みあこのざっくり降新

安コと降新イイヨね!! (みあこの降新をまとめました) (主に自分用) (ありがとうみあこ) (アポロ美味しいよね)←
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三亜野 @omocha2727

話は組織崩壊十日後くらい コナンが新一に戻る直前 海外で暮らす両親と共に暮らすことになったと、かかった人たちに話をして別れの挨拶を済ませるコナン。世良やFBI……特に赤井秀一には元々気づかれていたのもあり……コナンが新一だと明かしたが、目暮警部達や蘭達には真実を明かさずにいた。→

2016-07-03 21:23:14
三亜野 @omocha2727

ほとんどの人達に挨拶を済ませて、残るは安室透…降谷零のみとなったが、彼は組織崩壊後から公安に引きこもっており、コナンには連絡する術がなかった。以前に教えてもらった連絡先は安室用のもので、おそらくもう契約を切っているのだろう。 途方に暮れていればスマホが震える。灰原からのメールだ。

2016-07-03 21:28:18
三亜野 @omocha2727

『明日には私も出るから』 メールの内容は簡潔だった。コナンと同じく灰原哀もFBIに正体を明かした。組織に加担していた身ではあったが、姉という人質を取られていたことを考慮し、今後は宮野志保としてFBIに入ることでスパイ捜査だったと誤魔化してくれると約束してくれた。

2016-07-03 21:34:31
三亜野 @omocha2727

その為、コナンが新一に戻るのも灰原が海外に飛ぶ時と決められた。スマホをポケットに戻してコナンは溜め息を一つ。この姿になってからというもの、新一の時と比べて多くの人達と関係を築いてきた。特に安室や赤井には何度も命を救われてきた。正体を明かせなくても挨拶くらいは済ませたかった。

2016-07-03 21:38:19
三亜野 @omocha2727

「仕方ないか」 寂しそうに呟いて、コナンの人生を終わらせるべく、阿笠博士の家へと戻っていった。 組織崩壊後二週間はたった。 膨大な書類整理に追われながら、元安室透こと降谷零は大きく溜め息をついた。ようやく元の仕事へと戻ってきたはいいが、こうもデスクワークが続くと目も掠れてくる。

2016-07-03 21:41:48
三亜野 @omocha2727

「降谷さん、組織に関わった人達の身元調査なんですが…やはり江戸川コナンと灰原哀の2名、戸籍なんて存在しません。そのため親族もわからなくて」 「…そうか。わかった、その二人は俺が直接当たってみる。まあ、どちらにしても小学生だから、わざわざ調査なんていらないだろうがな」

2016-07-03 21:45:57
三亜野 @omocha2727

風見から書類を受け取って、降谷は目を細めた。調査なんていらない。上や風見相手ならそう言って切り捨ててもいいかもしれないが、彼個人はそう思っていない。むしろ、江戸川コナンという存在は真っ先に調べなければいけない関係者だ。小学生だから、なんて理由で切り捨てていい人物ではない。

2016-07-03 21:49:14
三亜野 @omocha2727

公安に缶詰状態でなければすぐに問い詰めに行ったほど、江戸川コナンは最後まで組織と対立していた。それ以前に、あの組織で一目置かれているベルモットも、敵でありながらも彼を認めていたのだ。しかも、ジンにはそれを隠しつつ。 降谷は他の仕事を早めに切り上げ、早速彼のいる所へと車を飛ばした。

2016-07-03 21:53:42
三亜野 @omocha2727

「お久しぶりです、毛利さん」 「テメーは!安室じゃねーか!」 「安室さん!お久しぶりです!」 久しぶりと言ってもまだ半月だ。しかし、この二人は黒の組織に深く関わることなく終えたため、安室が突然アポロを辞めて姿を消したとしか思っていない。こんな風に声を上げられても仕方ないだろう。

2016-07-03 21:56:06
三亜野 @omocha2727

しかし、すぐに目当ての人物の声がしないことに気づき、降谷は騒ぐ小五郎の声を遮り、蘭へと問う。 「あれ、コナン君は?」 「安室さんやっぱり聞いてなかったんですね。コナン君、数日前に海外の両親の所に戻ったんですよ」 寂しそうに答えた蘭の言葉に目を見開いた。そんな馬鹿な。

2016-07-03 21:58:21
三亜野 @omocha2727

だって彼には戸籍がない。パスポートなんて作れるはずがない。 (いや、江戸川コナン自体偽名なら、本名でパスポートを作ればいいはずだ) すぐに思い直してついでに灰原のことも聞いた。しかし、彼女もまた同じように姿を消していた。 江戸川コナンと灰原哀。この二人は架空の人物だ。

2016-07-03 22:01:54
三亜野 @omocha2727

彼はそう結論付けた。しかし、そう考えたところであの二人どちらかに合わなければ真実は掴めない。 降谷は他に二人と関わった人物に話を聞いたが、これといって情報は得られなかった。 あくる日、帝丹高校近くを歩いていれば事件は起きた。ガラスが割れる音と共に角から何者かが飛び出してきた。

