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miyako385v1
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イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
…暇だな。 年末も近いと言うのに間の抜けたことを考えている阿呆は、僕だ。 当然お部屋のお片づけ、大掃除なんてものはすすんでいない。 そこには捗りが無いのだ。だから、今はやらない。そう言うものだ。 1 #ismztk
2015-12-29 00:58:23
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
だから例えまきづめちゃんやうさぎセンセ、果てはあの、もよちゃんまで廊下を慌ただしく行き交ってても動かない。いや、動けないのだ。全ては捗りのままに。 2 #ismztk
2015-12-29 01:00:30
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
暇だなぁ…オバケでもいいから現れないかなぁ… 暇を持て余した僕は何の気なしに「オオトリ！」と呟いた。 幼稚園では「オオオオ！」などの派生もある程の人気を誇る謎めいた、それでいて楽しく暖かいチャントなのだ。 3 #ismztk
2015-12-29 01:01:38
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
「ぬっ！？」思わず驚愕の声が漏れる。目の前におおとりちゃんが座っていた。これがチャントの効果…っ！？それともオバケ！？ どうやら話を聞くかぎり遊びに来たとのことで少し前から部屋にいたそうだ。気がつかなかった… 4 #ismztk
2015-12-29 01:02:46
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
大掃除は大丈夫なのか、と特大ブーメランを投げようとしたところでおおとりちゃんが何か気づいた。 「あれ、いしみずちゃんそんな手だっけ？」 僕は捗れば大掃除をいつでも出来るように人の手に変化させていたのだ。 5 #ismztk
2015-12-29 01:04:13
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
そう答えようとして面白い事を思いつく。僕は表情にこそ出さないが心の中ではにやにやしていた。 「えーと、これのこと？」大袈裟に手を動かして手を見せる。 「そうそう、なんというか、おりどらさんみたいな感じじゃなかったっけ？」 6 #ismztk
2015-12-29 01:05:59
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
「おおとりちゃんだってそんな手だっけ？」 「えっ？」おおとりちゃんが手を見やると腕からはおおよそ採掘には向かないであろう、漫画のような大きいドリルが堂々と生えていた。 「わああああああ！？」 7 #ismztk
2015-12-29 01:06:51
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
おおとりちゃんの感情の昂りに呼応してドリルがけたたましい音で回転を始めた。「わーっ！？わーっ！？」「ひいっ！アブナイ！」おおとりちゃんが取り乱して振り回したドリルをなんとか躱すと慌てて手を元に戻してあげる。 「「びっくりした…」」 8 #ismztk
2015-12-29 01:08:11
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
しかし、真の闘いはここからだった。 その後声を聞きつけ現れたまきづめちゃんとおおとりちゃんはなんと僕のフードを脱がしにかかったのだ！ 「ちょっとだけだから…！」にじり寄るおおとりちゃん！ 「僕も気になる…！」迫り来るまきづめちゃん！ 絶対絶命の僕！ 9 #ismztk
2015-12-29 01:09:20
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
ここは… 「戦略的撤退っ！！」僕は二人の脇を抜け廊下に… でられなかった。 流石はおおとりちゃん、俊敏性が僕より遥かに上だった。 結果を言うと服の裾を握られたのだ。 その隙にまきづめちゃんがドアを閉めて前に立つ。 10 #ismztk
2015-12-29 01:09:50
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
完璧なコンビネーションの元に僕は鳥籠の鳥。 おおとりちゃんの方がお似合いだと思うんだけどなぁ… ぼやく間も無く…ついにフードを取られてしまった。 11 #ismztk
2015-12-29 01:12:15
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
「「ア、アイエエエエェエェエ！？！？」」絶叫がピッタリ重なった。流石コンビネーションバッチリ。 その隙にサッとフードをかぶる。 「オバ…オバケ！」失敬な。 12 #ismztk
2015-12-29 01:12:47
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
騒ぎに気づいたうさぎセンセと栗なごちゃんがやってくる。 「どうしました！？」 おおとりちゃんは僕を指差して「オバケの頭！」ほんと失敬な！ そこで僕はスッとフードを脱ぐ。 13 #ismztk
2015-12-29 01:13:07
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
「アイェ…あれ？」「あれ…普通だ…」 「なんにも無いよ？」 ふふふ。 僕はコッソリとドヤ顔をおおとりちゃんとまきづめちゃんに向ける。 14 #ismztk
2015-12-29 01:13:29
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
「それよりも…大掃除は？」栗なごちゃんのことばに僕の顔が凍りついた。 ついでにおおとりちゃんも。「僕終わってるよ」裏切ったのかまきづめちゃん！ 口を開く前に光の濁流。 15 #ismztk
2015-12-29 01:14:06
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
「全く！後はもよちゃんです！朝からフートンクラウドに接続したっきりまだなんにもやってないんですよ！」栗なごちゃんがプンスカしながら次のサボり者に注意するため、うさぎセンセの手をひいて出て行った。 16 #ismztk
2015-12-29 01:14:44
栗なご
@kurinago77
もよちゃんですら廊下を駆け回る⇨朝からフートンクラウド意識に接続したっきり。 つまりもよちゃんはフートンモンスター状態で大掃除を…そりゃあ進まないや。 #ismztk
2015-12-29 05:53:35
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
「もう！年の瀬オバケかと思ったよ！」まきづめちゃんも出て行った。 なんだそれは… どうやらそんな存在が年の瀬には化けて紛れ込むらしい。片付けない子にオシオキするらしい。そう言いながらよろよろとおおとりちゃんも出て行った。 17 #ismztk
2015-12-29 01:15:06
イシミズ@テキスト(仮)
@Ishimizu008
オバケ…やっぱりコワイなぁ…真面目に大掃除しよう。 捗りに身を任せすぎてもダメだと痛感した日だった。 18 #ismztk
2015-12-29 01:15:35