ドラゴン長門シリーズ【その７・バレンタイン編】

BLITZ @Silver_Naught

〜2月13日〜 2月14日、それは女の子の“審判の日(ｼﾞｬｯｼﾞﾒﾝﾄ・ﾃﾞｲ)”。彼女達はその前日に準備をする。チョコレートという名の銃に、愛という名の弾を込めて、固めた覚悟を盾として、告白という名の“作戦(ﾀｸﾃｨｸｽ)”を展開する、その日の為に…。 #ドラゴン長門

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武蔵「今帰ったぞ」 霧島「あ、お帰りなさい。買い出しお疲れ様です」 武蔵「うむ。たまには街に出るのもいいものだな。思春期な青少年たちの照れながらもこちらを覗く視線にもどかしさを感じた。今度知人を紹介しようと思う」 霧島「武蔵さんに知人がいたんですか…」 #ドラゴン長門

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武蔵「それより、街中がピンク一色だったぞ。どこもかしこも『ばれんたいん』なるものに夢中のようだが…ばれんたいんとはなんだ？」 霧島「ええ！？武蔵さんバレンタイン知らないんですか！？」 武蔵「なんだ、そんなに有名なのか」 霧島「むしろ知らない方が難しいですよ…」 #ドラゴン長門

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〜赫赫然々〜 武蔵「なるほど、つまり旦那と好きなだけ子作り出来る日というわけだ」 霧島「誰もそんなこと言ってませんが…」 武蔵「冗談だ。チョコに媚薬を盛る日なんだろう？」 霧島「そう、そうです。皆、特に女の子はそれで張り切っているのです」 武蔵「ほう、興味深い」 #ドラゴン長門

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霧島「実は武蔵さんに買ってきてもらった物の中にチョコがあるでしょう？それを使うんです」 武蔵「おお、確かにあったな。しかし私に行かせて霧島は何をしていたのだ？」 霧島「私はキッチンで道具を揃えていました。武蔵さんの分の道具もありますよ」 #ドラゴン長門

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武蔵「むっ…私はあまり料理をしたことがないのだが…」 霧島「大丈夫ですよ、私も一緒に作りますし。手作りのチョコを上げたら提督も喜びますよ！」 武蔵「そう、か…そうだな。この機会に一度作ってみるか」 霧島「はい！じゃあ食堂のキッチンへ行きましょう！」 #ドラゴン長門

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〜食堂〜 武蔵「しかし霧島よ、作ると言っても具体的にどんなのを作ればいいのか分からんぞ」 霧島「大丈夫ですよ、トッピングの材料や型も買ってありますので。武蔵さんのお好みで作ればいいんです」 武蔵「媚薬は？」 霧島「大量に入れましょう」 提督「おい待てコラ」 #ドラゴン長門

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霧島「きゃぁぁぁぁ！！？てっててて提督！！？い、いつからここに！！？」 提督「お前らが来る前から俺はここにいたんだが」 武蔵「最初からか…霧島と話をしていて気がつかなかったぞ…やるな提督」 提督「俺何もしてないんだけど？」 #ドラゴン長門

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霧島「でも提督、どうしてここに？お昼ご飯も食べたはずですが…」 武蔵「そんなに私と組んず解れつしたいのか甘えん坊さんな提督だ…」ぬぎぬぎ 提督「脱ぐな違うわい！！俺も作るもんがあんだよ！！」 霧島「提督が直々に、ですか？何を作るんです？」 提督「それは言えん」 #ドラゴン長門

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霧島「えぇ〜、気になります」 武蔵「口を割らないなら体に聞くしかないな」ぬきぬぎ 提督「脱ぐなっちゅーのに！！いいじゃねぇか俺が何作っても！！…っていうかお前らも何か作るのか」 霧島「いえ、なにも？何も作りませんがここに来ただけですよ？」(目逸らし #ドラゴン長門

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提督「ふーん…(きっとバレンタインチョコなんだろうが…ここで隠してるってことはサプライズも兼ねてるのか。なら俺が言うのは無粋か…)まぁいいけども」 武蔵「違うぞ提督。作るのは提督宛のバレンタインチョコだ」 提督「お前が言うんかい！！」 #ドラゴン長門

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霧島「ちょちょっちょっと武蔵さん！」 武蔵「何を言う。提督は既に我々の会話を聞いていたのだぞ。隠すのも今更というものだろう」 霧島「うっ…そ、それは確かに…」 武蔵「だろう？ならいっそ、提督の目の前で愛情たっぷり詰め込んだチョコを作ろうではないか」 #ドラゴン長門