2016-07-03 22:06:38
三亜野 @omocha2727

一拍置いて飛び出してきた家の中から聞き覚えのある男の声で犯人が逃げたぞ!と耳に届く。自分の目の前で曲がり、遠ざかって行く犯人の姿を目に焼き付けて、彼は反射で追いかけた。 人の多い夕方。人を掻き分けて追うが、あまり距離が縮まらない。そんな時、何かが跳ねる音が耳に届いた。

2016-07-03 22:10:14
三亜野 @omocha2727

その音を、前はよく聞いていた気がした。犯人だけを追っている彼の脳裏に浮かぶのは丸い白と黒のボールだ。プロでも目が引くほど巧みにボールを操る小さな彼の姿。その彼が脳内でボールを蹴り上げたその瞬間と同時に、降谷の後ろからボールが通り過ぎた。そして、目の前の犯人の頭にクリーンヒット。

2016-07-03 22:13:51
三亜野 @omocha2727

目の前で倒れる犯人を捕まえるべく数人の警官が通り過ぎたのを認めて、降谷は振り返った。まだここに居たんだね、コナン君。そう声に出そうとしたが、視界に入ったのは全くの別人だった。帝丹高校の制服を着た少年だ。眼鏡もなければ身長…いや、そもそも年齢すらも違う。微かに緩んだ頬はすぐに戻った

2016-07-03 22:18:50
三亜野 @omocha2727

「君は…」 そう声をかければ、彼は少し目を細めて微笑んだ。 「帝丹高校にいる、探偵の工藤新一ですよ。以後、お見知り置きを。降谷零さん」 それが、二人の再会だった。

2016-07-03 22:22:16
三亜野 @omocha2727

工藤新一…彼の噂は何度か耳にしたことがった。以前、赤井秀一の変装だと思っていた沖矢昴が借りていた家の一人息子であり、数か月前まで大々的に活躍していた高校生探偵だ。確か蘭とは幼馴染だと思い出し、自分のことは彼女から聞いたのだろうか…一瞬そう思った。だが、すぐに思い直す。

2016-07-03 22:49:51
三亜野 @omocha2727

彼は降谷零といった。自分が公安であり、本名を明かした相手は少ない。それならば、彼が自分のことを知るきっかけはおそらく探し求めている彼だ。 「君は、コナン君とはどういう関係なんだい?」 「遠い親戚ですよ」 「へえ、君の家系図は細かく調べたが、そんな名前どこにもなかったけど?」

2016-07-03 22:56:21
三亜野 @omocha2727

「そうですね…江戸川コナンは存在しません」 「彼は何処にいるんだ?」 「もう、いないんです。会えないんです」 どうして、そう問い詰めようと彼との距離を詰めた。その時、ようやく新一の顔がコナンと似ていることに気付く。遠い親切どころか、兄弟と言われても不思議はないくらいだ。

2016-07-03 23:02:26
三亜野 @omocha2727

「もう、会えないなら教えてくれないか? 一体彼は何者なんだ?」 「教えられません」 「何故だ!」 「…じゃあ賭けをしませんか? 一か月、その間に貴方が俺とコナンの関係を暴くことが出来たら、その時は全部教えてあげます」 神妙な面持ちで提示された条件に、思わず彼は静かに頷いた。

2016-07-03 23:11:05
三亜野 @omocha2727

工藤新一と賭けをしてから既に二週間がたった。公安の仕事をこなしながらも、空いた時間は彼について調べたり、蘭はもちろん帝丹高校の生徒や彼と親しいと言われる西の高校生探偵の話を聞き、他にも新一が事件に巻き込まれれば、そこに合流して観察もした。

2016-07-03 23:22:11
三亜野 @omocha2727

しかし、彼を調べれば調べるほど、見れば見るほど思うことは、コナンと行動や仕草が似ていることだ。真実を突き止めた時の顔や犯人を追い詰める時の推理ショー、自信満々なその顔、サッカーボールの操り方。何を見てもコナンを思い出しては、いない事実に寂しさを覚えた。

2016-07-03 23:30:29
三亜野 @omocha2727

残業を終えたその時、スマホが震えて手に取った。そこには賭けをしたその日に連絡先を教えた工藤新一の文字があった。 『降谷さん明日休日ですよね。どうせなら今日このまま家に来ませんか?』 明日は賭けの終わりの日だ。食事も用意してくれているという言葉に甘え、行くと返信を送る。

2016-07-03 23:51:16
三亜野 @omocha2727

その日はすごく疲れていて、出された食事と温まるお風呂を有りがたく頂き、早々に眠りについた。思った以上に深い眠りだったらしく、夢すらも見なかった。朝起きてみればまだ時間は早く、家主は起きていなかった。勝手に台所を借りて、材料もそろっていたこともあり、お得意のサンドウィッチを作った。

2016-07-04 00:01:25
三亜野 @omocha2727

それから間もなくして、新一が欠伸をしながらリビングへやってきた。 「早いですね」 「ああ、ぐっすり眠らせてもらったからね。勝手に台所借りて朝食作っておいたけど、食べるかい?」 「あ…降谷さんのサンドウィッチ! 食べてみたかったんですよ」 まるで子供のように無邪気に笑って一切れ掴む

2016-07-04 00:10:34