金荒小話botイベント限定小話まとめ

キャラの誕生日や季節のイベントの日のみで呟いた小話のまとめです。《2018.04.2更新》
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金荒小話bot @arayasu_ss_bot

アパートに戻ってコタツに向かい合わせに座って約数分。 二人の間にはコタツテーブルの上にあるイチゴのホールケーキと包丁。 荒北はおもむろにその包丁を手に取り、ケーキにぶっ刺して笑顔で問う。 「…マジで明日バイト行くわけェ?」 改めて誕生日を祝う前に、そこだけは解決したい問題だ。

2017-12-01 18:09:42
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「来年の夏、荒北とフランスに行きたいんだ」 「ハァ?」 「レースがあるだろ」 「ああ…ツールド」 「全日制覇したくて…二人分だと資金がな」 「ちょっと待て。なんでお前が全部払うことになってんのォ?」 「俺が荒北と一緒に行きたいからに決まって…」 「バァァカ!俺だってお前と行きてぇヨ!」

2017-12-01 20:08:10
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

思わず漏れた本音。慌てて顔を背けたが時すでに遅く。 「荒北…」 「ウッセ!俺はお前と行くなら、フランスじゃなくて明日行くはずだった横浜ぐらいで十分なんだヨ!」 この際もうヤケだ。 「お前のせいで俺、マジガキで女みてェで嫌になる…せっかくお前の誕生日なのに」 今も泣きそうで情けなくて。

2017-12-01 21:13:52
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「だいたいクビってなんだよ…明日は我慢してやる。でも資金は俺も一緒に貯めるからな。そこは譲らねェ」 「わかった、ありがとう」 「だから今日はケーキ食ったら風呂入ってさっさと寝ろ」 「あはは、そうするよ」 「…ほら、口開けやがれ。誕生日おめでとさん」 「一口がデカイな…」 「黙って食え」

2017-12-01 22:06:45
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「荒北は充分大人で、男らしい奴だと思う」 ケーキを食べて風呂に入り、あとは眠るだけ。電気消したあと、金城が不意に呟く。 「…慰めなら必要ねェっつの」 今更自分が言ったことが恥ずかしくなって、背中を向ける。 「誕生日の夜に、荒北と眠れるだけで幸せだって思う俺の方がよっぽど子供だよ」

2017-12-01 22:40:35
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「旅行の資金貯めようとしてバイト休めないとか…男らしくないだろ?」 「…それは違くね?」 思わず笑って肩を揺らし、寝返りをうち金城と目が合う。 「約束破って悪かった。誕生日祝ってくれてありがとう。愛してるよ、荒北」 ストレートに告げられた愛の言葉。俺はただ、ぎゅっと抱きしめて頷いた。

2017-12-01 23:37:46

青八木さん誕生日(2018)

金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「青八木。今日誕生日だったよな」 「!!」 「みんなで飯食いに行きました!」 「!?」 「そこでサプライズを…」 「手嶋じゃなく、自分で話せって言いたいけどォ…さすがに俺も学習したわ」 「よっ!さすが荒北!」 「さすが荒北さん!」 「!!」 「嬉しそうに三人で拍手をするなッ総北三連星!」

2018-02-24 20:41:51

福ちゃん誕生日(2018)

金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「あれ?福富の誕生日祝いに行ったんじゃ…それにこのケーキ…」 「肝心の主役に急用入って全部ナシになったァ」 「わざわざこんな可愛いケーキ持って行く予定だったのか」 「…真護チャン嫉妬してんの?ソレ元々お前と食うつもりで買ったやつだかんネ」 「それは嬉しい誤算だな」 「ゲンキンな奴め」

2018-03-03 19:59:03

坂道くん誕生日(2018)

金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「なぁ金城。小野田チャンの誕生日祝いに行かねーの?」 「明日も朝から大学あるし…それにもうこんな時間だしな」 「それならせめて電話とか…あ、電話俺も代わってネ」 「……靖友クン」 「なぁに?真護チャン」 「俺の誕生日もぜひ同じくらい積極的によろしくお願いします」 「オゥ、任されたァ」

