『変化工場 之 夢』【夢の話31】

実際に見た夢の話です。あっさりと忘れるせいで脈絡が無く、オチなんて物もありません。心の広い方向け。
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天晶 @tensyou99

化け物が出る、という噂の建物があった。 そこはある打ち捨てられた工場だった。操業が止まり、すべての人が去ってから2~3年は経っていた。工場の周りには草が生い茂り、小さな木が生えてる様子も所々に見ることが出来た。 #夢の話

2016-03-19 23:48:19
天晶 @tensyou99

壁なども含め、各所が緑に覆われた工場であったが建物自体はそう朽ち落ちてもいなかった。当時の原形をとどめ、中にいれば雨風も凌げる場所だった。 化け物が出る。その真偽を確かめるため数回の調査が既に行われていた。十人に満たない数名で編成された調査隊が工場内部の調査を行った #夢の話

2016-03-19 23:52:08
天晶 @tensyou99

結果として、化け物は『いる』と断定された。 実際に被害も出た。負傷者が隊の中でも数名出て、酷い手傷を負って入院する者もいるほどだ。目撃談も数多く得られ、負傷者はもちろんのこと、近くで応戦した者からも詳細な情報を手に入れられた。 #夢の話

2016-03-19 23:52:51
天晶 @tensyou99

これだけ多くの情報が得られ、被害が伴い、さらなる調査隊が派遣されながらも実体が解明されないのには訳があった。 目撃情報が隊によって異なるのだ。姿形、攻撃方法も複数の情報が錯綜し混迷して、確定することができなかったのだ。死者や行方不明者が出てないのが不思議なほどであった #夢の話

2016-03-19 23:54:49
天晶 @tensyou99

総合した情報から、今回は複数の隊を投入するのではなく、とりあえず一つの隊だけを投入しようということとなった。 編成された調査隊に自分も何故か組み入れられる。調査隊のメンバーは全員顔見知りであった。 #夢の話

2016-03-19 23:56:26
天晶 @tensyou99

当日、現地集合で調査隊が工場へと向かった。が、集合予定時刻になっても隊員の一人の姿を確認することが出来ない。 不審に思いながら連絡を取ると、どうやら遅れてくるらしい。 #夢の話

2016-03-19 23:58:15
天晶 @tensyou99

事故やらなにやらという申告がないところからして大体の理由は想像がついたが、深くつっこみはせず先に工場に入って入り口付近で待っているということだけを伝える。 そのまま、遅れてくる隊員を除いた調査隊メンバーで工場の中へとはいる。 #夢の話

2016-03-19 23:59:39
天晶 @tensyou99

まだ日は高く、工場内部も外からの採光によって懐中電灯等をつけなくも十分に行動できるほどの視界がとれた。 工場に入って短い通路を歩くと、すぐに開けた場所に出る。その一区画に何かの作業に使っていたと思われる作業台とそれを囲むように複数のいすが放置してあった。 #夢の話

2016-03-20 00:02:18
天晶 @tensyou99

経年劣化はあるものの、大した損傷がないそれに皆で腰掛け最後の一人を待つことにした。 作業台があるところは通路から回り込んだ所にあり、通路を誰か通ってきたらすぐにわかるような場所であった。 #夢の話

2016-03-20 00:02:50
天晶 @tensyou99

皆でやはり寝坊だろうか、来たら驚かしてやろうなど、他愛もないことを喋っていると誰かが工場入り口付近に近づく気配がした 誰が指示するわけでもなく、皆が一斉に口を閉じる。そこまで緊張した雰囲気ではない。にやにやとした少し楽しげな雰囲気が漂っている。工場の扉を開けた気配がした #夢の話

2016-03-20 00:05:10
天晶 @tensyou99

入ってきた誰かは、遅れてごめんやらなにやら言っている。声からしても最後の隊員で間違いないだろう。さて、驚かしてやろうかと立ち上がるために台に手をついたところで、何かがおかしいことに気がついた。 #夢の話

2016-03-20 00:07:15
天晶 @tensyou99

他の隊員の表情を伺うとどうやら皆、同じような違和感を感じているようで先ほどとは違う少し硬い表情で動きを止めて聞き耳を立てている。最初は言い訳をつらつらと並べていた隊員の声が、徐々に不明瞭になっていっていた。 #夢の話

2016-03-20 00:08:53
天晶 @tensyou99

内容はまともだが所々がCDの音飛びのように別の音に置き換わっている。その音飛びの部位がどんどん隊員の声を浸食していく。 あっという間に隊員の声が聞こえなくなり、奇妙な音を上げ続ける何かが、通路から姿を現した。隊員たちは全員席を立ち、すぐに次の行動に移れるような体制である #夢の話

