2016/05/02 J-WAVE RADIO SAKAMOTO

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

続いては、4月9日(土) 恵比寿ガーデンプレイス・センター広場で行われた、「身体」「健康」をテーマとしたRADIO SAKAMOTO 公開収録、田中泯×坂本龍一の模様をお届けします。 #jwave pic.twitter.com/E5JyFkHOl7

拡大

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢田中泯さんに来ていただきました。そして、田中泯さんの唯一の弟子、石原淋さん。お二人とも、なんてお呼びしたらいいんでしょうか……踊り手さん、ダンサーですね、はい。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢何を話していいか全然分からない(笑)、あのー、何も考えていないので、ふたりでただ、もじもじしているだけではないかということで、石原さんにも来ていただいて、つっ込んでもらおうと思ってるんですけど。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

石原 ｢しっかり、つっ込みます(笑)。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢今回の『commmons10 健康音楽』、そもそも長いこと、不健康な音楽が好きだったし、不健康に生きてきたんで、あまり健康とは馴染みがないんですけども。でもまあ最近、大きな病気をしたということで、当然いまは健康にも気を遣ってはいるんですけども。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢ただ健康といっても幅広すぎるので、いろんな角度から考えてみようということで、ひとつその、体というか身体ってことがあるので、身体といえば、身体のエキスパート……かな、と勝手に思っている田中泯さんに来ていただいたんですけども。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢身体とはなんでしょうか。｣ 田中 ｢なんでしょうかね、これないと俺じゃないということも確かなんですよね。でもいつか来るんですかね、体なしの俺っていうの。｣ 坂本 ｢あー、埴谷雄高みたいな世界ですね。物質の存在しない、意識だけの存在。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢この体がなくなると俺はいなくなるという……ことは、多分、まあ私たち生きてる間は、そんなことはないでしょうけど。｣ 坂本 ｢幽体離脱なんてあるんじゃないですか。意識が体から離れていく。そういう経験をしたという人が世界中に居ますけど、本当に起こるんでしょうか。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢どうなんでしょうね。言葉の上ではね、体から出ていって、っていうような言葉は普通に日常でも使いますよね。僕の師匠なんかはよく、自分の体が立ち上がろうとするとね、僕の体ん中で姉がしゃがみ込むんだよね、っていうようなこととか。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢体と一緒に生きているという実感……とね、体を使ってるっていうこととは、別のことでしょ。体を使って生きているという実感が、ほんとは欲しいんですよ。体といっしょに生きてるという実感がね。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢それが遊離している、意識と身体がね。遊離して、もう長いわけじゃないですか。デカルトから考えても、500年ぐらい。 ｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢ただ、もうますます、私たちの体の代行をするものが、もう、どんどんどんどん出来てきて、知能まで代行してもらうような時代になってきてますよね。そうすると、私というものもなんか危うくなってくる。｣ 坂本 ｢どこにあるのかっていう話ですよね。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢これちょっと、昨日、怪我したんだけど、これも私なんですよ。私の指というよりは私なんですよね。どこもかしこも、もう、けつの穴も私だし。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢だけど……と同時に、例えば口の中、胃の中、けつの中(笑)っていうのは、外界でもあるわけなんですよね。だから、そうすると私っていう……ものは、どこにあるのかっていうのは、なかなかわかりにくいですよね。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢でも、一個の細胞から始まった私たちの人生って言ったらいいのかな(笑)、命の最初の人を先輩っていう風にね、仮に呼ばしてもらえば、まさに私たちの人生は、一個から始まって、どんどん増えていった細胞の集合体の中で、私っていうものが形成されてることは確かですよね。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢僕はそれが面白くておもしろくてしょうがないんですよね。だから結構、お前はいったい何者なんだって言われても、へらへら笑っていられるような、そんな気分はありますけどね。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢それは踊っているときに、私と身体っていうのは、どう、意識してるんですか。それ意識はしない？｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢日常的に僕たちはね、意識を通わせないでやっている運動が山ほどあるでしょ。で、踊ってるときって、意識を通わせているときと通わせてないときっていうのが、これは意識的にスイッチをオンしたりオフしたりした状態。だからこういう風にして、今、僕は意識を通わしています。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢でも、これをここで保ってこのまんまの状態にするっていう意識はもちろんあるんだけども、これに何かをさせようっていうことは一切忘れて、この状態で他の部分……ここ以外の部分で、何かをしているというようなことは、たくさんありますよね。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢あのー……一体感っていうね、自分の体ひとつ、一体感っていうのがあるんだけど、あんまり好きじゃないです。そんなあるわけないです。いまも(会場の)あっちの方の音とか、いろんなものが聴こえているわけですし、…… #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

(田中) …そこにすごい速度で、ぱっぱっぱっぱっこう、自分の中に行き来をしてますよね。人が動いてるのも全部見えているし、これちっとも僕は複雑だと思わない。これが何十兆ですか……ものすごい数がある。それの当たり前な、反応なんじゃないかなと思ってはいるんです。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

坂本 ｢だけどさっき、泯さんが言ったように、今、バイオテクノロジーなどで、どんどんこうパーツをね、取り替えていけると。心臓を取り替えたり、いろいろと。果ては、知性まで外化するというか、あるいは他の機械的なものを入れちゃうとかですね。…… #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

(坂本) …そうすると、もうどこまで、例えば身体の全て人工的なものに置き換わったときに、それでも尚、私っていうものは……意識っていうものはあるんでしょうかね。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢どうなんでしょうね。人間……人類がソメイヨシノみたいになったら、どうなんですかね。俺やだな、いっしょに咲きたくないな。僕のところにある桜はタカトオザクラっていう、ちょっと変なやつなんですけど、並んで植わっているのに、なぜかずれるんですよ。｣ #jwave

RADIO SAKAMOTO @radiosakamoto

田中 ｢わざわざ1週間くらいずれて咲いてる感じがするんですよね。でね、1本いっぽんに、お前は……って、時々話しかけてるんだけど、それで当たり前ですよね。｣ #jwave