アデルアゼル迷子道中

片道勇者オンラインのログまとめ
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ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL 【46日目】アデルアゼル 北大陸/獣人/海賊 ・四人からの支援を得た! ・闇の竜を撃破?した! LP:24(-40) DK:11 伝説P:17 《伝説の武具+1》

2016-08-03 00:34:32
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL アデルアゼルは気付かなかった。そう叫んだとき、既に爆薬も、集めておいた投石用の石も、尽きていたということに。アデルアゼルが尻尾を巻いて逃げ出すのは、それに気付いてからの事となる。

2016-08-03 00:32:29
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@owh_TL 自分は勇者の器ではないし、竜を倒せるとは思わない。ただ面白い話の種に竜と戦ってみただけだ。逃げるだけの旅だったと恋人に言いたくないだけだ。誰が言ったか片道勇者、闇から逃げ続けるだけの旅路では、流石に締まらない。「そういう訳で、もうちょっと付き合えよ!」→

2016-08-03 00:30:59
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@owh_TL 「うおっ」耳長の狩人に目を奪われていたアデルアゼルの前にまた竜の爪が振るわれる。腕を掠めた爪に石をぶつけて、アデルアゼルは小さく鼠の声で鳴くと、口の端を吊り上げた。「慌てんなって。もうちょっと目立ったら、俺は帰るからさ」→

2016-08-03 00:27:23
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@owh_TL またアデルアゼルは、高台から弓を引き絞る耳長の狩人を見かけた。ただの狩人なら目を留めなかっただろう。彼女は遠目にもひどく目立っていた。何せ大きい。胸も身長も、周囲の勇者達とは一線を画している。「でけー……」そんな声が漏れたのも、無理からぬ事だった。→

2016-08-03 00:24:05
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@owh_TL ゆっくりと飲んでいられる場合でもない。口に布を詰め火を付けて投げれば、酒は油に負けず劣らずよく燃えたので、アデルアゼルは今や遠く竜の腕から肩に駆け上った猫に向かって礼を言った。聞こえているかは解らないが、戦場ならそんなものだろう。→

2016-08-03 00:20:16
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@owh_TL 半獣人の娘が、猫の獣人が、竜に攻撃を加えている。勇者候補は大勢いたのだったかと、アデルアゼルが思い出す間に、目の前によく知っている猫人が躍り出た。ドラゴンに蹴りを入れに行ってくると言い残し、通り抜け様に蒸留酒を手渡される。銘柄を見れば良い酒だと解ったが、→

2016-08-03 00:18:00
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@owh_TL 竜の吐く息も爪も、当たれば痛いが、致命傷を避けられない速度でもない。引いては前に出て、攻撃を加えては引く。それを繰り返す内、周囲にも人の姿があることにアデルアゼルは気付いた。→

2016-08-03 00:13:12
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@owh_TL アデルアゼルが投げた剣は、竜の爪を剥がしたらしい。あれは痛いよなぁ、と同情しかけたアデルアゼルの目の前を、無事な方の竜の手が抉る。同情している場合でもないらしい。アデルアゼルは使い慣れた投石器を取り出すと、予め仕入れてきた爆薬をひたすらに投げた。→

2016-08-03 00:11:10
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@owh_TL ごうと音を立て、突風がアデルアゼルの背を叩く。突き飛ばされるようにして地面を転がり振り向いたアデルアゼルが見たのは、巨大な竜の姿だった。前足の爪すら、アデルアゼルの身長より大きい。そして、その爪の一本に、まるで爪楊枝のように刺さった剣をアデルアゼルは見た。→

2016-08-03 00:08:26
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@owh_TL すっぽりと手から剣の柄が抜けた。真っ直ぐ正面に振るう筈だった剣は斜めを向いてくるくると回転しながら飛び、そして闇の中へ吸い込まれていった。やべ、と口に出して身を翻したアデルアゼルは、直後、大地を震わせるほどの音に耳を伏せた。→

2016-08-03 00:06:03
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@owh_TL あと少し。あと十歩の距離、あと五歩。あと……。近づくに従って闇はアデルアゼルの視界を埋めて、もう目には闇しか見えない。黒々とした闇が自分を飲み込もうとしているように見えて、アデルは力の限りに剣を振るった。が。「あ」→

