亮介×ゆき

創作BL/彼女がいる幼馴染みにキスをして彼女に罵られる話
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桜木 @skrg7

@sousakuTL この間思い付いた攻めの彼女に罵られる話のやつ走り書き。たらし(?)攻×一途受の設定で、名前は亮介×雪(ゆき)。よし雪とかかず雪とかかなと思うけど愛称が「ゆき」。

2016-01-01 23:54:01
桜木 @skrg7

@sousakuTL 二人は現在大学生で、幼なじみ。亮介の家で飲んでたか、飲んで亮介の家に来たかで、とりあえず亮介の家で亮介酔っ払って爆睡。ゆきは一緒に寝っ転がって亮介の寝顔見てたら魔が差してキスしてしまう。唇離したら亮介の目の芯と目が合って、ゆきフリーズ。

2016-01-02 00:00:33
桜木 @skrg7

@sousakuTL 寝付けないので前から言ってたやつを書いてみよう。  物心ついた頃から、という言葉は、正しく亮介への想いに当てはまる。確かなきっかけも、いつからという始まりもなかった。特別なその感情はずっと自分の胸に根差していた。

2016-01-21 00:22:31
桜木 @skrg7

@sousakuTL 笑顔が好きとか優しいから好きとか、もちろん好きだけど、でも、そういう単純なものではなかった。なにが好きなのか、どこが好きなのか。言葉にすることは出来なかった。じゃあ、違うんじゃないか。と思われるかもしれないが、それこそ違う。

2016-01-21 00:25:44
桜木 @skrg7

@sousakuTL 亮介への想いは間違いなく恋情だと言える。どこが好きなのか、いつから好きなのか、何も説明できなくてもそれだけは間違いないと言えた。 物心ついた頃から、亮介が好きだった。 それが年頃になって、同性の友人が異性に興味を傾け始めても変わらなかったし、揺るがなかった。

2016-01-21 00:30:08
桜木 @skrg7

@sousakuTL そして、物心ついた頃にはもう失恋していた。亮介とは生まれたときから二軒隣に住む幼馴染みで、保育園から大学に進学する今日までずっと一緒だけれど、亮介が5歳の時にあまね先生に初恋をし、

2016-01-21 02:03:56
桜木 @skrg7

@sousakuTL 7歳でりかちゃんと手を繋いで登校し、14歳で佐々木さんとファーストキスをして、17歳の時にミナミ先輩で童貞を捨て、その後も片手では足らぬほど、もしかしたら両手でも足らぬほどのの女性と付き合ったり遊んだりしているのを見てきた。

2016-01-21 02:04:20
桜木 @skrg7

@tos この子らがハッピーエンドを迎えるところが思い描けない。昨日の続き。 亮介が好きだと思う気持ちは、声に出す手前で、指先に触れる寸前で、いつも握り潰されてきた。涙の一つも溢せなかった。唇を噛んで、指先を丸めて。飲み込んだものは下っ腹の辺りで蟠って内臓を圧迫するようだった。

2016-01-21 23:21:40
桜木 @skrg7

@tos それが常だった。それでいいと思ったし、不変を疑うこともなかった。…なかったんだ。 明かりも点いていないのにこんなに明瞭に見えるのは、記憶が補正しているからなのか。見慣れたとまでは言えないけど、それでも知っている天井を背景に、亮介の双眸が射抜く。 「亮介…っ」

2016-01-21 23:39:41
桜木 @skrg7

@tos 干上がった声が漏れた。心臓が激しく脈打って、かちかち震えて歯の根が合わない。逃げたい、消えたいと床についた後頭部の辺りで思う。けれど。 「ゆき、」 こちらが動揺しているからか、やけに冷静に聞こえる声で逃げ場を奪う。 「今、キスしたよね」 喉がぐっと鳴った。 「なんで?」

2016-01-21 23:46:47
桜木 @skrg7

@tos 遡るのは数時間前。試験の打ち上げでサークルの連中と居酒屋で飲んだ。世間的には気ままな大学生といえど、単位の取得がかかれば必死になるもので、たとえそれがいつか役に立つ知識として身に付かないと言われても詰め込み式に勉強するほか手段がなかった。

2016-01-21 23:57:42
桜木 @skrg7

@tos 結果、自然と酒から遠退いて、反強制的に断酒を迫られた。そして、本日試験の全行程を終えた学生たちは、抑圧された欲望を満たすがごとく、それこそ浴びるように酒を飲んだ。亮介も例に漏れず、勧められるがまま勧めるがまま、或いは誰が勧めずともぱかぱかとグラスを空にした。

2016-01-22 00:01:41
桜木 @skrg7

@tos 亮介はどちらかと言えばざるだったから誰が止めることもなく、周りの喧騒もあって気づいた時には机に突っ伏すように撃沈していた。 「おい!亮介!起きろよ!」 一緒に飲んでいた面々が肩を揺すって耳元に大声を浴びせても起きる気配を見せない。

