アプローチシリーズ　第二章イーアプローチ

あみ @ami_qitt25

1 『愛真、、行かんといて...』 彼の声が何処かで聞こえる ｢ごめんなさい｣ あたしは泣きながら謝ってる ごめんなさい、、貴方を1人にして ごめんなさい、、逃げ出して ごめんなさい... 目を醒ますと誰もいない1人の部屋 #イーアプローチ

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2 少し膨らみ始めたお腹を擦りながら ｢ごめんね、、 貴方からパパを捕っちゃったね、、 でも、、これで良かったのよ｣ あの人があたしを本当に愛してくれたのも あの人の野心も...解っていた、、 #イーアプローチ

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3 これは、現実だから... あの人がそれを望むなら、、 あたしは静かに居なくなりましょう あの人の幸せがあたしの幸せだから... #イーアプローチ pic.twitter.com/Vewk0LBldJ

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4 〔パパァー、、ただいま！〕 《お帰り、、幼稚園楽しかった？》 パフっと抱き着いた小さな塊の頭を くしゃくしゃにしながら亮が満面の笑みで、、 〔楽しかった！あのね、、〕 クイクイと手招きして耳を貸せと催促され しゃがんで小さな口元に耳を付ける #イーアプローチ

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5 〔ママには内緒やで、、分かった？〕 「え？ママがなぁに？」 〔内緒だもんね〕 《内緒、内緒》 顔を見合わせて口元に指を当てて... そんな小さな仕草の1つさえも亮に似ていて #イーアプローチ

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6 《あいつ、やっと寝たわ、 明日休みやから公園に行くんやって》 「そうなんだ、弁当作らなきゃ...」 《ああ、お弁当作ってくれれば俺 連れてくし...たまに、買い物とか行って来たらええやん、映画でも、 好きな事して来てええよ... あ、浮気はあかんよ》 #イーアプローチ

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7 そう言ってあたしの背後から優しく 抱き締めて...首筋に唇を落とす、、 「亮、、ダメ...まだ洗い物、、んっ、、」 《やって、最近疲れたって、、 構ってくれへんやんか... それとも体調悪いん？ もし、そうなら大きな病院で見て もらわなあかんよ、 #イーアプローチ

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8 俺が出来るなんて限られてるんやから、、 やっぱり設備の整った大学病院に行った方がええんちゃうの？》 ｢大丈夫、、疲れやすいだけだし、、 亮がちゃんと見てくれてるから、、｣ 《ほんま？大丈夫なん？》 #イーアプローチ

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9 ｢うん、、大きい病院は...｣ 《うん？行きたく無いん？》 ｢ん、なんだか、怖い...｣ 《アホやな、子供みたいな事言うて、、 病院なんてみんな同じやんか、、 まして、ちゃんと経過は見とかなぁ、、》 ｢でも、亮が見てるし...｣ #イーアプローチ

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10 《そりゃ、、そうやけど... なあ、ほんまに1度行かへん？ ちゃんと見て貰えば安心やろ？ それに、みんなで行けばええやん、、 ちび喜ぶで、、》 ｢だけど、、｣ 《だけど？》 彼に会ったら... 《考えといて、、で、、》 #イーアプローチ

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11 ｢で？、、｣ ウエストを抱き締めてた手が弄りながら 上に登り... 《あかん？...》 「だって...」 《ん？、、、》 次の言葉を飲み込む、、だって、亮... #イーアプローチ pic.twitter.com/nNzR8utmzL

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12 《え？、、愛真？》 声を掛けられたのは実家のある小さな街で唯一の大きな病院... 会計待ちをして居た時、懐かしい声で顔を上げると 「え？亮...？」 《やっぱりやん、久しぶりやな... え？病気なんか？》 隣に座ると心配そうに覗き込む、、 #イーアプローチ

