- canjani8kanjani
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1 「さっむ…」 思わずコートの襟を合わせてマフラーに顔を埋める。 コート長いのん着てきてよかった。 こんなんとこで待ち合わせするんちゃうかったかなあ。 でもこんなん好きやんなあ、女の子って。 街で一番でっかいツリーの前。 キラキラLEDが輝くイルミネーション。
2016-02-13 19:06:242 周りは俺と同じようにソワソワしながら待ち合わせする人ばっか。 去年は部屋に籠って明石家サンタとか見とったのにな。 これリア充ってやつ? ひょんなことから付き合うことになった女の子。 もの凄い美人やのに、イカれた子。 俺のアホなことに乗っかっていっぱい笑ってくれる。
2016-02-13 19:06:363 この歳になって恥ずかしいけど、夢中やねん。 プレゼント喜んでくれるかなあ…。 何が好き?聞いてもイカって言うだけやし。 勝手に似合そうなん選んでもーたけど。 これからも一緒に時を重ねてくださいって、腕時計。 …もしかしてこれって重い?俺、重い? 何や…夢中やねん…許して。
2016-02-13 19:06:504 そんなんぐるぐる考えながら時間を確認する。 こっそりペアの腕時計。 …やっぱ重い? ちょっと遅れてるんかなあ? やっぱ今日無理ってドタキャンされたんも1回2回と違う。 そんでも今日は来るよな、多分? スマホの画面を確認する。 何も入ってない。 連絡してみよかな。
2016-02-13 19:06:585 指が履歴を辿る。 そん時。 『丸山さん!』 遠くからよく通る声が響いた。 すば子ちゃん! パッと顔を上げる。 そして、硬直した。 『お待たせ!遅くなってごめんなさい!』 息せき切って駆け寄ってくるその姿。 長い髪の毛を揺らめかせて、輝く笑顔は少し紅潮して赤い。
2016-02-13 19:07:156 周囲の視線を集める美少女。 その子が俺の元に駆け寄って来る。 可愛い…。 や、そうじゃなくて! 『…怒ってる?』 上目遣いに様子を伺う仕草が可愛くて、この場で抱き締めそうになる。 や、ちゃうねん!そうちゃうねん!! 『丸山さん?』 「すば子ちゃん…その格好…」
2016-02-13 19:07:277 『あ、可愛いでしょ?お気に入りなんだ♡』 そう言ってくるくる回って見せる。 「あ、アカンって!」 慌てて着てたコートを脱いでその体を隠した。 『え?嫌?ダメ?』 「そうちゃうくて…」 下着が見えてまいそうなくらい短いスカート。 てか、回ったときちょっと見えた。
2016-02-13 19:07:418 真っ赤なパンツと、小さいお尻。 「アカンって…みんな見てるやん」 ダメ?って不安そうに見上げるその目。 可愛くって、我慢できんくって、チュッてキスした。 「可愛いすぎんねん…他のやつに見せんといて」 クスクス笑う彼女。 『誰もいないとこ、行く?』 「え、もう!?」
2016-02-13 19:07:569 『だって丸山さん、もうこんな…』 そう言って、他から見えんように俺のんを指先でツ…って辿る。 「あっ…」 『今日の新品なの…プレゼント、見て?』 真っ赤な唇をペロッと舐めて妖しく誘う。 俺を翻弄する綺麗な小悪魔。 予定変更。 コートのボタンをしっかり留めて手を取る。
2016-02-13 19:08:0710 分厚くに包んで誰にも見えんように、大事に。 『手汗』 クスクス笑いながらギュッと握ってくる。 レストランとかすっ飛ばして、予約しといたホテルに直行。 そこでプレゼントをゆっくり堪能する。 綺麗で可愛くて、妖しくエロい俺の宝物。 もうクラクラする。
2016-02-13 19:08:2111 『着けて?』 差し出された腕に時計を巻き付ける。 嬉しそうなその顔を見て、また押し倒した。 カチャって時計が音を立てる。 その金属音が、俺たちを繋ぐ鎖に思えた。 大好きや、すば子ちゃん。 一生傍にいてな? pic.twitter.com/SYOWTphyej
2016-02-13 19:08:43