忍殺二次創作【インストラクター・イズ・ハーダー・ザン・ニンジャ・ビジネス】
- RiverInWestern
- 1160
- 0
- 0
- 0
「そんなわけないだろ」グラスキャットは憮然とした表情で答える。「むしろ逆!あたしはあいつをなんとかしに来たんだ。依頼でね!」「依頼?……つまり同業者か。フーム……」なにごとか考え始めたらしいメタルアーチンを見て、グラスキャットは眉根を寄せた。11 #4215tk
2016-03-20 20:12:15「あのさ。そんなに悠長に考え事してるヒマないんじゃない?あんたたちの狙いもアイツだろ」グラスキャットは背後のホールドアッパーを指差そうとした。そのとき!「イヤーッ!」「グワーッ!」ガシャン!メタルアーチンの背中に、吹き飛ばされたハンドアックスが衝突!12 #4215tk
2016-03-20 20:16:11メタルアーチンの体が少しだけ揺らぐ。それだけだ。「ダイジョブ?ハンドアックス=サン」「ウーッ!俺はまだ戦えるぞ!」勢いよく跳ね起きるハンドアックス。痛めつけられてはいるものの、その目から戦意は消えていない。「ハァーッ、ハァーッ……クソッ、また増えたのか!?」13 #4215tk
2016-03-20 20:20:05ホールドアッパーが悲鳴に似た声を上げた。その衣装にはあちこちに切り傷が伺える。「なにが一人だこのネコ女!ふざけやがって!」「いや、あたしもこの子らとは初対面で、」「ダマラッシェー!もはや貴様らと遊んでいる時間などない!サラバ!」ホールドアッパーが跳ぶ!14 #4215tk
2016-03-20 20:24:38「ム……逃がすか!イヤーッ!」メタルアーチンが両腕を掲げる。腕を覆うプレートからタタミ針がせり出し、射出!「イヤーッ!」しかしホールドアッパーはトライアングル・リープで急転換しこれを回避!ワザマエ!「ハハハーッ!その程度で俺を捉えられると思うてかグワーッ!?」15 #4215tk
2016-03-20 20:28:07ホールドアッパーが体勢を崩す!グラスキャットが投擲したスリケンが片足に命中したためだ!「あんまりあたしを無視されても困る」呟いたグラスキャットは追加のスリケン投擲の構え!「おのれーッ!」ホールドアッパーが片手を彼女へ向けた。サイバネ内臓の機関銃が展開!16 #4215tk
2016-03-20 20:32:09グラスキャットは一瞬だけ己の時間が鈍化したことを悟る。間に合うか?彼女は決断的にスリケンを投擲「イヤーッ!」「グワーッ!?」グラスキャットは目を剥いた。ホールドアッパーのサイバネ重火器が火を噴くことはなかった。第三の乱入者がアンブッシュを決めたからだ。17 #4215tk
2016-03-20 20:37:20ホールドアッパーが墜落する。スリケンは必然的に第三の乱入者の元へ。「アブナ、」グラスキャットは叫ぼうとし、目を丸くした。割って入るように新たなニンジャが飛び込んでくる。青紫色のネコネコカワイイめいた重サイバネニンジャが。それはスリケンを摘むように受け止めた。18 #4215tk
2016-03-20 20:40:05「イヤーッ!」そして地に落ちたホールドアッパー向けそのスリケンを投擲!ゴウランガ!額に命中!「アバーッ!サヨナラ!」ホールドアッパー爆発四散!二人の乱入者が爆発四散痕上に着地、片方が素早くオジギを繰り出す。「ドーモ、グラスキャット=サン。ディスコテークです」19 #4215tk
2016-03-20 20:44:16「……ドーモ、ディスコテーク=サン。グラスキャットです」怪訝な表情のまま、グラスキャットはオジギを返す。「それで、エート、そっちの子は……」彼女が視線を向けたのは、ディスコテークの隣に立つ女ニンジャ。大柄な体格で、犬めいたメンポを装着している。20 #4215tk
2016-03-20 20:48:10「こちらはヒヤエナ=サン。そうですね……まあ……アプレンディスのようなものです」「ドーモ」ぶっきらぼうにアイサツを返すヒヤエナ。グラスキャットは驚きディスコテークを見やる。ついでハンドアックスらを。「アプレンディス?もしかして、そこの二人も?」「ええ、まあ」21 #4215tk
2016-03-20 20:52:13頷いたディスコテークは、すたすたとハンドアックスの元へ近づいていく。そして「イヤーッ!」「グワーッ!?」棒立ちになっていた彼を蹴り飛ばした!無慈悲!「このイディオットが。考えもなく飛び出すのはやめろと何度も言い聞かせたはずです」「ス、スンマセン姐さん!」22 #4215tk
2016-03-20 20:56:27「だから目標を見つけたらアタイに連絡しろッつったろ」冷ややかな目を向け、ヒヤエナが呟いた。「メタルアーチンもメタルアーチンだ。殴ってでも止めろよ」「ウム……止めようとはしたのだが、止める前に飛び出してしまって」「相変わらずトロくせえな、お前は」23 #4215tk
2016-03-20 21:00:26毒突くヒヤエナに、メタルアーチンが困ったように視線を彷徨わせた。「そこまでにしておきなさい。ヒヤエナ=サン」ディスコテークが淡々と言う。「ビズ自体はひとまずうまく行きました。まずはそれでよし」「ア……そうッスね!スンマセン、姐御!」ヒヤエナが頭を下げる。24 #4215tk
2016-03-20 21:04:17ディスコテークが苦い顔で溜息をつく。彼は……然り、ディスコテークは男だ。グラスキャットはそれを知っている……グラスキャットへと向き直った。「どうやらビズのダブルブッキングがあったようです。相談したいことがありますので、ついてきてくれますか」「……アッハイ」25 #4215tk
2016-03-20 21:08:08薄い暗闇とゼンめいた自然音アンビエント音楽で満たされたバー『良い闇』。グラスキャットが案内されたのは、その個室であった。「……では報酬は半々ということで」「ああ、うん。それで全然いいんだけど……足りる?そっち」グラスキャットは思わず余計な気を回す。27 #4215tk
2016-03-20 21:12:11グラスキャットは横目でこっそりとディスコテークの『アプレンディス』らを見やる。並べられたスシ。がっつくヒヤエナとハンドアックス。のそのそと頬張るメタルアーチン。無論このスシとてただではないのだ。「問題ありません。資金の工面はこちらでなんとかします」28 #4215tk
2016-03-20 21:16:06ディスコテークはこともなげに言った。「そも、彼らの教育費もある程度ウラカタから出ますので」「教育費」グラスキャットは首を傾げ、なんとなく理解した。「ディスコテーク=サン、新人研修のインストラクターにでもなったのかい」「……まあ、おおよそその通りです」29 #4215tk
2016-03-20 21:20:33