1 蒼龍「提督」 美影「…」 蒼龍「起きてください」 美影「…ん」 蒼龍「提督」 美影「ん……おはよう」 蒼龍「おはよう。じゃないですよ。お仕事終わったんですか?」 美影「あぁ、終わってる…みたいだ」 蒼龍「そうですか。お茶でも淹れましょうか?」 美影「頼む」
2016-05-20 20:30:012 蒼龍「ぼーっとしてますね。熱いですので気を付けてくださいね。」 美影「ん…美味い。しかし……」 蒼龍「なんですか?」 美影「お腹空いた」 蒼龍「それはそうでしょう。時計を見てください」 美影「ひときゅうまるまる……なるほど」 蒼龍「提督?」
2016-05-20 20:30:463 美影「蒼龍!食堂に行くぞ!」 蒼龍「はい!」 蒼龍「ふふっ」 美影「ん?どうした?」 蒼龍「提督は変わりませんね」 美影「毎日顔を合わせてるんだ。それとも成長していないってことか?」 蒼龍「そうですよ」 美影「なんだとお……」
2016-05-20 20:31:244 「……」 「……」 「……」 美影「……ん?」 蒼龍「どうされました?」 美影「あいつらは誰だ?」 蒼龍「あいつら?」 美影「今すれ違った3人だよ」 蒼龍「もー、しっかりしてください。まだ寝ぼけてるんですか?」 美影「ん…まだ目覚め切ってない…か」
2016-05-20 20:32:225 蒼龍「ほら、行きますよ。ねぼすけ提督さん」 美影「あ、あぁ」 ーーーーーーーーーーーーーーー ー食堂ー 美影「ん、この時間帯にしては空いてるな」 蒼龍「そうですか?いつもこんな感じですよ?」 美影「そうか…もっと混んでいたような…」
2016-05-20 20:33:176 雷「あ、司令官!私の隣空いてるわ!!」 美影「ん、おぉ。…雷、か。」 雷「待ってたのよ!蒼龍さんも一緒に食べましょ!」 蒼龍「うん。お茶取ってくるね」 千歳「あら、提督。いらしてたんですね」 美影「お、おぉ千歳か」 千歳「お隣よろしいですか?」 美影「あぁ」
2016-05-20 20:34:157 蒼龍「あー!なんで千歳さん提督の隣にいるのー!?」 千歳「早い者勝ちですよ蒼龍さん」 蒼龍「やだやだやだ〜!提督〜!!」 美影「お、落ち着け蒼龍」 雷「司令官!食べさせてあげる!はい、アーンして」 ーーーーーーーーーーーーーーー
2016-05-20 20:34:528 美影「ふぅ、食事に行っただけなのに疲れたぞ」 蒼龍「いつもこうじゃないですか」 美影「……んん」 蒼龍「やっぱり疲れてますね。今日は早めにお休みしてくださいね?」 美影「いや、この後雷に部屋に呼ばれててな。どうやら遊んでほしいみたいだ」
2016-05-20 20:36:019 蒼龍「あまり遅くまで起きていてはダメですよ?」 美影「あぁ、分かっている」 蒼龍「では提督。本日はこれで」 美影「うん。お疲れ様」 ーーーーーーーーーーーーーーー
2016-05-20 20:36:4210 蒼龍「提督」 美影「…んぁ」 蒼龍「またお昼寝ですか?」 美影「……すまん」 蒼龍「もう日課になっちゃってるんじゃないですか?」 美影「…気を付ける。が、あいつらがなかなか放してくれないからな」 蒼龍「好かれるところは変わりませんね。良いと思いますよ」
2016-05-20 20:37:5711 蒼龍「私達は兵器としてだけでなく、信頼し合える関係を望んでますからね」 美影「だが限度があるだろう」 蒼龍「でも秘書艦としては、仕事だけはしっかりやってくれているので文句はありませんよ?」 美影「ん、仕事……終わってる、な。無意識にしていたのか?」
2016-05-20 20:38:5312 蒼龍「ご謙遜を。はい、お茶です」 美影「ん、いつもありがとう。」 ドドドドドドドドッ 美影「な、なんだ?」 「提督!?」 美影「お、大井!?何事だ??」 大井「提督…本当に提督なの!?」 美影「どうしたそんなに血相変えて…」
2016-05-20 20:39:5913 大井「提督…会いたかった…」 美影「お、大井?いったいどうしたんだ?」 蒼龍「提督…しばらくそうさせてあげてくれませんか?」 美影「う、むぅ」 大井「分かってた。貴方のしたこと…全部私達の為だって分かってたのに。」 美影「大井?いったい何の…」
