Orphe兄貴のマイアミ鎮守府　2014年10月

orphe @orphechin

「それと、諸費用は全てお前の給料から差し引く。中間搾取はしねえからそこは安心しろ。お前が面倒を見きれない場合、阿賀野は利根に引き渡す。この哀れなアホをモルモットにされたくなければしっかりさっきの手順を弁えろ。いいな？」俺の言葉に天龍は力強く頷く。「俺はやるぜ」 #マイアミ鎮守府

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「いいだろう、ほらアホ、飼い主のとこに行きな」俺は手を放すと、阿賀野は天龍に抱きつき押し倒し二人ともども地面に埋まった。「天龍ちゃん、大丈夫～？」「俺はやるぜーーーー！！！」「アガー！」龍田とバカ、そしてそのバカに飼われたアホを背に、俺は自分の部屋に戻った。 #マイアミ鎮守府

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鳳翔とクソ主任からかっぱらった研究データの解析の一部が終了した。利根によれば、このデータを元に航空戦艦の更なる改装が可能になったという。「瑞雲の代わりに鉄球を飛ばせるぞい」19世紀に逆戻りする気か。利根は一瞬劇画調の顔つきになり、「冗談じゃ」と言った。 #マイアミ鎮守府

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しかし魔改造に魔改造を重ねた業の深い連中を、さらに改装するとはな。大丈夫なのか？「伊勢型はともかく、扶桑型の艤装はいいかげんスパゲティコードみたいな有り様じゃからな。根底からパーツをとっかえてやればいいじゃろ」艤装まるごと入れ替えか。 #マイアミ鎮守府

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「まるごとリニューアル、スタイリッシュ扶桑姉妹の誕生じゃ。それはあたかもプログレからシューゲイザーへの転向のごとしじゃ」転向するにしても大胆すぎるだろそれ。「そして奴らが改２を迎えた時、その時こそ真のヒップホップが始まるのじゃ」わけわかんねえよ。#マイアミ鎮守府

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「パンクからブラックミュージック志向になった向井秀徳という例もあるんじゃ。ともあれ、これで連中も伊勢型との差別化が図れるぞい」それは良いことだ。だがまるごと取っ替えとなると、当人たちへの負担はかなりのものでは？「当然素体の強度を高めておく必要があるぞい」 #マイアミ鎮守府

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「まず第一に、連中の背中に埋め込まれてる艤装を全部ひっぺがすぞい。ただこのままでは新型艤装を移植した際拒絶反応が出る。そこで、艤装切除後は、免疫抑制剤と新型艤装に適応させるための薬剤を交互に投与するのじゃ。これで扶桑姉妹の身体内部における受け入れ体制を整える」 #マイアミ鎮守府

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「ややっこしいな」「それだけではまだ終わらん。新型艤装を支えられるだけの骨格を作らねばならんからな。ここで鳳翔グループの人工骨製法が役立つ。骨も総入れ替えするぞい」「うへえ」「それが終われば後は身体の各部位にメスを入れ、艤装移植というわけじゃ」 #マイアミ鎮守府

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利根は目を輝かせながら人工骨のラフスケッチを見せてくる。「頭部まで替えるのか」「当然じゃ。安心せい、骨のシルエット自体は現行のものにかなり似せてある。多少顔つきは変わるがあまり違和感はないと思うぞい」だといいがな。 #マイアミ鎮守府

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さて扶桑はLV99、山城は95だ。この状態なら耐えきれるとも思うが…「山城の方はもうちょっと強化したほうがいいと思うぞい。世の中にはダイジョーブと言いながらだいたい失敗に終わる博士が存在する傾向にあるぞい」お前がそれじゃ困るんだがな。まあいい、鍛えさせよう。 #マイアミ鎮守府

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「เวลาของการทรมาน！」長良のネリチャギが「つらみにつき立ち入り無用」と張り紙のされた山城の部屋のドアを粉砕する。続けて球磨や妙高が突入し、手際よくセンズリ中の本人を拘束。これで後は東京急行へのデスエクスプレスを準備するだけだ。 #マイアミ鎮守府

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「はだら"ぎだぐな"い"に"ゃ"あ"あ"あ"あ"」「หุบปาก！」暴れる山城の頭を肘打ちする長良。だが山城は黙らない。腐り果ててもLV95の戦艦である。タフだ。「私はもう十分強いにゃあああ！！レベリングなら他の艦娘でやるにゃああ！！」 #マイアミ鎮守府

