【SolidS】大ちゃん誕/自己満足な人生ハードモード歌詞考察(軽量版)

大ちゃんの誕生日(4月22日)なので村瀬大について本気出して考えてみた

人生ハードモードとは本当にただのビッチ(語弊)の歌なのか？

ちなみにSolidS2巻ドラマパートには大が苦手なスチール撮影につまづいてしまい焦ったり、里津花に八つ当たりしてしまったりするが最終的にそれを「ある方法」で乗り越える…といったエピソードが収録されている。

村瀬大にとって「愛しても信じても尽くしても最後には捨てられてしまう」という対象があるとすれば、それはたくさんの時間や労力や努力を費やしてきたのに、肩の故障によってだめになってしまった「水泳」なのかもしれない。

たった一度きりの人生では失った時間は取り戻せない＝他のもっと違う人生を歩むことは叶わない＝アンパンみたいにすげ替えはできない。
人生は一発勝負であり、やり直しはきかない。失敗したらそれまで。「失敗」が「完成形」になってしまうのだ。→一発録りに関して。

ここでもう少し歌詞について詳しく見てみると、一番は主に自分の性格や趣向、これまでの出来事についてをメインに語っている。つまりはルーツに近いものだ。
二番はというと、実際に具体的なある日のワンナイトラブの様子がえがかれているが…
「交差点でナンパされてついてって～気付けばベッドの上」
というところがなんとなくSolidSの結成のきっかけを彷彿とさせるような？
ちなみに2番Bメロの「ハリボテの愛情って分かるのに～」を他者承認欲求の表れとも捉えられる。
2番サビには「今からリセットできるかな」という歌詞もあり、ハードモードな人生を「リセット＝やり直し」したいという意志を見せる。

ここから、もし2番を「現在 or SolidS結成直後」でありこの曲における時間軸の原点と捉えるのであれば、1番は2番の歌詞の時点の時間軸から過去(水泳を辞めたとき)を振り返って自分について語っている様子とも解釈できる。

ちなみにCメロ以降はそんな自分に対して「大キライ」と発言し自分自身が変化していこうという歌詞になっている。

※↑だけ別の日のつぶやき。一度人生に躓いている同士だからこそ響き合う何かがあるのかもしれない。
もしこれが志季からのエールであれば、「報われる保証はない」というのは実体験？

以前、里津花のGNMD歌詞考察をしたときにも語ったことだが、作曲者のキャラクターが作っている、同じ楽曲の入ったCDが実際に本編の中でリリースされている前提の作品では「キャラクターソング」が一般的なキャラソンとは違った役割、位置づけとなる。

視聴者としての我々は「物語を俯瞰的に見ている立場」で曲を聴いているが、CD世界においてこの曲は「篁志季」が作り、「SolidSのメンバー」が歌い、「俯瞰的に観察する人間の存在しない世間」へ向けて発信されていることが前提になっている。

一般的なキャラクターソングは歌詞も楽曲も主に「三次元の作り手」から「二次元のキャラクター」に対して与えられるものだ。
しかしSolidSの場合ではあくまで「二次元世界の同軸上においてキャラクターからキャラクターの間で限りなく閉鎖的にやりとりされるもの」である。

ということは、曲（人生ハードモード）を作り上げる過程においては、ドラマ的には志季か大のどちらかに視点が固定されている状態が相応しく、楽曲製作の段階に至っては志季の固定カメラのみの視界しかないと言っても過言ではない。

つまりこれは物理的な意味でも精神的な意味でも、正真正銘「志季から大へ贈られた歌」、ということになるのだ。

総括すると、
・「人生ハードモード」は主人公であるビッチ(※語弊)の歌詞の中に「尽くした分だけ報われるとは限らない人生の理不尽さ・シビアさ」「やり直しのきかない人生」「それでも逃げずにぶつかっていくことへの勇気と覚悟」という意味が込められている。
・それは大が一度は挫折を経験している人間であることから、志季なりに共感を覚えての「エール」なのではないか？
という拡大的な解釈が可能。

未だ自分の殻を破り切れない大に、自分とはまったく別のキャラクターを持つ人物（つまり遊び人の女の子）が主人公の歌を歌わせることによって大の新たな一面を発見する、というのがこの歌の大前提だ。つまりはSolidSの売りの一つでもある「ギャップ」である。
しかしながらただそれだけでは奇をてらっただけの歌になってしまう。
そのため、この歌には大とまったく逆な性質だけではなく、「大が共感できる一面」を持たせている側面があり、それこそが暗に志季からのメッセージ(エール)になっているのでは？　とも考えられるのだ。

個人ソロ曲は総じて「作曲者(志季)から歌うメンバーへの愛とかメッセージのこもったプレゼントなのではないか？」。
よく考えると志季はいつも「言葉が足りていない」人であり、音楽の方がはるかに雄弁に物を語れる人物だ。
もしかするとこういう裏の意図…気付かなければそれはそれでいいけれど、気付いてくれたら嬉しい、こうなってほしい…と願うことをこれでもかと詰め込んでいても、不思議ではないのかもしれない。

おまけ：村瀬大というキャラクターの背景と「SolidS」