのかよく分からないんだけど、指示書にそう書いてあったんだよな」 大鳳「赤煉瓦、絶対に笑ってはいけないシリーズとかのロケ地になってません? 大丈夫?」 ビス「酔っ払ったGrafだってもう少しマトモよ」 グラ「ん?」 #スエズ鎮守府

2015-12-27 00:48:17
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「というわけでね、ソマリア方面で飾り付けの材料を捜索してきてくれるか。俺は望月のパンツ食って待ってるからさ」 大鳳「ソマリアの海賊相手に、新年の飾り付けをカツアゲしてこいと」 ビス「それ、ていのいい海賊掃討作戦なんじゃ……」 提督「人は殺すなよー、穏便になー」 #スエズ鎮守府

2015-12-27 00:52:41
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

卯月「しれいかん。お話があるぴょん」 提督「んー、今ちょっと望月の汗が滲みた制服と肌着から塩作る方法考えてるところだから、手短に頼むぞ」 卯月「自分の妹が相当に気持ち悪いことされてる上に、しかもそれが妹の旦那だと思うと、うーちゃん色々やりきれないぴょん……」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 11:56:05
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「で、話とは」 卯月「その、淀ぴょんが廊下で言ってたのを聞いちゃったんだけど……」 提督「珍しく歯切れ悪い」 卯月「嵐と萩ぴょんが来た時にネコババした偉い人達の裏金、なんか盗まれちゃったらしいぴょん」 提督「……」 卯月「およ、しれいかん?」 提督「……え?」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:02:01
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「盗まれたぁ?!」 卯月「そう言ってたぴょん」 提督「んで、当の本人の大淀は」 卯月「なんか、変なお面被って走って行っちゃったぴょん。犯人に心当たりがあるとか何とか……あっ、ちょっ、しれいかん!?」 提督「大淀を止めないと。あいつもキレると何するか分からん」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:05:28
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「明石、大淀の居場所って分かるか」 明石「そんなことだろうと思って、そこに捕まえておきましたよ」 大淀「……」 卯月「し、死んでるぴょん……」 明石「試作してたスタンガンだから死んでないです。…………たぶん。きっと。maybe」 提督「ほんとかよ」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:12:55
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「それで……裏金が盗まれたって聞いたが、何があったんだ。ここに寝かされてるってことは、事が発覚するまで大淀もこの部屋にいたんだろ」 明石「そうですねぇ、どこから話したものか……まず結論から言いますと、盗まれたと言うよりは口座ごと凍結されたって話なんですけどね」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:16:25
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「口座が凍結って……」 明石「あのお金、流石に鎮守府の予算にそのまま組み込むのは足がつくってことで、大淀が無数に持ってる口座に分割して預けていたんですけど……その全てを銀行が一斉に抑えてしまったんです。しかも、そのタイミングが……」 提督「タイミング?」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:21:32
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

明石「国連軍に仕掛けていた全自動周辺電子機器ハックマシン"ぬいぬい人形ver1.0"を使って、情報収集をしていた時です。あの、何とかっていう国連軍の艦隊について」 提督「AXISか……」 明石「そのデータの確保が完了したと同時に、こんな画面が表示されたんです」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:26:55
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「英語……手書きの筆記体だな」 明石「何かのメッセージでしょうか。そして、これを見た瞬間に大淀の血相が変わって、廊下に飛び出していったものだから咄嗟にスタンガンを……」 提督「その件については、必要な措置だったとして不問にしとく。……しかし、一杯食わされたな」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:30:45
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