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「การขอความช่วยเหลือ มันไม่สามารถทำอะไรที่จะให้ฉัน」長良が困惑した表情で俺に訴える。何言ってるがわからんが手がつけられんってことだろう。俺は山城に近づく。「お前のような産廃が素直に社会復帰するとは俺も思ってない」 #マイアミ鎮守府

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「せやろ」コミュ障特有の三文字返答。翻訳すると「どうでもいいからほっといてくれ」の意味だ。俺は山城の言葉に深く頷き、指を鳴らす。「だがこれはどうだ？」俺の後ろから軽やかに扶桑が登場する。その手には見事なストラトキャスターのギターが握られている。 #マイアミ鎮守府

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「姉様！そのギターはどういうことですか！私という楽器がありながら！」扶桑はそれに答えず、悲しげな顔でパープルヘイズの一節をかき鳴らす。「お前が自身を磨くことを怠った事に、お前の姉は大層悲しんでいる。もはやお前をギターにライブをすることはないそうだ」 #マイアミ鎮守府

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扶桑のパープルヘイズはやがてAll along the watchtowerへと変わる。扶桑の悲しみがギターから切々と伝わってくる。「どうする？お前はこのまま、このストラトキャスターに妹（楽器）の座を譲るのか？それとも性根を入れ替え、99への道を目指すか？」 #マイアミ鎮守府

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「目指します！目指しますったら！」俺に三跪九叩頭する山城。「姉様に見捨てられたら私もうパラサイトできない！」性根の腐りっぷりは相変わらずだな、おい。「姉様、見捨てないで！」扶桑は一瞬顔を綻ばせ、山城に背を向けて歌い出した。 #マイアミ鎮守府

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”遠くの果てから聞こえるは、怒れる野良猫のうなり声。二人の乗り手が迫り、風もうなり声をあげ始める…” 去っていく扶桑。それを涙目で見つめる山城の視界を、赤城と加賀が遮る。「しっかり鍛えてくれ」「了解」空母二体が、山城の両腕をそれぞれ掴む。 東京急行の始まりだ。 #マイアミ鎮守府

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--さて横須賀の連中が大和型ファックや死にたいムーブの真っ最中でわいわいやってる頃、陽炎たちのいる香港では… #マイアミ鎮守府

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「…今度の案件は香港のエネルギー会社の南方進出のサポート。プロジェクトの資金調達と経営指導はシンガポールの陽炎の会社。彼らには自慢の特許技術を使い、周囲より効率的な資源採掘に勤しんでもらう。そして、彼らはその見返りとしてうちの鎮守府に格安で資源を売る」 #マイアミ鎮守府

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「しかしよく見つけたわね、従来の2倍の効率で石油を掘り出す技術を持った企業なんて」「たまたまです」陽炎の指摘に、初霜は首を横に振って否定する。陽炎は身を乗り出す。「いいえ、鎮守府にいた頃も目はよかった。不知火のサポートで何度か株の損失、救ったでしょ」 #マイアミ鎮守府

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「誰でもできる判断です」初霜は静かに微笑む。「常識的に判断して、明らかにおかしなお金の動きをしている会社がポートフォリオの中にあった。だからそういうのからは手を引かせて、もっとまともな選択肢を彼女に提案した。お金を扱うような人なら誰でも考える事です」 #マイアミ鎮守府

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「でもバブルの真っ最中に売り抜けたじゃない。あの会社、不知火から手を引かせた三日後に半値以下まで落ち込んで、その後上場廃止したわよね。あれで何人のアナリストが首になって、株ニートの死体で線路が埋まったと思う？…大した判断よ」 ニッ、と陽炎が笑う。 #マイアミ鎮守府

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「とにかく今度の会社選びも信用してるわ。うちの支社としても今回のプロジェクト成功で横須賀本部からの評価が…」「うぉぅあっちぃのう」お茶に指をつっこもうとした浦風が器を放す。「何やってんのこのバカ！」「ヘーイ無作法ネー」ボディーガードの金剛が台拭きをとりっ出す。#マイアミ鎮守府

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「いやあ茶柱が立ってたもんじゃから、掴み取ろうと…」「幸運の印を自分から壊そうとしてどうすんのよ！」「堪忍してつかあさい、茶柱を生で初めてみたんじゃけえ」初霜はゴロゴロと床を転がる浦風の茶碗をじっと見つめ、淡々とした口調で、「まあ、うまくいくことを祈りましょう」#マイアミ鎮守府