2018-03-07 19:30:26

荒北さん誕生日(2018)
10回分で続き物です。4月2日の月曜に洋南大学の入学式があった設定のお話になっています。

金荒小話bot @arayasu_ss_bot

4月2日。まさかの誕生日に大学の入学式が重なった。 今日から本格的に高校生ではなく洋南大の学生だ。おまけに一つ、歳をとった。なんだかガラにもなく感慨深くなる。 「式の前にチャリ部覗いてみるかァ」 この時はまさか、これからの俺の人生を変える相手と再会するなんて、夢にも思っていなかった。

2018-04-02 08:17:25
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「ここで会えて良かった」 洋南大学自転車競技部の部室前。満面の笑みでこちらに手を振る坊主頭。 「総北の金城…⁉︎」 あまりの驚きに俺は瞬きを繰り返す。 「荒北も競技部入るよな」 現実に追いつけない俺を置いて、話を進める眼鏡坊主を初めてまじまじと観察する。モテそうで大変ムカつく野郎だ。

2018-04-02 11:05:24
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「金城がなんでここに…」 冷静な頭で考えれば簡単なのに、その答えに辿り着けない。 「これから4年一緒ってことさ」 金城はよろしくな、と口をあんぐり開けたままの俺へ手を差し伸べる。思わず慌てて握手すると、奴はなんだかとても嬉しそうに微笑む。 色んな意味で忘れられない誕生日になりそうだ。

2018-04-02 14:53:09
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「どうした?荒北」 「いや、なんでもねー…」 隣を歩く金城が妙に気になる俺。チラリと横目で見ただけなのに、あっさりバレて少し焦る。 「…なんで俺が洋南って分かったの」 「福富に聞いて…あ、誕生日おめでとう」 「……えっ」 あまりに突然の想定外な台詞に、俺はその場に急停止してしまった。

2018-04-02 17:49:00
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「そんなに驚くとは…」 「会って数十分で誕生日祝われたら普通ビビるだろ」 「福富に聞いてな。知らない仲でもないし、いいだろ?」 「その言い方怪しげだからヤメテ」 確かに顔見知りだが、こうしてゆっくり話すのは初めてだ。なのにテンポ良く会話は弾む。なんだかとても居心地がいいな、と思った。

2018-04-02 19:49:24
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「記念にメシでもどうだ?」 「…オウ」 入学式の終了後、またバッタリ再会した。 「…なんの記念」 「入学と荒北の誕生日。俺と荒北の出会いの、かな」 「…金城ってそんなクサイ台詞言うキャラ?」 「コンビでやっていくなら知っておいてもらわないと」 「…俺らってお笑い芸人目指してんのォ?」

2018-04-02 20:41:10
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「実は俺、高校の時から荒北が気になってたんだ」 大学近くのファミレスで遅い昼食を終え一息ついた時、不意に金城がとんでもない告白。 「…それはどう言う意味で」 金城の表情を見て、なんとなく単純に友人としてではないのが分かる。 いつのまにか視線が重なり、俺は急速に居たたまれなくなった。

2018-04-02 21:11:58
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

『どう言う意味』なんて聞くんじゃなかったな、と俺は後悔する。 「…誕生日」 話題を変えようと、自分の顔を指差した。その次にメニューのデザートのページを開いて無言で差し出す。 「荒北は確か、ムースのケーキが好きだったな」 「……なんで知ってんの…」 聞いて、また後悔。結局話は逆戻りだ。

2018-04-02 21:58:55
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「荒北の情報は福富からもらってたんだ。洋南なのは偶然だけど、それがなんというか…余計に運命を感じて」 照れ臭そうに笑って、店員を呼ぶと苺のムースケーキを注文してくれる。 「まあ、俺も割と…運命とか嫌いじゃねーケド」 今日だって誕生日と入学式が重なっただけでドキドキしていたくらいだ。

2018-04-02 22:28:56
金荒小話bot @arayasu_ss_bot

「恥ずかしいな…」 「今更だろ」 短い沈黙のあと、視線が合う。 「誕生日おめでとう。今日という日に再会できて嬉しいよ」 「あんがとネ。とりあえず友達からよろしく」 テーブルには小さなケーキが二つ。お前も食うのかヨと笑うと、一緒に食べた方が美味いだろ?と金城もまた、幸せそうに微笑んだ。

2018-04-02 23:14:47
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