《Madness and rapture》『第一話』

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ジュセー @shiroboshi2

《Madness and rapture》 『第一話』 #textS57

2016-01-10 23:01:11
ジュセー @shiroboshi2

薄暗い、森の中。 少年が、駆けていた。 「なんで……!なんで僕が、こんな目に!」 駆ける、駆ける、駆ける。 その顔には恐怖の色が滲み出ている。 「シロボシくん、だっけ?」 少女の声。少年は驚愕する。 彼を恐怖に陥れた存在。 先ほどまで彼女は後方にいたはずだった。 1

2016-01-10 23:05:17
ジュセー @shiroboshi2

だが少女は今、確かに目の前にいる。 「アハハ☆ もっと、もっとあそぼう!」 少女は嗤い、手に持つ鎌……鎌のようなソレを少年に向ける。 「……!」 彼は、灰崎 白星は元来た道の方へと走り出す。 「そうそう、そうやってぇそうやってぇ……そうやって逃げて!もっと!もっと、あそぼう!」2

2016-01-10 23:10:14
ジュセー @shiroboshi2

白星の外見は、普通の少年とは言い難かった。 肩下辺りまで伸びた、ボサボサの髪。つい先刻まではポニーテールに結わえていたはずだが、必死に走っているうちに解けてしまっていたらしい。 その髪の色は、白銀であった。 「はぁ……はぁ……」 荒い息。4

2016-01-10 23:17:31
ジュセー @shiroboshi2

彼はいま、クラスメイトや友達、そして……弟のことを思い起こしていた。 走馬灯、だろうか。 「まだ……まだ、死にたくない……うっぐ……!」 彼は頭を抑えた。頭痛。またか。 彼も、彼の弟も抱える問題だった。 それは、過去を、自分たち兄弟の幼少期を思い出そうとすると起こる。5

2016-01-10 23:21:05
ジュセー @shiroboshi2

「こんなとき、に……うわ!」 頭痛に気を取られ、躓く。 派手に転んでしまい、地面にダイブしてしまった。 まずい。まずい! 急いで身を起こそうとする。 「ねぇ、シロボシくん?」 ……。 「シロボシくんは、楽しかったぁ?」 ーーー人は。人は。6

2016-01-10 23:26:56
ジュセー @shiroboshi2

「アタシは、たのしかったよ!アハッ☆」 人は、本当の恐怖や絶望に立ち会ったとき言葉を、思考を失うという。 自分の耳元で聞こえる少女の声に、白星は。 「じゃあね、バイバイ!」7

2016-01-10 23:31:03
ジュセー @shiroboshi2

人。人、血。人血人。 血。血、血。血血血。 肉。肉、肉。肉肉肉。 ……。 8

2016-01-10 23:36:14
ジュセー @shiroboshi2

《Madness and rapture》 『第一話』終 #textS57

2016-01-10 23:38:15
きゃんてら @Cantera36

ぬわーっ!?一次小説始まってたー! ウン、既にだいぶ怖い。だいぶダーク。読み始めるの不安だなぁ… でも折角ツイッターに投下されると言うなら、食わず嫌いを押し殺して読ませていただかざるを得ない。 これからヨロシクオネガイシマス! #textS57

2016-01-10 23:59:44