ホロリ章ちゃん⑥×はあと花びら

はち公。 @funkastic_8er

1 「はぁ･･･」 ため息をつきながら マンションのポストを閉める これ･･･最近の日課 だけど今日も 待ってる物は無くて 足取り重く部屋に戻ろうとしたら ────♪♪ 「ん？」 スマホが鳴って ディスプレイに浮かぶ 《章ちゃん》 を見つけた #はあと花びら

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2 「もしもし？どうしたー？」 『今どこー？』 「ん？家ー」 『そーなん？出てこれる？』 「うん！でもどこまで？」 『後ろに5歩くらい？』 「へ？」 振り返るとそこには･･･ 「章ちゃん！」 『お前なぁwww 普通気づくで？この距離www』 #はあと花びら

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3 「うるさいなぁ！」 そう言いながら 腕に抱きつく そんな私の頭を撫でながら 『なぁ、ちょっと散歩しよーや。 川沿いの桜、キレイやったで？』 って彼が提案するから 「ほんと？行くー！」 断る理由なんか あるはずもなく #はあと花びら

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4 「綺麗！きれーぃ！！」 章ちゃんと手を繋ぎながら マンション裏の川沿いを歩く 『気づかんかった？ここの桜』 「うん！ほら･･･ こっち側あんまり歩かないから」 『せやなぁ･･･表通りちゃうしな』 章ちゃんの部屋に転がり込んで しばらく経つのに #はあと花びら

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5 「まだまだ気付いてないこと 沢山あるなぁ･･･」 新鮮な発見に感嘆しちゃう 『ふふ･･･』 「･･･？なぁに？」 『いや･･･ほんまに 思ってる事すぐ口に出る子やねwww』 クシャって笑うその顔に 未だにキュンとなるのも なんか･･･すごいな #はあと花びら

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6 ────次の瞬間 「ひゃあ･･･」 強い風が吹いて 目を伏せる ん･･･収まったかな 様子を伺う私に 『見て！なぁ！見て！』 興奮気味の章ちゃんの声 誘われるまま目を開けると 「わぁ･･･」 ────視界を埋め尽くす 桜吹雪･･･ #はあと花びら

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7 『めっちゃ綺麗な！』 自然と章ちゃんが 手を宙に広げて 私より少し前へ 「あ･･･」 花びらの中に 彼の後ろ姿──── 「やだっ･･･」 思わず駆け寄って 背中にしがみつく 『え！？どうした？』 慌てる章ちゃんと 顔を上げられない私･･･ #はあと花びら

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8 『･･･どうした？』 言わなくてもバレるよね 鼻をすする音は 隠せなかったから 『･･･なんで泣いてんの？』 だって･･･ 「章ちゃんが･･･ 消えちゃうかと思った」 こんな事で不安になるほど 私 不安定なんだって再確認･･･ #はあと花びら

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9 章ちゃんは笑って それから私の方に向き直り 優しく抱きしめ直す 『大丈夫やって･･･ お前置いてどこも行かへんよ？』 わかってる その言葉にウソがないことは 『大丈夫･･･』 それでも不安になるのは ────なんでかな･･･ #はあと花びら

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10 ────結局そのまま お散歩は終了させて 彼の部屋に帰る 「章ちゃんっ･･･」 人目を気にしなくて良くなった瞬間 その温もりを確かめるみたいに 抱きついて キスをせがむ･･･ 「んっ･･･」 章ちゃんは 私の不安を拭うみたいに 舌を絡めて #はあと花びら

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11 「んん･･･」 私をとろけさせながら 『もっと･･･俺でいっぱいにしたる ･･･余計な事考えられへんくらい』 そう 魔法かけるみたいに 囁いた 「うん･･･もっと･･･ 章ちゃん･･･ちょおだぃ」 うん それは 私が望んだことだから #はあと花びら

