15年前白ひげ海賊団に乗っていた3つにも満たない女の子が ある日波に飲み込まれちゃって サッチやビスタ、悪魔の実を食べていないクルーたちは 海の中に飛び込んで必死に女の子を探すのね ところが彼女は見つからない、と
2011-01-23 18:48:03守れなかったことを悔やむオヤジ 助けにいくこともできなかった能力者 探し出してやれなかったクルーたち 落ち込み、自分を叱咤し、涙にくれる白ひげ一味 近くの島に流れ着いたという情報もなく 死んでしまったのだと そう思うわけです
2011-01-23 18:51:19もちろん彼女を忘れる、なんてことはなく 彼女を失ってしまった日には古株の落ち込む姿が見られ そんな古株を慰めることに新人たちも慣れてくわけです イゾウ隊長やらハルタくんやらね
2011-01-23 18:53:51それから数年後 白ひげが病を患いナースが船に乗るようになって そのまた数年後 白ひげ海賊団にエースが入団し、すぐに二番隊隊長に就任するわけですね 彼女の話をきいたエースは ルフィのことなんかを思い出して 本当に悲しんでくれますね
2011-01-23 18:56:56とある島に船をつけた白ひげ海賊団 ナースたちのお買い物の護衛に二番隊が駆り出されます 薬を少しわけてもらうためにその島の病院へ向かうエースとナース長 ドクターとナース長が話をしている最中 エースは同じ部屋にいたその病院のナースと話を始めるわけです
2011-01-23 19:03:13そいで いままでどんな島をみてきた、とか 初対面の相手に弟の話、とか ウチの船の飯はうめえ、とか きらきらにこにこ話すエースに ナースさんはいいなあ、と ぽつり
2011-01-23 19:13:15きょとん、とするエースにナースさんは わたしには家族もいないしこの島の外も知らない、楽しそうな貴方が羨ましい て眉尻を下げて笑うわけです ぽかん・・・とするエースにナース長の隊長行きますよ、の声 いつの間にか近くにきていたドクターも悲しそうな笑い顔
2011-01-23 19:16:04ぽん、と手を打って 左手に貰った薬 右肩にナースを抱えてて病院を飛び出すエース おれたちとこいよ、世界をみてェんだろ? 自信満々なエースにナースは叫ぶことさえ忘れて 呆れたようなナース長と ドクターの安心したような、寂しいような笑みを視界にいれながら エースの肩で小さく頷くナース
2011-01-23 19:21:44連れてきたはいいけどオヤジに何て説明しようか、なんて考えながらナースを担いで船長室へ 好奇の目にナースは俯いたまま 気にした様子もなくドアを開けると丁度談笑していたらしいマルコとサッチ、それから白ひげの目がエースとナースを映すわけです
2011-01-23 19:26:28ああ、末っ子がまた面倒事を持ってきた 頭を抱えてみたり、口の端をあげてみたり、大きな笑い声をあげてみたり 様々な反応を横目に肩からナースを降ろしたエースが オヤジ、コイツもナースとして船に乗せてェ! いつもの無邪気な笑顔でそうひとつ
2011-01-23 19:28:16簡単に許可を出すわけにもいかないだろうと長男がナースを見つめながら 名前は? と少し冷たい声で問う そこでようやっと顔をあげたナースに三人は息を飲む 最後にアイツをみたときは3つにも満たないガキだったのに こんなにも 纏う空気が似ている女がいるなんて。
2011-01-23 19:32:22それでも他人の空似、アイツは死んだはずなのだから 言葉はないけれど三人の思考はぴたりと一致する す、はぁ、へたくそな深呼吸をして へら、り ナースが笑う 「 です、この島の病院でナースを、」 ぷつりと途切れる声 ナースが三人の表情をみて首を傾げ、口を閉じた
2011-01-23 19:36:20で、えーと ナースが口閉じるとこからー 見開かれた六つの目に戸惑いながらエースを振り向けば同じようにぽかんとした表情 それって、 口を開きかけたエースをマルコが遮ります エース! ナースが慌てて視線を戻せば何とも複雑そうな表情ばかり 白ひげは視界を掌で覆って口を閉じたまま
