即興SS

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川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

瑞川へのお題:怯えても、ふるえても、君さえいてくれたなら/「おめでとう。」/いちばん星に向かう shindanmaker.com/122300 スッ

2016-02-02 20:24:42
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

私が改二になる前夜。 ひとしきり祝賀会も終わり、一人ぽつねんと岸辺に立つ私の後ろからなんだかアンニュイな気分をたいそう愉快にぶち壊す声色と声量が飛んできた。 「やっほー、瑞鶴じゃん。どうしたのこんなとこで。夜戦する?」 「…二言目じゃなくて三言目まで我慢したのは評価してあげる」

2016-02-02 20:30:41
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

「そんなこというかわうちこそなんでこんなとこに来たのよ」 「かわうちいうな。ここは私のお気に入りの場所なの。街の光が遠くてそろそろかな、星がよく見えるんだ」 私が不安そうだったから、とかそういう気の利いたことを言えばいいのに。 いや、これが川内なりの気の利かせ方なのかもしれない。

2016-02-02 20:39:00
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

そんな短いやりとりが終わると私の隣にとすん、と座り込み、鼻唄なんぞ歌いながら薄暗い水平線を見続けている川内に。 「ねえ」 「ん」 「改二になるって、どんな感じ?」 なるべくいつも通りの雰囲気で、口調で言ったつもりだったが。言えただろうか。だめだ、なぜかそっちで不安になってきた。

2016-02-02 21:16:35
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

「そうねぇ。こう、きらーんばしーんどかーんって感じ?」 ダメだこいつ、感覚に生きてる。 「だから、さ。瑞鶴」 ふ、と。 いつの間に立ち上がっていたのか。きゅ、とマフラーを私にかけ。 「大丈夫だよ!」 満面の笑顔で。 なんの根拠もないくせに。 そう言ったのだ。

2016-02-02 21:38:21
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

夜が好きなくせに、そんな眩しい笑顔で大丈夫なんて言われたら、もう、大丈夫になってしまうじゃないか。ずるいなぁ。 「別に不安だなんて一言も言ってないんだけど?」 「そっか、そうだね、にしし。その調子その調子」 よりによってこいつに見透かされているのはちょっとムカつくけど、それでも。

2016-02-02 21:43:40
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

それでも。 きっと何があっても。 このバカでうるさい彼女がいてくれたら。 私はきっと、全部「大丈夫」なんだろう。 「……ありがとう、ね」 「んふふ、暖かいでしょ、マフラー」 前言撤回。そのにやけヅラぶん殴ってやろうか。

2016-02-02 21:48:26
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

「あぁ、やめてその顔こわいこわい」 きゃーとか、ひゃーとか言うんじゃない。まったく、少しは真面目になれないのか。 「じゃ、戻るわよ。冷えてきたし」 そう言って踵を返すと、後ろから、また一層明るい声で 「そうだ!まだ私から言ってなかったね!」 その声にとくるりと、また振り返ると。

2016-02-02 21:52:38
川内型コピペ改変+日常風景bot @suiraisentaikop

「改二おめでとう!瑞鶴!」 一番星を見つけた子供のような声で一番星のような笑顔で私に抱きついてきやがるのだった。

2016-02-02 21:53:57