2016-05-20 20:41:5114 大井「私が守らなくちゃいけなかったのに…なのに私は…私なんて艦娘失格よ…こんなことなら私も沈めば良かった…」 美影「(大井が何を言っているのかわからないが…)」 美影「大井、そんな悲しいことを言うな。お前が居なくなれば私も、鎮守府の皆も悲しむ」
2016-05-20 20:43:0915 大井「…ごめんなさい」 美影「それにいつものお前はどこに行ったんだ?泣き顔なんて似合わないぞ」 大井「う、うるさいわね……」 美影「それでこそ大井だ」 ーーーーーーーーーーーー
2016-05-20 20:44:3316 美影「それで、いったい何があった?」 大井「……」 美影「ダメか……」 蒼龍「提督」 美影「ん?」 蒼龍「少し大井ちゃんとお話させてください。」 美影「…そうか、男の私には話しにくいことかもしれないしな。大井、そろそろ放して…」 大井「いや」
2016-05-20 20:46:2917 蒼龍「大井ちゃん。ちょっと2人でお話しよう?それにそんな泣きはらした顔じゃ提督に笑われちゃうよ?」 大井「でも…提督は…」 蒼龍「提督は居なくなったりしないよ。ね?」 大井「…わかったわよ」 美影「ありがとう大井。すまんが蒼龍、頼んだ」 蒼龍「はい」
2016-05-20 20:47:2318 美影「…いったい何がなんだか」 「……」 「……」 「……」 美影「…ん、あいつらはいつかの」 「……あれ」 「ん?」 「あら、あそこにいるのは私達の司令官様じゃない」 「くだらないことを言うな」 美影「(ん、こっちに来た)」
2016-05-20 20:48:2219 「こんばんは、司令官」 「……」 「ふん」 美影「(蒼龍はああ言っていたがやっぱり見た事のない顔だ。鎮守府の艦娘は全て把握しているはず……)」 「なんだ?部下に挨拶も出来ないのか?」 美影「部下?…いや、すまない。こんばんは」
2016-05-20 20:49:2120 「先程出撃してきたのだけど、流石は司令官よね。戦いのたびに私達の戦いがいかに偶発的なものなのかわかるわ」 美影「そ、そうか」 「はっ、こんなやつを褒めるんじゃねえよ。こいつのせいで私達がどれだけ辛酸舐めさせられたと思ってるんだ?」 美影「…なに?」
2016-05-20 20:50:3221 「今は邪魔者も居ないし、いい機会だ。おい、よく聞けよ……!」 美影「くっ……いきなり何を!!」 「うるせぇ…こちとらテメェのせいで大損害を被ってんだ。それ以上の見返りがなきゃ、楽には死なせねーぞ」 「つまり、もっと頑張ってねっていう熱いエールです」
2016-05-20 20:51:3422 「んなわけないだろ!なんでアンタは笑ってられるんだ!」 「あら、私だって思うところはあるけれど、この人ちゃんと戦果をあげてるもの。だから今は彼を守ってる。貴女もそうでしょう?」 「……いいか、腕は認めてやる。だがこれじゃあ足りない。犠牲になった仲間も報われない」
2016-05-20 20:52:4623 「だからまずはこの状況を立て直して見せろ……いいな」 「熱いエール……」 「違う!」 美影「……待て。俺はお前達を知らない。お前達は何者だ?」 「あらら、何者かですって。私達はずーっと貴方のことを思っていたのに」 「…ほんとムカつくぜお前」
2016-05-20 20:54:1024 「知りたきゃいつも傍にくっついてる奴に聞きな。えーと、ほら……あいつだ」 「蒼龍…」 「そう、お前はそう呼んでたな。そいつに聞け」 「期待……してるからね?」 ーーーーーーーーーーーー 美影「……なんだったんだあいつらは。」 「……」 美影「うわ!?まだ居たのか!?」
2016-05-20 20:55:2225 「贈り物……」 美影「……?」 「気に入ってくれたみたいね。良かったわ……また、持ってくるから……」 美影「あ、あぁ……」 美影「なんなんだ……一体……」 ーーーーーーーーーーーー
2016-05-20 20:56:20