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13 彼は幼なじみの亮 「亮こそ、なんで？」 《俺、こっちで研修医やってるん、 大学病院はさぁ、派閥とか出世とか... 面倒やからさ、俺は家があるしな》 彼の家は何代も続く町医者...お金なんかより患者さんの事を大切にする、 きっと彼とは正反対... #イーアプローチ

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14 《話、逸らしたやろ？》 昔のままのはにかんだ笑顔で 「ん？、、流石、亮だね」 《そりゃそうや... 小学校から高校まで一緒に居ったんやから》 「そうだね、、」 《で？何処が悪いん？ なんで俺んとここうへんかったん？》 #イーアプローチ

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15 「ん...、、亮の家の専門外だから、、」 《はあ？ 俺の家の専門外...、、妊娠か？》 「ふふっ、、鋭い、、」 《まだ、早いん？何ヶ月？旦那さんは？》 【睦月さん、睦月愛真さん？】 「あ、呼ばれた...亮またね」 #イーアプローチ

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16 会計を払って、帰ろうと振り返ると 機嫌の悪そうな亮がまだそこに座って居て 手を振って、、歩き出そうとしたあたしの腕を掴んで歩き出した 外に出ると 裏の駐車場に向かって、、 1台の車の前に立ち止まると #イーアプローチ

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17 《乗って、、》 助手席のドアを開けて こうなった時の亮は絶対引かないのは 解ってるから... 黙って、助手席に乗り込む 《シートベルトしてな、、》 言われるままシートベルトをして、、 それを確認したら車をゆっくり走らせた #イーアプローチ

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18 病院から離れて、少し走った場所は 高校卒業して2人共あの街に旅立つ前に来た薔薇園 「懐かしい...変わって無いね」 《まだ、閉まらへんやろ...中入る？》 「うん、バラのソフトってまだ有るかなぁ」 《あるんちゃうん 相変わらず変なん好きやな》 #イーアプローチ

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19 薔薇園の中のレストハウスはもう片付けを始めてて... 《待ってて、、》 亮が慌てて会計の所で... 直ぐに片手にソフトクリームを持って 《お待たせ、、 これやろ？普通の方が旨いやんか...》 #イーアプローチ

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20 あたしに手渡して、、 1口食べたら...あの日を思い出した、、 あの日、亮と2人で薔薇園の温室の中を周りながら将来の話をした... あたしは亮の気持ちをなんと無く知りながら この街を離れる事にワクワクして居た #イーアプローチ

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21 《なあ、、なんか有ったらちゃんと連絡してや、、俺は何が合ってもお前の味方やから》 「ありがとう...亮、、あ、 ねぇ...ソフトクリーム食べたい！」 《はあ？、、ったく、、 話逸らして...どっち？》 「薔薇の、、」 《うえっ、、》 #イーアプローチ

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22 そう言いながらちゃんと買って来てくれるのが亮だったりする 1口ほお張り、、 「亮食べる？」 横に並んで歩いてる亮にソフトを差し出すとあたしの唇をペロッと舐めて 《やっぱ、不味いわ、、》 あたしは手に持ってたソフトを落としてしまった... #イーアプローチ

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23 幼かったあの日、、 もうあの日には戻る事は無い... 《苗字変わってないやん、、》 「ん、、結婚して無いもん」 《なんで？捨てられたん？...あ、、》 「良いよ...別に、、捨てられたのかなぁ、、ちゃんと別れて来たつもりだったんだけど」 #イーアプローチ

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24 《別れた後に、、分かったん？》 「ん、そんな感じ...」 《そっか、、相手に言わへんの？》 「うん、彼...結婚するの、、だから...」 《お前、、それでええの？ 父親の居らへん子になるんやろ？》 「うん、この子には可哀想だけどね」 #イーアプローチ

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25 深く考えて込んでる亮の横顔が夕日に 照らされて... 「亮、、もう閉まるみたいだよ」 《あ、うん...送るわ、、実家なん？》 「あ、近くにアパート借りたんだ、、 実家だと迷惑掛けるから... まだ、目立たないから良いけど、、」 #イーアプローチ