明石「英文の表示と口座の凍結は、こちらがデータを確保したと同時に始まった。つまり、情報を餌に金を釣られたということですか」 提督「いんや、こいつは示威行為ってところだろうよ。"お前らはこちらの手の上だ"って具合のな」 明石「それに対して、大淀は反撃をしようと?」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:36:27
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「……本当にそれだけなのか」 明石「他の理由、ですか」 提督「確かに大淀はキレると怖い奴だが、その理由には必ず道理がある。俺も大淀と旧知ってわけじゃないけどさ……それでも、こいつがここまで反応するってことは、踊らされた怒り以上の何かがあるんじゃないかと思う」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:41:15
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「ともかく、明石は気絶した大淀の介抱を。お前も含めてだが、目を覚ましたらこの件に深入りするなと言い含めておけ。それから……釣られたのは腹立たしいが、餌になっていたデータは?」 明石「そこのメモリに。中身のスキャンは終わっています」 提督「仕事が早くて助かるよ」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:43:53
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「行くぞ、うーぴょん」 卯月「うん……」 提督「あー……まぁ何だ。心配すんなって。鎮守府は何とかなるから」 卯月「ううん。違くてね」 提督「他に心配事か? 言ってみろ」 卯月「あのね、お金無くなっちゃったから、鎮守府の建て替えできないなぁって」 提督「……」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:47:57
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

卯月「ぴょん? どうしたぴょん」 提督「いや、うん……そういうアホなところに救われることもあるんだなぁって思ってさ」 卯月「……もしかして馬鹿にされてるぴょん?」 提督「いんや、褒めてんだよ」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:50:20
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「しかし……隻眼より蠅の王へ、か……」 卯月「ぴょん?」 提督「ああ、画面に出ていたメッセージの意味を考えてた」 卯月「蠅の王様って、何かすごくおっきな虫みたいでキモいぴょんね」 提督「いや、ここで言う蠅の王ってのは……まぁいいや」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 12:57:49
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「ということがあったので、鎮守府の建て替えは無しになりました」 望月「えー。じゃあしれーかんとあたしの部屋はどうすんのさ」 提督「国から降りた予算の範囲で直すしかないなぁ。まぁ、壁の穴は埋まるくらいで元どおりなんじゃないか?」 望月「結局ボロ鎮守府って事かー」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 18:07:14
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

同時刻、スエズ鎮守府から3000マイル。 「ふぅ。終わったよ、提督」 ロンドンのとある喫茶店。テーブルに広げたラップトップの画面を満足そうに見つめ、帽子を被った銀髪の少年――否、少女がうんと伸びをした。 人もまばらな店内。その中で、彼女に目を向ける者はいない。 #スエズ鎮守府

2015-12-28 18:14:00
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「ご苦労、レーベレヒト」 しかし、応える声が一つ。その主は、少女が座るテーブルの斜向かい、カウンターに腰掛けた背の高い男だった。 よく手入れされた金の髪に青い瞳。飾り気のない、しかし一目で高級品と分かる私服姿の彼の視線は、目の前のチェス盤から離れていない。 #スエズ鎮守府

2015-12-28 18:18:04
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「レーベでいいって言っているのに。……ともかく、向こうにメッセージは届いたようだし、強奪されかけた僕達の予算は戻ってきたよ。まったく、何でもインターネットで制御するのも考えものだね」 事も無げに言い、少女――レーベはテーブルの上にあるビスケットを指で摘む。 #スエズ鎮守府

2015-12-28 18:21:57
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

支部とはいえ、日本の鎮守府を、そして複数の海外口座を同時にクラックするという離れ業をやってのけたレーベは、「ねぇ、提督」とポーンの駒を手に取る男に問いかける。 「どうして、欧州麾下の僕達の予算が、裏金名目で運ばれていたのかな。まさか審査を通っていないお金なのかい」 #スエズ鎮守府

2015-12-28 18:28:42
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「然るべき許可は下りている。でなければ、このご時世にあの規模の金は動かない」 「じゃあどうして裏金なんていうのかな」 「我々の存在が明るみになるくらいなら、裏金としておいたほうがマシだから」 レーベの疑問に答えたのは、彼女の背後に座ってコーヒーを傾けていた少女だ。 #スエズ鎮守府

2015-12-28 18:31:56
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「マックスはこの話聞いていたの?」 「彼はそういう話を私達にしない。だから、これはただの予想」 淡々と答え、それっきりマックスと呼ばれた赤髪は沈黙する。 「そういうことだ。AXISの存在が世界の視線を浴びるのはまだ早い。故に隠した。それだけだ」 男――提督が頷く。 #スエズ鎮守府

2015-12-28 18:34:44
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