1 『おまっ、なにしてん!』 眠れなくて、なんだか急にリンゴが食べたくなって…ナイフで皮を剥いてただけなんだけど… 慌てた彼にナイフを取られて、手の上には剥きかけのリンゴ 「…亮ちゃんも食べる?」 きょとんと尋ねると 『はぁー、、、』 と大きな溜息 #林檎の魔法
2016-01-26 05:18:062 私の手からリンゴも取り上げて 『…おまえりんご嫌いやんけ』 器用にリンゴを剥きながら 『最近ちゃんと眠れてるん?』 手元に集中する美しい顔を見つめる 彼は私が死のうとした時にたまたま側にいて助けてくれた人 私より年上で…そう私は最初知らなかったけど、、、 #林檎の魔法
2016-01-26 05:18:533 アイドルなんだって すごく人気のアイドルだって後で知った そんな彼がなんでこんな私の面倒を見るんだろう? ただの暇つぶし? …まあなんでもいいか 深く考えるから眠れなくなる 「寝るといやな夢見ちゃうの」 『ん、剥けた。ホラ』 口の中に放り込まれて #林檎の魔法
2016-01-26 05:19:164 「やだっ…うぅ」 嚙みしめると甘い蜜が口の中に広がる 『笑 うまいやろ?』 唇の端から溢れた蜜を親指で拭ってくれて、その指をペロリと舐める 「っ//…なんかヤラシイ」 『そう見えるお前がな笑』 …そうかな? 『どんな夢見るん?』 ちょっと考えて… #林檎の魔法
2016-01-26 05:19:465 「大きな象に追いかけられる夢」 『象はもともと大きいやろ笑』 いや、ソコ? 『…睡眠とらんから不安定になるんやで?明日も学校やろ?』 …そうだけど 『そっちのほうはどうなん?うまくやれてる?』 「…全然ダメ、怖い」 『ホンマ怖がりやんな』 #林檎の魔法
2016-01-26 05:20:316 頭に手を乗せ髪の毛をくしゃくしゃにして 『教えたやん、全部カボチャや思っとけって』 覚えてるよ。 でも言うは易しなんだよ? そんなうまいこといくわけないじゃん 「人に見られ慣れてるアイドルとは違うよ」 『……』 あ、今の可愛くなかったよね #林檎の魔法
2016-01-26 05:21:147 多分こんな否定的な言葉聞きたくなかったはず… だけど亮ちゃんは 『俺はお前より全然早く生まれて、色んなこと体験してきたから、お前の抱える不安もわかんで。 …やけどそれだけや。 聞いてやる事しかできひん。 でも、それでええ思ってる。 #林檎の魔法
2016-01-26 05:21:458 それが、お前を強くするって信じてるから… そこから這い上がれた時、お前は今よりもっと強くなる』 照れたようにまた林檎の皮を剥きだして 『必死に立ってるおまえ可愛すぎて、そこから連れ去ってもうてもええかなって…て、俺何言うてんの?///』 うわ、顔真っ赤 #林檎の魔法
2016-01-26 05:22:429 どうして急にそんなこと言うんだろう? 「亮ちゃん…変だよ?」 『変やな…ウン苦笑、、眠れそうか?』 どうかな… 赤いリンゴが皮を剥かれて白くなる様を見つめる 赤も白もきれい… そして甘い… 剥かれたリンゴは再び私の口の中へ亮ちゃんの綺麗な指で運ばれる #林檎の魔法
2016-01-26 05:23:3910 嫌いなのに… 丁度時計の針が零時をうった それでもゆっくり噛みしめるとそこに亮ちゃんの唇が重なった… 私と亮ちゃんの口内で甘いリンゴが転がる 咀嚼して押し戻されて、唇についた甘い蜜を吸われる 「…っ、はぁ…」 『…俺が怖い?』 「…わかんない」 #林檎の魔法
2016-01-26 05:23:5911 『…じゃあ、目閉じときや…怖いのはすぐ過ぎるから…』 私は素直に目を閉じる おでこや瞼、顔中にキスを降らせながらパジャマのボタンを弄ぶ 「亮…」 呟くとベッドにそっと倒されて 目を開けると困った顔… 『…//見んでや』 大きな手で目を塞がれる #林檎の魔法
2016-01-26 05:24:2912 『…知ってる?、、』 何を? 『リンゴの木は心を惑わす木なんやって、、、』 「っ…」 亮ちゃんの指が私の喉元を滑る 『アダムがイブのリンゴを食べたように、、、』 「…ん、、、」 『俺も…惑わされたんかな…』 「…っは、んっ///」 魔法の林檎