2011-01-24 21:35:47両親は?出身は? マルコに矢継ぎ早に質問をされて 3歳になる前の記憶がないことが判明 名前しか分からない状態で島の魚屋で魚の腹から発見された、と 三人とエースの中ではナースと彼女がイコールで結ばれるわけで やっと瞳を見せた白ひげに呼ばれて近寄ればそのまま首筋に押し付けられるのね
2011-01-24 21:45:43おまえはここで育ったんだ、と伝えて混乱させる気になれない白ひげ よく帰ってきたなァ とも 今日『から』ここがおまえの家だ とも言えなくて抱き締めることしかできないわけです あんなに小さかった が一丁前に、とか何とか思っていると ナースもぎゅっと白ひげの首にしがみつきます
2011-01-24 21:51:18オヤジ、 ぽろっと口から溢れた言葉は本人さえも驚くほどに自然な響きで サッチのいまオヤジって、ていう震えた声にナースは慌てて なんだか懐かしくて と小さく口をもごもご 記憶から薄れているだけで彼女の中にはやっぱりまだ自分たちが残っている その事実に白ひげの目頭が熱くなるのね
2011-01-24 21:56:32船に乗せることを伝えるもののナースが喜ぶ暇さえ与えずに 部屋に案内してやれ、とエースに告げる白ひげ おう 嬉しそうに腕を引いていくエース 船長室に残されたマルコとサッチはやっと、と言わんばかりにため息をつく ふと見上げれば そこには視界を覆って先ほどの言葉に涙を流すオヤジの姿
2011-01-24 22:07:32情けねェ、娘が生きてたってのに涙が出らァ 笑って迎えてやることもできねェ、助けてやれねェで悪かったと謝ることもできねェ ああ 情けねェなァ、 涙を流しながら笑みを浮かべたオヤジ 見上げたマルコとサッチも目を細める、と
2011-01-24 22:16:18その晩の宴で名前を聞いたクルーたちははっとするけども 先に話を聞いていた隊長たちの顔とか オヤジの纏う柔らかい空気とかに 問うまでもないと酒瓶を傾ける 仲間だ、と改めて認識するまでもない このナースはずっと昔からこの船の家族だ 口に出さずともクルーたちは理解してるわけです
2011-01-24 22:23:13そんでここからは日常っぽい感じになるわけで 小さい頃からよくみる夢がある 欠伸まじりにそう溢すナース 海に沈んでいく、もがいても浮き上がれない、そのまま暗闇に飲み込まれていく夢 それを聞いたクルーが申し訳なさそうな顔をするから、とナースは それとは別に青い夢もみると口を開く
2011-01-24 22:32:35青い炎に包まれて空を飛んでる夢だ と話せば急に笑顔になってマルコのところへ駆けていくクルー ナースは首を傾げるけどそれを嬉しそうに見つめる白ひげと 遠くで顔をほころばせる青い炎の彼 やっぱりどこかで覚えているらしい そう思うだけで心が救われるみたいな話をいくつかーの予定
2011-01-24 22:37:22「サッチ隊長、プリンあります?」「ん?食いてえの?」「はい!サッチ隊長のつくるプリン大好きで!」「ありゃ、作ったことあったか?」「あれ、ありませんでしたっ、け?」「(ああ、でも、ちっせェとき好きだったよなァ)」「???」「とびっきりうめェの作ってやるよ!」 で上機嫌なサッチとか
2011-01-24 22:44:11匂いがいちばん記憶?に残りやすいらしいのでー 薔薇風呂でご機嫌なナースにナース長が理由を訪ねると ビスタ隊長の香りですね とナース長の頬がひきつる返答がひとつ 後日宴の席でナース長がビスタにそれを伝えるとうれしそうに目を細める姿が見れる、とか
2011-01-24 22:49:05ある日用事があってジョズの部屋にお邪魔したら片隅にブリキのおもちゃを発見 なんとなく惹かれてしまって何の気なしに 持ち上げると一枚の写真がぺらり その写真には今より若いこの船のクルーたちと 満面の笑みの小さな女の子 ずきん、と痛む頭に首を傾げていると ジョズに名前を呼ばれる
2011-01-24 22:54:35ジョズはナースの手の中にあるおもちゃに言葉を止める 昔おまえが遊んでいたものだ オヤジに口止めされているし口にはできない ナースが写真を指差しながらこの女の子は誰か、とジョズを見上げる 変わらない瞳に これくらいなら、と小さく笑った 「この船で誰からも愛されている特別な子だ」
2011-01-24 23:01:18