大海戦まとめ

左崎ユーリのTRPG垢 @skk_Albizia

「すいませんっ！ちゃんと話すから殺さないでぇ！」 「ではなぜ口ごもったのです」 顔を真っ赤にして俯く女の耳を掠めて、再度ナイフが突き刺さる 「あああ…もう！つまり、既成事実を作っちまえばこっちのもんだとおもったんだよ！」 自棄になって叫ぶ女。 #船酔い君主

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「既成事実？それはどういった種類のでしょうか」 首をかしげるトリシューラ。悲しきかな、お屋敷育ちの殺戮機械は色事も俗語も無知なのである。 「まだ説明しなきゃいけないのかよ…つまりさ、アンタとの間にガキ作って脅せば金が入ってくるかなって」 #船酔い君主

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歯に衣着せぬ物言いにさしものトリシューラもやっと目的を察したようだった。女の言葉に顔を覆い、へたりこむ。よく見れば耳が赤い。 「あー…ごめんな？」 お坊ちゃんには刺激が強すぎたかと謝罪する女の肩をつかみ、がばりと顔を挙げる #船酔い君主

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「この船は兄上から賜った神聖なものです。娼婦を乗せるわけにはいきません」 女の腕を掴みつかつかと舳先へと歩いて行く。途中、女の胸元から宝石が一つこぼれ落ちた。 「これは…失礼ながらそのような高価なものが釣り合うようには見えませんが」 #船酔い君主

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「あ、それ、うちの地方に伝わるお守りなんだ。それあげるからさ、海に落とすのだけは勘弁してよー」 よく見ればその石には混沌の力が渦巻いており、何らかの効力が本当にあることが確認できる 「…女性を海に投げ捨てるのは確かにあまり紳士的ではありません」 #船酔い君主

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接岸用の小舟の一つに女を投げ込み、海へと下す 「小舟くらいは貸しましょう。これは温情です」 波に揺れて遠ざかっていく賞金稼ぎの恨み節を無視して、執務へと戻っていくのだった。 #船酔い君主

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「坊ちゃーんどうやら開戦らしいですよー」 間延びした声がマストから聞こえる。陣形を組み膠着状態を見守ること数刻、やっと船団が動き出した。 「突貫しますー？今なら敵も密集してますし虐殺し放題ですよー？」 #船酔い君主

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対するトリシューラの声は硬い。 「馬鹿を言わないでください。この戦闘規模です。功を急いて無暗に飛び込めば集中砲火を浴びます。しばらくは防衛に徹しましょう」 #船酔い君主

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【21日目】 HP:7 SP:132 調査点:3 戦功:91 疲労度:10 物資：0 オプション：邪紋使いの元暗殺者・身代わりの魔石・絆の証 #船酔い君主 絆の証取得。物資をHPに補填。確定版です

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トリシューラ@条約は誰かを激励する。次の診断までに支援した人物のSPを一回だけ+1 #戦火の荒波 shindanmaker.com/602534

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大きな激突のあと、数時間ほど膠着状態が続いている。トリシューラはこれ幸いとばかりに偵察用の小舟をいくつか残し、一度港へと戻った。これが最後の補給だろう。 #船酔い君主

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正直なところ、不安がないわけではない。戦闘の規模を考えれば少なからず痛手を負うことは間違いないだろうから。それでも、突撃をやめるつもりは無かった。武を示し名を轟かせるため、功を挙げるには誰よりも多くの敵を屠る必要がある。 #船酔い君主

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「なに難しい顔してるんですか？」 陣形を睨んでいた額を小突かれる。視線を上げれば食材を買い込んだミハエルが立っていた。 「考えすぎは良くないですよ。まあなるようになりますって」 林檎を一つ投げ渡し、ミハエルが笑いかける。 #船酔い君主

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「そんなに食料を買い込んでどうするつもりですか。これから戦場に赴くというのに」 「これから戦場に行くからですよ。疲れて帰ってきてから買い物とかしたくないじゃないですか」 帰ってきてから、その言葉にはっとする。今後のことを何も考えていないではないか #船酔い君主

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「しっかりしてくださいよ坊ちゃん。目的は戦場じゃなく物資の運搬でしょうが」 坊ちゃんは自分で思ってる以上に案外単純で無器用なんですよ 続けられた言葉に 不満を言う前に口に林檎が押し込まれた。 「そろそろ出航しますよ。腹ごしらえはしっかりしとかないとダメです」 #船酔い君主

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そして、舞台は海上へと駒を進めた。荒れ狂う大波が、海魔が、船団を飲み込んでゆく。 「怯むことはありません、このまま突撃します」 島を目指して全速力で進む。下手に動きを止めれば格好の的になるだろう。 #船酔い君主

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行く手を遮り咆哮する海魔を光刃が貫く。しかし、最後の悪あがきとばかりに降り下ろされた海魔の触手がマストを凪ぎ払い、船体を叩き折る。……この船は、沈むのだ。そう、誰もが確信した。その瞬間、ばきりと大きな音をたてて宝石が砕け散り、不可視の壁が周囲に広がる。 #船酔い君主

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「アーティファクトだ」 誰からともなくそんな声が上がった。賞金稼ぎの女から貰った宝石がその効果を発揮したのだろう。 「この機を逃すわけにはいきません。全速前進！」 時の流れから取り残されたように凪いだ船上に指示が響き渡る。見れば島はもう目前に迫っていた。 #船酔い君主