【wlw二次創作SS】アリスの戦う理由

それはワンダーランドにジャバウォックが攻めてくる前日の事…。アリスとマッドハッターの話を盗み聞きしていたアシェンプテルbot
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童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

さて、明日からまた新たなヴィランだな。今度の敵はバンダースナッチ…じゃなかった。ジャバウォックだな。まさか実在したとは。いや、生み出された可能性もあるか。ともかく今から準備を…。 ん?あれはマッドハッターか?何をソワソワしているのだ…?

2016-06-19 21:58:58
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「…いよいよ明日かあ。絶対負けられない」 「アリス、いるか?」 「ん?あ、ハッタ。こんばんは。いよいよ明日ジャバウォックと戦うよ」 「そ、そうだね…アリス」 「明日に備えてご飯もたくさん食べたし、しっかり寝ないと」 「な、なあアリス」 「で、何の用?あ、私の応援に来てくれたの?」

2016-06-19 22:03:09
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「ア…!アリス!そのだね…!来てくれ!」 「えっ?ちょ、ちょっと!どこに行くのさ!?」 「不思議の国に戻る!」 「な、何でさ!?明日が本番だよ!?あのジャバウォックと戦うんだよ!?」 「だからだ!」 「…それって、どういう意味?」 「…。」 「…逃げるって事?」 「………そうだ」

2016-06-19 22:05:21
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「な、何言ってるのハッタ。って言うか、元はと言えば戦えって私に命令してきたのは貴方達じゃない」 「…。」 「時計ウサギに呼ばれて穴の中に落ちたと思ったらいきなり私にマジカル☆ステッキを渡して戦えって言ったのはハッタ達でしょ?」 「…本当にすまない。あれはもういい。取り消しだ」

2016-06-19 22:10:08
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「何だか変だよハッタ!いや、いつも変なんだけど…今日は真面目過ぎて変って言うか…」 「ジャバウォックが来るってのにふざけてられるか!!」 「!? …は、ハッタ?」 「さあ、逃げよう…!」 「敵前逃亡は重罪だよ…?ハートの女王様に首を刎ねられるよ?」 「お前はシャドウ・アリス…!」

2016-06-19 22:11:39
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「なんてね。冗談だよ。…尤もそっちは冗談じゃ済まなさそうな事をしてるみたいだけど。大方、全てを託した兵士に今更愛着が湧いてきたってところ?」 「何とでも言うがいい…。マメールに報告するなら勝手にしたまえ…!」 「おっとやる気?脇役(ソウル)が主役様(キャスト)に勝てると思うの?」

2016-06-19 22:14:19
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「ジャバウォックと戦うよりはマシだ…!」 「ふーん…。やってもいいんだけどさ、その前にアリスとは話したの?」 「アリスと…?」 「逃げる前にアリスの意志も尊重しないと」 「ア…アリス、君は…」 「聞いてハッタ。私は逃げないよ。逃げるならハッタだけ逃げて。私はジャバウォックと戦う」

2016-06-19 22:16:40
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「き、君はあの化物の事を知らないからそんな事が言えるのだよ!」 「ハッタ…」 「夕火の刻、粘滑なるトーヴ。遥場にありて回儀い錐穿つ。ジャバウォックに気をつけろ。噛み付く顎に掴む爪。瞳に炎をゆらゆらと揺らし、タルジイの森より這い出て襲い来る!この恐ろしさが君に分かるか!?」

2016-06-19 22:19:41
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「……う、うん。分かる。それは…やばいね!」 「アリス、分からないなら言いなよ」 「今の話の流れ的に分からないなんて言えないよ!?も〜締まらないなあ!…でも、ハッタの態度を見れば恐ろしい化物だってのは私にも分かる」 「アリス、じゃあ…」 「だからこそ、私が戦わないといけない」

2016-06-19 22:23:57
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「アリス…!?何故だ!?もう戦わなくていいのだよ!君は何が理由でそこまでするんだ!?」 「不思議の国に住む皆を守る為だよ!ここで逃げたら、私の友達の国がメチャクチャにされるから!」 「と、友達…?」 「言わなくても分かるでしょ。ヘイヤと…貴方の事だよ。ハッタ」

2016-06-19 22:26:23
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「最初はメチャクチャで、理不尽で、訳が分かんなくてイライラしたけど、それでも今では大切な友達だから…!だから私は戦うの。大切な友達と、大好きな不思議の国の為に」 「アリス…」 「貴方がアリスを想う気持ちも分かるけどさ、この子もちゃんと子供なりに強い気持ちを持って戦ってるんだよ」

2016-06-19 22:28:09
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「む。自分だって子供のくせに…!でも、ありがとねシャリス」 「別にぃ?ジャバウォックを倒すのに戦力が減ると私が困るってだけ。私もダムやディーや、あとバンダースナッチを守らないと」 「シャリスも友達の為?」 「私の国の下々の民の為よ」 「む。偉そうに。まるで女王様みたいな口振りね」

2016-06-19 22:30:54
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「まあ問題は解決したし私は行くね。じゃ、明日に備えてゆっくりおやすみ?じゃ、また明日ね」 【スキルーおにさんこちら】 「消えちゃった…」 「高速移動だ。まるでバンダースナッチのような素早さだ…」 「…ねえ、ハッタは逃げてもいいんだよ?私が謝れば多分マメールさんも許してくれるから」

2016-06-19 22:33:10
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「いや、私も逃げないよ。…私も友達を見捨てて逃げる事はできないからね」 「えへへ、ありがとハッタ。よし、私はマジカル☆ステッキ素振りしてくる!」 「…そういやアリス、さっきも言ってたがそれは『ヴォーパル・ステッキ』だ。ジャバウォックを倒せると云われる伝説の武器。マジカルじゃない」

2016-06-19 22:34:38
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「だって『ヴォーパル』なんて言葉聞いた事ないもん。よく分かんないしマジカルにしたの」 「『ル』しか合ってないじゃないか。まったく不思議の国に伝わる伝説の武器を扱える少女が現れたと思ったらこんな子供なのだから私が苦労する…」 「な、何さ!やっぱりハッタって私のやる事に文句ばっか!」

2016-06-19 22:36:23
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

一時はどうなる事かと心配して見ていたが、何事も無かったようだな。良かった。しかしアリスも子供なりにちゃんと戦う理由があったのだな。友達の為…か。あの子ならきっとジャバウォックも倒せるだろう。 さて、私も寝よう。明日は私も…小さな友達の為に頑張らないといけないからな。

2016-06-19 22:38:07