2016-08-03 00:03:14
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@owh_TL まだ距離はあるが、土や小石が地面ごと飲み込まれていく様はよく見える。距離をはかり間違えば自分もそれらと同じ運命を辿ると思えば気も急くが、アデルアゼルはじっと待った。剣を振り抜いてしまえば、再度振るまで隙ができる。その間に闇に飲まれてしまえば笑い話にもならない。→

2016-08-03 00:00:12
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL アデルアゼルが手にした神器は一振りの剣だった。闇の纏う霧を払い、闇そのものをも討ち滅ぼす力を持った武器なのだと聞く。剣は重いが、なんとか振り回すことはできそうだ。剣を構え、じわりじわりと近付いてくる闇を、アデルアゼルは待った。→

2016-08-02 23:56:20
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL【最終決戦/戦闘★】君が闇に向かって《最終決戦の神器》を振るうと黒い霧が晴れ、山のごとき巨大な黒竜が現れた。最終決戦だ!LP-60して生き残ることができれば勝利でき、世界は救われる!誰かの支援を得られれば1人あたりLP減少を5軽減(最大5人分 #片道勇者ONLINE

2016-08-02 00:02:11
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@owh_TL 【46日目】アデルアゼル 北大陸/獣人/海賊 ・《最終決戦の神器》を購入! LP:64(+8) DK:11(-2) 伝説P:17(+2)(-30) 《伝説の武具+1》《最終決戦の神器》

2016-08-01 23:54:24
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL 「俺の晴れ舞台だってのになんだよこのBGM。蹴らなきゃ良かった……」

2016-08-01 23:52:09
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@owh_TL 生きてたらまた会おうぜと老人に言って路地を出る。その前に老人を強めに蹴ったのは、アデルアゼルなりの餞別のつもりだった。気持ち悪く悶える声を後ろに、アデルアゼルは思う。→

2016-08-01 23:51:05
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL 「行くのか?」残った金を、新しい武器に換えた。闇にさえ傷を負わせるという神器はひどく高価で、残った金もほとんどなくなってしまった。どうせ金は天下を回っているのだ。手柄を立てれば王から褒美くらいは出るはずだし、それに、恋人への土産話を買うと思えば悪くない。→

2016-08-01 23:48:41
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL 確かにそうするつもりだったのに、アデルアゼルは今、珍しくも考えていた。闇が止まらないから、落ち着いて故郷への道を探せないのだと。猫の獣人があの闇に挑んで目を潰したのを、アデルアゼルは確かに見た。あの闇とは戦えるし、倒せるのだ。→

2016-08-01 23:46:11
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL ただ、悪い旅ではなかった。稼いだ金の半分は怪我の治療代に化けてしまったが、まだたっぷり残っている。アデルアゼルは、この金を持って故郷に戻るつもりだった。闇に挑むつもりも、己の身を危険に晒すつもりもなかったはずだった。→

2016-08-01 23:43:14
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL 老人はまた詮索好きでもあった。生傷の増えたアデルアゼルを見てあれこれと聞きたがったし、どんな道のりを辿ってきたかも尋ねてきた。しかしアデルアゼルにはそれもよく思い出せない。過去など振り返るだけ面倒だ。後ろを振り返ったところで目に入るのは、あの黒々とした闇ばかり。→

2016-08-01 23:40:36
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL そっちこそと軽口を返し、アデルアゼルは老人の肩を軽く小突いた。見知った顔に出会えばいつもしている挨拶だが、老人が恍惚とし出したのを見たアデルアゼルはそそくさと手を引っ込めた。そうだ、この老人は変態なのだ。→

2016-08-01 23:37:40
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL 理由はどうあれアデルアゼルの頭の出来が悪いのは事実で、街で声をかけてきた老人の素性を思い出すのに、アデルアゼルはたっぷり十秒は悩まなくてはならなかった。確かこの老人は、旅を始めた頃に出会った難民だ。「がめつい鼠。お前、生きとったのか」→

2016-08-01 23:36:18
ウィンターフユキウルトラ @fyuki_28g

@owh_TL アデルアゼルは頭が悪い。鼠だから脳が小さいのだと笑う人間もいたが、獣人であるアデルアゼルの脳はそんなに小さくないはずである。なら、きっと軽いのだろう。頭の重さを計ったことはないが、常人より数十グラムほど軽いのかもしれない。→

2016-08-01 23:33:59
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