2016-01-22 00:09:01
桜木 @skrg7

@tos 出勤するとき妄想してたらハピエンなりそうになったけど、もう忘れたかも、な昨日の続き。 「なー、ゆき。亮介起きねーよ。何とかして…」 亮介の対処に困ったときは付き合いの長い自分に役目が回ってくる。一つ頷いて、亮介の隣に膝をつく。 「亮介、」

2016-01-22 23:55:09
桜木 @skrg7

@tos とんとんと肩を叩きながら呼び掛ける。それを数回繰り返すと、亮介からくぐもった声が漏れた。 「ね、亮介。起きて。帰らないと」 「無理…、ねむい…」 「ここじゃ寝れないよ。帰ろ」 「起きらんない、連れてって」 「無理だよ…、俺じゃ背負っても潰れる…」 はあ、と溜息が出た。

2016-01-23 00:04:59
桜木 @skrg7

@tos 亮介がまた深く寝入ろうと頭を深く机に乗せた腕に擦り付ける。 「亮介…。お願いだから、起きて。帰ろうよ」 根気強く、とにかく丁寧に優しく。語りかけるようにすること数分。亮介が意を決したように頭をもたげた。周囲から思わず、おぉ…と野太い感嘆が起きた。

2016-01-23 00:11:33
桜木 @skrg7

@tos 眠くて重たい頭を巡らせて、亮介の判然としない瞳が俺を見つける。 「…帰る」 「うん、帰ろ」 亮介が立ち上がるのに合わせて俺も立ち上がると、亮介が全体重を投げ出した。 「っ、ちょっ!重…っ!」 何とか受け止めて倒れるのを免れる。周りで見ていた連中が手を貸してくれた。

2016-01-23 00:19:27
桜木 @skrg7

@tos 「ゆき流石だわ…」 「なにが?」 亮介の右脇に体を滑り込ませて肩に腕をかけると、左側をもう一人が同じように担いだ。 「だって亮介、さっきまでびくともしなかったのにゆきが起こしたらすぐ反応したじゃん」 「声も全然小さかったのにさー、ゆきの声は届くのなー」 「まじ流石」

2016-01-23 00:24:43
桜木 @skrg7

@tos 口々に届けられる称賛に苦笑した。 「子どもの頃からの付き合いだから起こし方覚えただけだよ」 左側で担いでくれる友人を見る体で、亮介を窺うと、ほとんど夢の中で、足を運ばれるがまま動かすのがやっとだった。 「コツとかあんの?」 コツ?と首を傾げて亮介を見ながら思案した。

2016-01-23 00:30:50
桜木 @skrg7

@tos 「別にない、強いて言えば心底から起きてと思いながら言う、かな」 「呪詛かよ」 笑われた。強ち間違いでもない。 「おきて、こっち見て」と子どもの頃からずっと耳元で願っていた。 「ゆきの声にはどんな時でも反応するもんなー、さすが幼馴染み」 何回めかの称賛は耳に痛かった。

2016-01-23 00:43:00
桜木 @skrg7

@tos この子らのゴールは見えた。が、それが矛盾がなく、辻褄が合うかはわからない。そんな続き。 居酒屋を出ると、呼んであったタクシーに乗り込んだ。 「ゆき、いつも悪いな。亮介の後片付け頼んで」 片目を瞑りながら顔の前に手をかざす。 俺はそれに手を振って応えた。

2016-01-23 23:13:34
桜木 @skrg7

@tos 「いいよ、問題ない」 「麻実ちゃんに連絡しといた方いいか?」 麻実ちゃんは亮介の彼女だ。ぴくっと無意識に口許が強張った。幸い、相手は気づかなかった。 「…いや、大丈夫。勝手知ったるって感じだし、ベッドに転がせばいいだけだから」 「そっか」

2016-01-23 23:22:56
桜木 @skrg7

@tos じゃあ頼んだ、と言ってペットボトルの水を2本渡された。 「ありがとう、お金…」 「いいって。それの世話代」 亮介を指差す。亮介は俺の肩に頭を預けて起きる気配もない。 「ゆきも大変だな」 苦笑いに苦笑いを返して、タクシーの運転手に亮介のアパートを伝えるとドアが閉まった。

2016-01-23 23:30:19
桜木 @skrg7

@tos タクシーが動き出して、ひらひらと手を振るのに応える。少し距離が空くと、背中を向けて二軒目に向かうのを窓越しに見送る。角を曲がって姿が見えなくなって、ほっとひと息ついた。 ペットボトルを手で弄びながら、肩にかかる重みを窺う。規則的な寝息の度、頭が微かに上下に揺れる。

2016-01-23 23:38:00
桜木 @skrg7

@tos 大変なんてことはない。 子どもの頃は手を繋ぐのも、内緒話をするのもおかしいことなんてちっともなかった。いつしか近すぎる距離は間隔があいて、今となってはこんなときくらいしか亮介の体温も息づかいもこんなに間近に感じることはできない。

2016-01-23 23:42:47
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