【創作】エイプリルフール2016

夏生 @sosikore_bot

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！？ い、今なんか幻覚が…

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「撲殺……？」 「大概のことは腕力とエフェクトさえあればどうにかなるものだよ」 「魔法は？」

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「魔法少女の話は置いておいて、私は正真正銘男だよ。何なら今此処で脱いでみせてもいい」 「ごはッ」

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「いや、別にいい」 「そう？」 「けほッ、っ……」 背後のソファにいた柊が何故か急に物凄く噎せている。風邪でも引いたのかあいつ。寝られる時に寝ないからだぞ…

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「嘘？」 「ああ」 「俺は別にいいよ。そういうの、そんなに上手くないって自分で分かってるし」 柊は面倒くさそうに首を横に振った。

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「向いてないことは最初からやらない。その方が楽でしょ」 「お前はいつも後ろ向きすぎないか……」 人の勝手だとは思うが、常にそうだと逆に疲れたりはしないんだろうか。 「嘘なんてついたって碌なことないし」

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「ほら、……たとえばだけど」 「ん？」

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@sosikore_bot 「嘘でも俺がこういうこと言い出したら怖いでしょ」 「またげんかッ…本当に怖いな？！」

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「春日江かと思ったぞ……」 「……そういうお前こそ何かないの」 「何が？」 「嘘だよ！ 流れでわからない？」

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「……そうだな、俺は……」

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「実は女だ」 「それはさっき春日江がやったよね？！」

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夕飯の後、研究所の方へ呼ばれた。定期的な検査とのことだが、いつでもいい用事なら夜中の呼び出しは勘弁してほしい。

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検査を終え、居住区へ戻ろうと研究所の中を歩いていると、俺に今日という日のことを教えた張本人と鉢合わせた。

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「やあ、初めての四月馬鹿は楽しめたかい？」

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「……面白いと思った。たまには。嘘をつくのも、つかれるのもな」

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「そうか、それは何より」 「……普段は何というか、俺も含めて…物言いが率直な奴が多いだろう」

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「だからこういうのは少し、新鮮だ」 「……新鮮？ 本当に？」

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「四月一日じゃなくても、誰だって嘘ぐらいはつく。どんなに正直に見える人間でも、いつも本当のことを言っているわけじゃないさ」

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「キミだって例外じゃない」

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「ま、ボクは違うけどね？」 「……それはあんたの嘘か？」

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「さあ？ 好きに考えるといい。本当のことを言うか、嘘をつくか。選ぶのがボクの自由なら、それをどちらだと見るかはキミの自由だろう」 「……俺は、嘘をついた覚えはないが」 「そう思うならそれでいい。全てはキミ自身が決めることだ」

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「騙されていたと知ったとき、それを許すかどうかもね」

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四月一日の嘘は許される。嘘だと分かって笑ってしまうような、他愛ないものに限られるだろうが。けれども、そうでない日は…… 「それは……」