忍殺二次創作【ハウンド・ネヴァー・クイット・ハンティング】

とあるアマクダリ・アクシスとフリーエージェントの追走劇。
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【ハウンド・ネヴァー・クイット・ハンティング】 #4215tk

2016-02-20 20:02:31
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

重々しい灰色の雲の下、ネオサイタマには今日も人が行き交う。彼らを見下ろすのはネオン看板であり、マグロ・ツェッペリンであり、そびえ立つビル群である。そのビルの中の一室にもまた、息苦しいほどのアトモスフィアが漂っていた。オフィスの中にいるのは、二人の男女である。1 #4215tk

2016-02-20 20:04:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「整理しましょう」先に口を開いたのは、机を前に座る褐色肌の男。細められたその目からは、油断のない鋭い光。「この付近での行動の許可が欲しい。成る程、要望はわかりました。しかし、なんのために?」「狩りだ、と言っているじゃないか。物分かりの悪い男だな」2 #4215tk

2016-02-20 20:09:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

嘲るように言ったのは女の方。体のラインがはっきりと見える黒のキャットスーツ。そのバストは豊満であった。彼女はどこからか煙草を取り出し、咥える。「シツレイですが、ここは禁煙です」褐色肌の男が眉をひそめた。「ハ?誰が決めたんだ、それは。お前か?」3 #4215tk

2016-02-20 20:12:36
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

女はせせら笑い、指先に灯した火を煙草の先端へやった。紫煙がくゆる。「あのな、インテンシティ=サン。ここらは確かにお前の管轄だろうさ。だが所詮は末端。なんでお前が決めたルールに私が従わなきゃならんのだ?」煙を吐き出しながら、女は言う。男の眉間に深いシワが刻まれた。4 #4215tk

2016-02-20 20:16:36
ジュセー @shiroboshi2

この女ニンジャはアクシスということなのか #4215tk

2016-02-20 20:18:57
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

彼……インテンシティは改めて眼前の存在の情報を思い出す。彼女の名はヘルハウンド。フリーランスからアマクダリに転入し、そのワザマエでアクシスにまで上り詰めた腕利き。現在の主な役職はフリーランスに対する勧誘、および処刑。しかしそれ以上に有名なのは、組織内での悪評。5 #4215tk

2016-02-20 20:20:24
ジュセー @shiroboshi2

ヘルハウンド、うちにもいたからちょっとびっくりしたけど そういえばしかな=サンの名鑑にいた #4215tk

2016-02-20 20:22:39
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

不必要な加虐行為、ほぼ無断に近いエリア外活動。それでも彼女がアクシスでいられるのは、そのワザマエと仕事ぶりによるものに他ならない。しかし……(実際対面してみると閉口ものだな)心中でぼやきながら、インテンシティは旨そうに煙草を吸うヘルハウンドを見据える。6 #4215tk

2016-02-20 20:24:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「狩り、と一言に言われましても。こちらとしても対象が何者なのかを知る義務があります」「義務」ヘルハウンドが片眉を跳ね上げる。「義務ときた。なぜかね?」「こちらでお貸しできる戦力にも限りがありますので」「ハン?まるで私の狩りについてくるかのような物言いだな」7 #4215tk

2016-02-20 20:28:25
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「いくらアクシスと言えど、単独行動は控えるべきでしょう」インテンシティは無表情を崩すことなく進言する。「いつ死神と出くわすか、わかったものではありせんからな」死神。その言葉を口にした時、サイバネ置換した箇所にわずかな痛みが走る。幻肢痛か。8 #4215tk

2016-02-20 20:32:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ネオサイタマの死神。ベイン・オブ・ソウカイヤ……ニンジャスレイヤー。彼らの所属するアマクダリの、重大な危険因子。恐るべきカラテ戦士。「ヒーヒ!」しかし、ヘルハウンドはそれを笑い飛ばす。「いつ来るかもわからん死神を恐れて徒党を組めと?イディオットだな、貴様は」9 #4215tk

2016-02-20 20:36:42
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

インテンシティは眼を細める。その目には苛立ちともに、小さな侮蔑の色があった。「いずれにせよ、お前ごときがついてきても盾にしかならんだろうさ。死神に対しても、今回の獲物に対してもな」対するヘルハウンドは、ただ侮蔑の言葉を投げかけてくるのみだ。10 #4215tk

2016-02-20 20:40:40
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……何者なのです?その獲物とやらは」「ディスコテーク=サン」彼女は言った。「最近アマクダリ・ネットでも危険度の上がったニンジャだ。この付近にいる」「証拠は」「私のニンジャ第六感だ。なにか文句でもあるかい」嘲るような視線。インテンシティは顔をしかめた。11 #4215tk

2016-02-20 20:44:40
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「勘だけでは行動許可を出すには……」「さっきから細かい男だな。まったく呆れる」ヘルハウンドが溜息をつく。同時に、彼女の持つ煙草が灰になり、オフィスの床へと散らばった。「もういい。お前と話すだけ時間の無駄のようだ。勝手に行動させてもらうぞ」12 #4215tk

2016-02-20 20:48:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「シツレイですが、それは越権行為では?」インテンシティが立ち上がる。もはや背を向け、立ち去ろうとしていたヘルハウンドは肩越しに彼へ振り向いた。「かもな。それで?それを止めるためお前はどうする?上層部に報告か?それともカラテか?」空気がやや張り詰める。13 #4215tk

2016-02-20 20:52:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

二人のニンジャは睨み合う。ヘルハウンドが完全に向き直った。「ご自慢の鎧を出してみたらどうだ?インテンシティ=サン」試すように言う。「ニンジャスレイヤーに初めて破られたと風の噂に聞いている。私は二人目になれるかな?どう思う?」「……お戯れを」14 #4215tk

2016-02-20 20:56:16
きゃんてら @Cantera36

粗暴でがさつ。しかも喧嘩っ早いときた #4215tk

2016-02-20 20:59:00
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

インテンシティは肩を竦めた。「わかりました。ご自由に狩りをなさるといい。ただし」「ただし?」「私も同行します。アマクダリに仇なすニンジャならば、早々に芽を刈っておくべきでしょう」「優等生め」ヘルハウンドが嗤う。「まあいい、好きにするがいいさ。私は行くぞ」15 #4215tk

2016-02-20 21:00:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

夕刻。インテンシティは一人ビル郡の屋上を往く。ヘルハウンドによると、件のニンジャは現在このあたりで活動しているらしい。(どこまで信用できたものだかな)心中でひとりごちながら、彼はアマクダリ・ネットに登録されていた今回の『獲物』の情報を再度確認する。17 #4215tk

2016-02-20 23:10:15
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ディスコテーク。オイランドロイドデュオ、ネコネコカワイイめいた重サイバネ者。ソニック・カラテの使い手。複数のニンジャ組織との関与あり。アクシスであるロブストボアの配下を始め、末端のニンジャと何度か交戦、殺害している。成る程、油断ならぬ手合いと見えた。18 #4215tk

2016-02-20 23:14:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ヘルハウンドとは別行動だ。彼女から目を離すのは不安である反面、この状況はインテンシティにとって幸運でもある。長期間あのようなストレス存在の側にいるということは、いくら彼のニューロンをもってしても避けたいことであった。「……ム」不意にインテンシティは足を止める。19 #4215tk

2016-02-20 23:18:11
ジュセー @shiroboshi2

おお、ロブストボアの名前が出た #4215tk

2016-02-20 23:21:18