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12 『あぁ･･･もぉ』 ベッドに抱き合いながら 倒れ込む 『服じゃまやわ･･･ もう･･･なんも邪魔せんといて』 そう言って自らの服を脱ぎ捨てると 今度は私にも脱ぐよう促しつつ 露になった肌に 指と舌を這わす･･･ 「あっ･･･章ちゃ･･･」 #はあと花びら

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13 『･･･もっと』 刺激を与えつつ 『もっと･･･名前呼んで』 愛を求める貴方に 「章ちゃん･･･章ちゃん」 私は愛を与えながら 「ふぁっ･･･あぁんっ」 快楽と喜びを貰う 『あかん･･･もぉ･･･入れるで？』 貫かれることすら 幸せで #はあと花びら

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14 クチュ･･･グチュ･･･ 淫靡な音すら 2人には幸せの証 「やっ･･･あっ･･･」 身体のつながりに 心の平穏を求める ────そうしてればヒトツだから 『もぉやば･･･全部受け止めて』 そう告げて貴方が放つ欲を ひとつ残らず 受け止める #はあと花びら

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15 ずっと この空間だけに居られたら そう･･･何度願ったか 貴方と私 2人だけの世界 ────「んっ･･･」 気づくとまた寝てて 『ほんまに･･･イクと寝るよなwww』 傍らで私を見ながら 微笑む章ちゃん 「す、すみません///」 #はあと花びら

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16 『謝らんでもwww』 相変わらずな私だけど 変わった事もあって ･･･章ちゃんは寝落ちしても 私から離れるんじゃなくて 起きるまで隣に 居てくれるようになって 不安はもちろん拭えなくても 落ち着けば 有り余るほどの 優しさと愛を もらってるから #はあと花びら

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17 「あ、章ちゃん･･･」 『ん？』 「花びら･･･付いてた」 章ちゃんの髪に さっき見た桜の花びら 『おぉ･･･連れて帰ってもたwww』 楽しそうな彼から それを手に取り ぼんやり眺める 「ねぇ見て？ ハートの形♡」 『ほんまやwww』 #はあと花びら

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18 「かわいい」 それを手でそっと包んで 大事そうにしてると 『じゃあそのハートの花びら お前のもんな？』 って言いつつ そっと頬に キスが舞い落ちる 『それと･･･ついでに』 「ついでに？」 『他のハートもやるわ』 「他のwww?」 #はあと花びら

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19 『俺のんも･･･お前にくれてやる』 そう言って 胸の当たりを トントンと指さした ────うわ/// 「キザぁぁぁ///」 キャーキャーはしゃぐ私に 『な！だって！ お前元気なかったから･･･ ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！ 言うんやなかった！！』 #はあと花びら

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20 すると章ちゃんは ぷいっと私に背を向けて 「章ちゃんーごーめーん！」 『ぷん･･･』 「しょーちゃーんwww」 『ぷんぷんやわ･･･』 ────うんやっぱり 「まだまだ気付いてないこと 沢山あるなぁ･･･」 街並みだけじゃなくて 貴方の事も #はあと花びら

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21 キザな台詞を言う章ちゃん 我に返って真っ赤な章ちゃん ぷんぷん言う可愛い章ちゃん ────どんな瞬間も愛おしいから 「ねぇ、章ちゃん？」 『･･･んー？』 「お返しにね？ 私のハートもくれてやるから 仲直りしよ？」 私の全部を貴方にあげる #はあと花びら

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22 そしたら章ちゃん ニコッと笑って 『･･･しゃーなしやで？』 って私を抱きしめた──── うん･･･大丈夫 貴方と花びらが 今の私を幸せにするから 不安には･･･そっと蓋をしよう #はあと花びら pic.twitter.com/Fn7MYXOIYa

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23 ────だけど 現実は結構容赦なくて 待てと暮らせど来なかった郵便が こんな幸せの後 マンション下のポストに届く 《確かに･･･お届けしましたよ》 ────向き合う覚悟 デキテル？ 【END】 #はあと花びら pic.twitter.com/FV3gX1Qlwx

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