2016-01-26 05:24:4513 いつの間にか露わにされた胸に、亮ちゃんの濡れた感触 目は覆われたままだから何も見えない、、でもそれが何故だか肌を敏感にして 「ぁぁ…亮ちゃ…?」 胸を悪戯していた手が下がる 「っひぁあ…//」 『…ここ、気持ちええって言うてる笑』 視界が開けて #林檎の魔法
2016-01-26 05:25:1214 亮ちゃんが私の蜜が絡んだ指をペロリと舐めるのが見えた 「やぁ///」 『甘いで?』 「ウソっ」 『…まだ怖い?』 怖いより、先が欲しいのは私も亮ちゃんと同じリンゴを食べたから? 「もう、、平気…」 『ホンマに?…俺は怖いで… #林檎の魔法
2016-01-26 05:25:4115 この実を味わったら、俺どうなってまうんやろ、、、』 それは、、、私にもわかんないよ 「亮ちゃん、、好き…」 好きだった…初めて会った時から あなたとのその先は、きっとさっき食べたリンゴより甘くて危険なもの、、、 だけどもっと欲しい 例え明日死んでも #林檎の魔法
2016-01-26 05:26:1116 『…震えてんで苦笑』 だって… 「武者震い…」 私が言うと亮ちゃんはクッ…って笑ってそれからゆっくり私の中へ侵入する 「ん…」 亮ちゃんの体温を体の中で感じて、キュッと締め付ける 『っは…』 あったかい… 嬉しくて… #林檎の魔法
2016-01-26 05:26:4017 「…ありがとう、、」 一瞬ぴくっと身じろぎして 『アカン、まだや…』 亮ちゃんが激しく腰を揺する 「はぁっ…!んっ、ダメ…おかしく、なっちゃう…」 『おかしくなって…俺だけ、、考えてや、、』 指を絡ませて、最後の瞬間囁いたのは… #林檎の魔法
2016-01-26 05:27:0618 『…好きやっ』 ・・・・・ リンゴの甘い香りが充満する部屋 深く息を吸って呼吸を整える 『…平気か?//』 ふふ、何で照れるんだろこの人は … 「ん、大丈夫だよ」 『あの、』 うん? 亮ちゃんが脱ぎ散らかしたズボンのポケットをゴソゴソ探り #林檎の魔法
2016-01-26 05:27:3719 『あの、さ…順番逆になってもうたけど、、』 目の前に差し出されたその手の上にキラリと光るものを見つけて息を飲んだ これって… 『誕生日やんな?…これ、着けてええ?』 掌から溢れた金の林檎のネックレス…キレイ… 「…私に?」 『あたりまえやん//』 #林檎の魔法
2016-01-26 05:28:0020 『じっとして』 私の髪をかき上げてネックレスを首へ回す 『ホンマはいつも側にいてやりたいけどそうもいかへんから、シンドイ時はコレで俺のこと思い出してや?』 器用につけて私の顔を覗き込む 『泣き虫やな 笑』 だって、こんなことされたら誰だって泣くよ #林檎の魔法
2016-01-26 05:28:3321 優しく涙をぬぐいながら 『ちょっと子供っぽいかな思ったけど、、泣き虫な子供にはちょうどよかったな 笑』 「え、ひどい…」 『ちゃんと付けといてな?俺のもんやって印//』 「っ///」 『真っ赤やん 笑』 だってぇ…そんなの言われ慣れてない… #林檎の魔法
2016-01-26 05:29:0022 『リンゴのシンボルは絶対的な愛、樹木の信託は選択すべし、さすれば愛は叶うなんやって。 こんな伝承信じる俺も俺やけどな//』 得意げに話すその姿は 「ふふ、ラブスーパーマンみたい笑」 『//やめーや!』 ギュッとほっぺを摘まれる #林檎の魔法
2016-01-26 05:29:2223 大好き、本当に 優しくて忙しいのにちゃんと私を気にかけてくれる だから私も強くなるね 亮ちゃんを支えられる様な強い人になりたいから 「亮ちゃんありがと大好き♡」 『っおん//…誕生日おめでと//』 #林檎の魔法 pic.twitter.com/V370j6GBbB
2016-01-26 05:29:51