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霧島「う、う〜ん…一理あります…」 提督（霧島が言い包まれるとは珍しい…） 武蔵「それに、提督もバレンタインのチョコは私達から貰えると前々から思っていたのではないか？」 提督「え？」 武蔵「バレンタインは想い人にお菓子をあげる日だと言う。その日を逃すわけもない」 #ドラゴン長門

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武蔵「恐らく去年も貰ったのだろう？ふふっ、鎮守府にいる皆も、提督も幸せ者よなぁ」 提督「そ、そう…だな…」 武蔵「今年は私もチョコをプレゼントするからな！期待していてくれ！」 霧島「あ！ずるい！わ、私も腕によりを掛けて作りますからね！」 提督「お、おう…」 #ドラゴン長門

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武蔵「よし、では早速作るとしようか！この武蔵に続け！」 霧島「ええ！なんだかヤル気が出てきたわ！」 提督「…」 〜キッチン〜 武蔵「…で、なにから手をつければいい？」 霧島「ああやっぱり…さっきまでの意気込みはいったい…」 #ドラゴン長門

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霧島「とりあえず、まずはチョコレートを溶かしましょう」 武蔵「ほう。なら長門を呼ばねばな」 霧島「へ？なんで…」 武蔵「溶かすならやはり奴の火炎放射だろう？」 霧島「それチョコだけの問題じゃなくなりますよね！？」 武蔵「奴とて加減は出来よう。実際どうか知らんが」 #ドラゴン長門

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武蔵「では早速呼びに行こう」 霧島「待って待ってお願いですから！！ちゃんと溶かす方法ありますから！！火力に頼らなくても出来る方法ありますから！！」 武蔵「むぅ…いいアイデアだと思ったのだが…」 霧島（…開始してもないのに疲れた…これが続くの…？） #ドラゴン長門

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霧島「と、とにかく、まずは溶かしやすいようにチョコを細かく切り刻みましょう」 武蔵「なんだ、チョコというのは刻めるほどの柔らかさを持つのか。私はてっきり岩のようなものだと…」 霧島「…そこから…？」 〜少し離れた所〜 提督（…貰えるものだと思っていた、か…） #ドラゴン長門

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提督（そう…だよな…あいつらが俺にチョコをくれるとは限らないんだよな…あいつらの普段の行動見てると…てっきり、俺にくれるもんだと思ってた…甘えてた…あいつらの好意に………もしかしたら、他の男）ザクッ！ 提督「いてぇ！」 霧島「！ 提督！」 武蔵「どうした！」 #ドラゴン長門

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提督「いって…だ、大丈夫、ちょっと手を切っただけだ」 霧島「大変！早く止血しないと！」 提督「大袈裟だって…見ろよ、ちょっと切っただけなんだ」 長門「だが傷は傷だ。手当せねば」 提督「まぁそりゃ確かに……」 長門「さぁ指を出せ提督」 提督「おい、なんでここに居る」 #ドラゴン長門

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長門「むしろ提督のいる所に私がいない方がおかしい」 提督「なにその論理」 武蔵「止血せねばならんのだろう？一体なにをしている」ぐいっ 提督「へ？」 武蔵「ちゅぱっ♡ぢゅるっ♡ちゅるるっ♡れるっ♡れるっ♡」 提督「人の指でなにしてんだ」スパァン！ 武蔵「いたっ」 #ドラゴン長門

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長門「む！ずるいぞ武蔵！次は私の番だ！」 武蔵「ダメだ！まだ私の番は終わってないぞ！」 提督「人の指を取り合うんじゃねぇ！！というかお前いつからここに居たんだよ！！」 長門「提督がキッチンに入った時からだ」 提督「ほぼ最初からじゃねぇか！！」 #ドラゴン長門

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霧島「そんなことより提督！医務室へ！早く医務室へ行きましょう！」 提督「いや大袈裟だって！」 長門「舐めて治るなら私が…！」 武蔵「いや私が…」 提督「そんな民間療法効くわけないでしょうがァ！とにかく！絆創膏でいいんだよこの程度の傷は！」 #ドラゴン長門

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提督「これでよし、と」ペタッ 武蔵「チッ」 長門「チッ」 提督「おいなんだその舌打ちは」 長門「まぁいいじゃないか。それより提督、包丁で何を作ろうとしたのだ？」 提督「え゛っ、いや、な、なにも…」 武蔵「ほぉ、これは我々と同じ道具に材料だな」 提督「あ゛！！」 #ドラゴン長門

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霧島「あら、本当。もしかしてお菓子を？」 提督「そ、そうそう！自分で食べるために…」 長門「嘘だな」 提督「へ！？なっ、なんでそう思うんだ？」 長門「提督はな、嘘をつくと耳が赤くなるんだ！」 提督「やべっ！？」バッ 長門「嘘だがな」 提督「は？…あっ！」 #ドラゴン長門