2016-03-20 00:11:18
天晶 @tensyou99

それは羽根であった。鳩や鴉から抜け落ちるような目の詰まった羽根ではない。クジャクの尾羽の特徴的な目玉部分を取り除き、緑と赤に光る下の部分だけをそのまま大きくしたような、何か。 #夢の話

2016-03-20 00:14:03
天晶 @tensyou99

それが、地面から垂直に浮かんでいた。全長は一メートル強。どこからどう見ても、まともな生き物には見えなかった。というかまず生き物に見えない。 巨大羽根と自分調査隊。 互いが互いの姿を確認した次の瞬間、巨大羽根が鼓膜をツンザくような奇声を上げた。 #夢の話

2016-03-20 00:14:57
天晶 @tensyou99

その長い毛先を細かく震わせながら巨大羽根から発せられた奇声からは、鈍い自分でも感じられるものがいくつかあった。 困惑、恐怖、そして、敵意。 散開! 自分はそう叫ぶと同時に走り出す。工場の出入り口に繋がる通路は羽根が塞いでいるので、全隊員が工場奥へと向かって走り出す。 #夢の話

2016-03-20 00:15:48
天晶 @tensyou99

攻撃される可能性があった。だが、攻撃するわけにはいかなかった。 あれが、遅刻してきた隊員であるという可能性が高かったからだ。 所々に穴が空いた壁に囲まれ、雑草と動かなくなって随分と経つ機械が放置された部屋を駆け抜けて、奥に見えた2、3の小部屋に隊員たちは分かれて飛び込む。#夢の話

2016-03-20 00:19:05
天晶 @tensyou99

後ろを見ずとも巨大羽根が追ってきていることが気配で感じられた。 速度を落とさずに飛び込んだ小部屋を駆け抜ける。行き止まりじゃなくて幸いだった。 小部屋の先は一番最初の部屋よりも随分と大きな部屋であった。 #夢の話

2016-03-20 00:20:28
天晶 @tensyou99

部屋というよりも植物生産プラントのイメージに近かった。天井は高く緩やかなアーチを描き、床以外はすべて白で塗りつぶされていた。 そして、そこにあったは低木であった。#夢の話

2016-03-20 00:22:47
天晶 @tensyou99

何の木かはわからない。ただ、高くはなく170センチあれば良いところだろう。椿のように下の方まで枝葉が茂っており、その低木が敷き詰めるられるように植っていた。余りに多量すぎてぱっと見では数え切れない。 みかん畑やトマト畑、そういった印象に近い場所であった。#夢の話

2016-03-20 00:24:22
天晶 @tensyou99

ふと横に視線を走らせると2、3ある扉から分かれた隊員達が出てくるのが確認できた。どうやら最終的にはここにたどり着くような構造だったようだ。後ろから巨大羽根が近づいてくる気配がする。 #夢の話

2016-03-20 00:25:06
天晶 @tensyou99

身振りだけで低木群の中に突っ込むことを伝えて、そのまま再び走り出す。どうやら身振りだけでも意図が伝わったらしく、他の隊員も低木群の中に入ってくる。 低木の枝とやけに固い葉をかき分けながら走る。途中で何回か走る列を変えて後ろにいるであろう巨大羽根を撒くように努力する。#夢の話

2016-03-20 00:26:48
天晶 @tensyou99

巨大羽根は低木をかき分けるのが苦手なのか、音が徐々に遠ざかっていった。 そこそこの時間を走った後、ふいに低木群が途切れて視界が開ける。目の前に壁にはいくつかの扉があった。 #夢の話

2016-03-20 00:27:50
天晶 @tensyou99

すぐに他の隊員達が低木群から自分と同じように飛び出してくる。ぞくぞくと姿を現す隊員達を、自分は声を上げずに扉の一つへ誘導する。 最後の隊員を部屋の中へと誘導すると同時に、巨大羽根の気配が無いことを確認して、音を立てずに扉を締めて鍵をかけた。#夢の話

2016-03-20 00:30:54
天晶 @tensyou99

これで少しは時間が稼げるかな。と肩をすくめると、隊員の何名かが安堵したかのように息を吐いた。 とりあえずいったん外に出よう。しばらく話した後、満場一致でそう決まり、おそらくもう巨大羽根がいないと思われる生産プラントへの扉を開けた。ふと、そこであることに気がつく。#夢の話

2016-03-20 00:31:48