ナスカのパーフェクト探索者教室~信用技能は経済性が基本である~

何を信用するか。にもよるんですがね。
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この話題のきっかけ(見かけたツイート)

ʚ(信夜๑ `♡´ ๑サブ)ɞ @takeda_2727

昨日言ってた「信用」「説得」「言いくるめ」の例文 pic.twitter.com/hqERWue8mx

2016-01-18 11:20:05
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かると@TRPG @kalut331trpg

ドーナツ食べたでしょ! 食べてない、信じろ。(信用) 食べてないよ、それに君といたからここに居なかったよ。幾ら何でも食べられないよ(説得) 食べるわけないな、お前と違って甘党ではないし、それよりもそれは本当にお前のドーナツだったのか?名前を書いてたか?(言いくるめ)

2016-01-18 20:56:13
悠莉 @yuuri4417

信用は口だけじゃだめで、説得は論理をしっかり組み立てたらいけて、言いくるめはゴリ押しって感じかあ

2016-01-18 21:28:31

本編ここから

ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

どうにもCoCの信用技能って、間違われて認識されていることが多いんだよなぁ。 ここでちゃんとルールブックを読み解いてみましょうかね。

2016-01-20 13:31:04
ナスカ (Chiether,Nazka) @Chiether

ISHII norikaz. ソフトウェア技術者。PTRPG(フレバー)、親神「ザ・コンピューター」(草案)、パラノイア【リブーテッド】 (日本語版テストGM)、クラヤミクライン(フレバー、シナリオ)など。 amazon.jp/hz/wishlist/ls

hps.chiether.net

それぞれ 日本語6版:p79、英語版6版:p67 です。

ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

結論からすると<信用>は「俺を信じろ」みたいなTrustの意味は、基本存在しません。 <信用>と訳されているのは、原文では<Credit Rating>となっていて、 その意味は「いくら貸せるか」といった信用格付けの話です。

2016-01-20 13:31:27
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

この定義は、日本語版の「狭い意味で言えば」にも書かれている 「探索者がどのぐらい豊かで自信に満ちているかということである

2016-01-20 13:32:27
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

しかしこの日本語訳は、あまり好ましくない。 「探索者が、どのぐらい豊かで自信に満ちているか」 「探索者がどのぐらい豊かで、自信に満ちているか」 では意味が大きく異なるからだ。だから英語を確認しよう。

2016-01-20 13:32:45
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

"how prosperous and confident the investigator seems to be." prosperous: ビジネスが好調である。裕福である。有望である。 confident: 自信に満ちている。出しゃばる。

2016-01-20 13:33:12
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

これが意味するところは、つまり「俺は成功者だ!」「俺はハイソだ!」「俺は裕福だ!」といった感じです。 経済性に基づく自分の社会的ステータスを根底としたものだということです。 というか。概ね社会的成功者は大体裕福ですので(特に20sでは)、以後裕福と表現します。

2016-01-20 13:34:11
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

経済的に裕福である生活というのは、それ自体が余裕につながります。 対外的には「何か問題があっても、賠償できる余裕があるだろう」という意味になります。 ただし経済性だけです。 「パトロンのいる芸術家」も信用があるのはパトロンであり芸術家ではありません。 ※ ただしワーグナーは別。

2016-01-20 13:36:13
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

もうすこし広く解釈した内容もルールブックに記載されています。 「厳しいチェックを通り抜けなければならない場合」 「信用状のようなものが必要なのにハッタリで押し通さねばならないような場合」 これは、例を出したほうがわかりやすいでしょう。

2016-01-20 13:36:45
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

警察「すみません。一般の方は立ち入りを……」 探偵「頼むよ。俺これでも有名なんだぜ」 警察「規則ですから」(信用ロールを認めない) 探偵「……あ、警部! 現場見せてもらえませんかね?」(幸運:成功、信用:成功) 警部「(深い溜息)入れてやれ」

2016-01-20 13:37:07
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

その2 警察「しかし殺人現場には村長だけがですね」 村長「何も言わず豊前とした態度でドカッと座ります。暗黙的に威圧的な雰囲気になるかロールさせてください」 村人衆「村長がそんなことするわけねぇべ! 帰ぇれ!」(信用:成功) 村人衆「そんな村長が……あわわ」(信用:失敗)

2016-01-20 13:37:27

訂正:(ぶぜん)
豊前→憮然

ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

こういう簡単な使い方もある。20sだとよくあること。 探索者「保釈を認めてください! お願いですぅ!」 (小物とはいえ政治家だし。金払いも問題なさそうだ) 裁判官「保釈を認めます」(信用:成功) 裁判官「問題の大きさを認識しているのですか?」(信用:失敗)

2016-01-20 13:38:06
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

もちろん「金銭的な話だけではない」というのも書かれていますが。 ただしこれも日本語訳が危なかったりします……。

2016-01-20 13:38:31
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

エドワード朝時代のイギリスのような小さな町あるいは狭い社会では、...」 「In small towns, or in narrow societies such as Edwardian England, ...」

2016-01-20 13:38:52
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

お分かりでしょうか。 「エドワード朝時代のイギリスのような」「小さな町or狭い社会」でもなく 「エドワード朝時代のイギリスのような小さな町」or「狭い社会」ではなく 「小さな町」or「エドワード朝時代のイギリスのような狭い社会」です。

2016-01-20 13:40:33
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

ここで大事なのは「狭い社会(narrow societies)」が何を意味しているか。ということです。 一般的には、おそらく村社会のようなものを意識すると思います。 もちろんそれも含まれますが、いわゆる「上流階級」や「招待制友愛クラブ」「降霊術会」のようなものも含まれます。

2016-01-20 13:41:15
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

エドワード朝時代というのは、優雅さなどで有名ですが。 いろんなグループが一触即発の状態だったりして、あまり好ましい状況とは言えませんでした。 こういう条件下において、経済的な価値だけでなく人格的な評価の指標ともなると書かれています。「だけでなく」なのでそれでも経済性は基本です。

2016-01-20 13:42:29
ナスカ (Chiether,Nazka)/土曜日 東地区 “ミ” ブロック 10b @Chiether

既に例示した「村長がそんなことするわけねぇべ!」みたいなのは「小さな町」に該当するかもしれません。 「カリオストロ伯爵」は「狭い社会」の典型例ですし。その<信用>の度合いを決めるスキャンダラス(首飾り事件)について考える上でも彼の存在は最適です。

2016-01-20 13:43:04