DENKI GROOVE THE MOVIE?を見て思った、電気グルーヴのことなど~まりんを中心に~

電気グルーヴの伝記(ダジャレじゃない)映画を見て、まりんと卓球という電気の光と陰のような存在のあり方について、考察してみました。
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東郷正永 @TOGO_Masanaga

①電気グルーヴの映画を見た。これは石野卓球が片付けをして出てきた大量のビデオを、監督の大根仁にどさっと渡して、「あとはテキトーに」みたいな感じで作られることになった映画らしい。あとはテキトーに、というのは自分達は振り返ったり語ったりは絶対しない、ということだろう。

2016-01-02 15:33:08
東郷正永 @TOGO_Masanaga

②卓球、瀧の現メンバー二人が語らないとなると、過去映像をつなぐだけなのか?と思いきや、そんなことはなく関係者のインタビューは山盛りである。しかしこの中で重要なのは、元メンバーにして最盛期に携わった砂原良徳=まりんだろう。むしろこの映画の根本は、まりんの存在にあるといってもいい。

2016-01-02 15:33:12
東郷正永 @TOGO_Masanaga

③知らなかったのだが、ビタミンからAに至る黄金期の四枚のアルバムで、三枚目のオレンジだけは売り上げが悪かったらしい。卓球はそれを大変苦にしていたようだ。オレンジは、それまで二枚のインスト半分美メロありの雰囲気とは違い、ふざけた歌詞の歌もので、まりん加入前の電気のテイストだ。

2016-01-02 15:33:14
東郷正永 @TOGO_Masanaga

④まりん加入後、特にビタミンからはまりんのアンビエントで美メロでミニマムなループ、というのは電気のかなり大きな特徴になっていたように思う。名曲の猫夏がその典型。そしてセールスも、サブカル臭さが抜けなかったカラテカ以前よりもけた違いに売れるようになった。卓球はこれをどう思うか。

2016-01-02 15:33:18
東郷正永 @TOGO_Masanaga

⑤電気グルーヴは、あくまで石野卓球と瀧が中心のはず。特にサウンドとしては卓球の音のはず。しかしまりんの存在とその売り上げへの貢献は、卓サウンドメイカーとしての卓球を苛立たせていたのかもしれない。オレンジというアルバムは、そうして原点回帰のような作りになった。そして、売れなかった。

2016-01-02 15:33:19
東郷正永 @TOGO_Masanaga

⑥単に売れないだけならともかく、自分が主導権を発揮した結果売れなかった、というのは卓球を苦しめる。そんな中、次作にして最高傑作の呼び声も高いAの作成に入る。その時、後の最大のヒット曲、シャングリラの元ネタとなるベブ・シルベッティのアナログを持ち込んだのは、実はまりんだそうだ。

2016-01-02 15:33:22
東郷正永 @TOGO_Masanaga

⑦まりんは、とても才能に溢れ、イケメンでdjテクニックも卓越しているが、イニシアティブをとりたがらない。前に出ようとしないタイプの人だ。音的にも、ソロだとチルアウト過ぎてとりとめのないことにもなる(嫌いじゃないですけど)。シルベッティのアナログも、なんとなくかけただけらしい。

2016-01-02 15:33:24
東郷正永 @TOGO_Masanaga

⑧そこに意味を見いだすのは、過剰なまでの自我がある卓球だ。かくしてそこからヒット曲「シャングリラ」が生まれた。まりんと卓球のふたつの才能の、まさにケミストリーが起きた。Aというアルバムには、全編そのような、完全な球体のようなツッコミどころのなさのようなところがあるように思う。

2016-01-02 15:33:27
東郷正永 @TOGO_Masanaga

⑨だが、終わりは近づく。まりんは映画では、ドイツ志向の卓球とイギリス志向のじぶんのずれを説明していたが、それだけではないだろう。シャングリラが、もし元ネタから卓球なら違ったかもしれない。しかし元ネタはまりんだった。いや、いずれにしてもケミストリーは一度きりだったかもしれない。

2016-01-02 15:33:29
東郷正永 @TOGO_Masanaga

⑩電気グルーヴという特異な存在のなかで、音的に光と闇のような存在の石野卓球と砂原良徳=まりん。少なくとも僕には大根監督はそのように綴っているように思えた。卓球と瀧は語られることは多いが、この二人が論じられることはそうはない。天才二人の微妙な感情のずれと苦しみを描いた傑作でした。

2016-01-02 15:33:32
東郷正永 @TOGO_Masanaga

⑪つけたしなんですが、映画を見たあと、僕が希望するのは、石野卓球が電気グルーヴを離れて、まりんと二人きりのユニットを作ること。瀧もスチャダラも抜きで、二人きり。それでいい作品が生まれればよし、喧嘩別れしたとしても、それはそれでふたりにとって大変に良いことだと思うのです。

2016-01-02 15:33:36