Age of Wonders III -Chronicle of Valmsun Runekeeper-
- manbo_khazad
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先の戦いでの反省もあり、戦いの前にそれなりに心積もりをしていたヴァルムスンはこの結果にいくらか拍子抜けしたものの、ともあれ鉱山が手に入るなら無駄に血を流すこともない。 「まあ、これも立派な勝利さ。」 こうしてロガーン・ドゥルはひとつ金鉱山を手に入れた。 #AoW3CoV
2016-07-27 02:07:28次なる目標は勢力圏の一歩外、ゴブリンに占拠された鉱山である。 「始めて戦う相手だ。ここは万全の備えで行こう。」 ヴァルムスンは先ほどの軍勢をそのまま差し向けることにした。距離的にも近く、すぐに部隊は鉱山を包囲した。 #AoW3CoV pic.twitter.com/OXTBVuF1rO
2016-07-28 01:05:09ゴブリンどもはハイエルフに比べて明らかに愚かなようだ。退く気も見せず、ワラワラと群がり、血走った目でロガーン・ドゥル軍に何か口汚く罵っている。 二度目ともなれば、ヴァルムスンも落ち着いて戦場を見渡すことができた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/zlpfkKsa6W
2016-07-28 01:12:38敵は狼乗り(ワーグライダー)、ダーツ射手(スワームダーター)、非正規兵(アンタッチャブル)だ。 「毒攻撃がやつらの特徴か。それにワーグの機動力も厄介だな…」 ヴァルムスンはかたわらの友を見た。タイロバーはうなずく。 #AoW3CoV pic.twitter.com/9o05lcWjqv
2016-07-28 01:33:28「厳かなる父よ、彼の者の決意を鈍らせ給え、我らに弓引く腕を押し留め、その足を縫い止め給え」 タイロバーはワーグ乗りを決断的に指差す。たちまち"戦士の迷い(スレイヤーズ・ダウト)"が効力を発揮し、狼の動きを鈍らせた! #AoW3CoV pic.twitter.com/0zoTgmcd3P
2016-07-28 01:41:31敵の機動力は封じた。あとは斧兵部隊で前線を押し上げつつ、後方から射撃である。 「全軍、前進!」 ヴァルムスンの号令と共に、ドワーフたちは隊列を組んでゴブリン兵に向けて進軍開始! #AoW3CoV pic.twitter.com/kByCoFKogr
2016-07-28 01:48:34斧兵の装甲は厚いが、近接戦闘を行えば無傷ではすまない。 「思ったより被害が大きいな。ここはもう一押しか… 大地よ震えよ、厄災の雨となれ!」ヴァルムスンの呪文と共に、たちまちいくつもの巨岩が敵軍の頭上から落下! #AoW3CoV pic.twitter.com/ZEPIR3VihZ
2016-07-28 01:53:38魔術兵の"妖精の火(フェアリー・ファイア)"による射撃攻撃は、思っていたほどの威力ではなかったようだ。何と言ってもまだ見習いの魔術師である。とはいえ、数が揃えばこの先充分に主戦力となる見込みは得られた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/LAA8NUz53V
2016-07-28 01:59:13斧兵隊がいくばくかの負傷、それにダーツ射手と撃ち合ったタイロバー指揮下の山師隊に戦死が出た程度で、ゴブリン軍は壊滅した。 こうしてヴァルムスンの二度目の戦いは、おおむね完勝といえる結果で終わったのであった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/vkxP084iq0
2016-07-28 02:02:42勢力圏外のため収入はないが、鉱山に蓄えられていた金塊は得られた。 「もっと戦力を整えなくちゃいけないな…」 「だが指揮は悪くなかった。うまくやったな。」 口数少ない友に珍しく褒められ、ヴァルムスンの顔はほころんだ。 #AoW3CoV pic.twitter.com/uMsu9O0VQi
2016-07-28 02:06:24「兵の休息が済んだら、このまま東へ向かおう!」 勝利に士気も高まり、意気揚々とヴァルムスンは次なる目標へと兵を進める。しかしこの時の彼は、目の前にある予想外の落とし穴に、全く気がついていなかったのだった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/6ZDPRvHacE
2016-07-28 02:10:02"それ"は突然やってきた。 「ロガーン・ドゥルが攻撃を受けています!!」 「なんだって?! いったい誰が!?」 他勢力から特に宣戦布告も受けておらず、周辺に危険な相手も確認していなかったヴァルムスンにとって、その悲痛な報告は完全に寝耳に水のものであった。 #AoW3CoV
2016-07-28 20:37:59遠隔魔法により透視すると、確かにロガーン・ドゥルに敵が迫っていた。幽鬼だ。いつの間にこんなに近くまで? いや、それよりも、どこから? もしや先だっての監視塔攻略の際に、山向こうの荒地から付いて来ていたのだろうか…? #AoW3CoV pic.twitter.com/E1DIZOT4dL
2016-07-28 20:40:18様々な可能性がヴァルムスンの脳裏を駆け巡った。しかし現実にいま敵は本拠の目の前にいるのだ。 ロガーン・ドゥルに残っている部隊はオランティウス陣営から出向の人間の弓兵、それに戦闘力のない移民部隊だけである。 あまりにもか細い戦力、しかしそれでもやるしかない。 #AoW3CoV
2016-07-28 20:44:26「とにかく防戦に徹するんだ!」 遠見の魔法でヴァルムスンは兵たちの指揮を取る。ロガーン・ドゥルの防壁とてはりぼてではない。敵を壁際で食い止めている間に弓兵の矢がうまく決まれば、あるいは…! #AoW3CoV pic.twitter.com/q0TJ4Pr4ua
2016-07-28 21:06:20ヴァルムスンも魔法による援護はできる。距離が離れているためマナはいつもよりも倍消耗されるが、そんなことを気にしている場合ではない。 「まずは弓矢の強化を…! 風よ、我が刃を運べ… 敵へと続く道となれ!」 #AoW3CoV pic.twitter.com/pzWIreHGaj
2016-07-28 21:27:45魔法の加護を受けた矢はすばらしい速度で飛び、幽鬼たちの頭上から雨のごとく降り注ぐ! かなりの数が射られて消滅した。しかし部隊を壊滅させるにはあと一歩足りない。そうしている間に、物言わぬそいつらは黙々と近づいてくる。 #AoW3CoV pic.twitter.com/5kMXtqRAn0
2016-07-28 21:36:58「それなら"魔法の拳"で………えっ?」 追撃のため呪文書を手に集中しようとしたヴァルムスンは、愕然とした。集中が築けない。マナは充分にあるのだ。しかし戦場にそれらを集めるための集中力が絶対的に不足している! #AoW3CoV pic.twitter.com/Sh2kMXOO0r
2016-07-28 21:43:21遠隔地からの詠唱でマナが倍必要ということは、すなわち呪文を行使するための集中力(コスト)も倍必要となっていたのだ。これまでの戦場でまったくこのことを意識していなかったヴァルムスンは、初めて認識した事実に、なすすべもなく打ちのめされた。 #AoW3CoV
2016-07-28 21:48:02「(最初から"石打ち"か"魔法の拳"で直接敵を叩いておくべきだった…? いや、しかしそれでも倒せるのは敵のごく一部だけ…)」 絶対的に手が足りない。そしていくら悔やんでも、いまや魔法を使い果たしたヴァルムスンにできることは、見ているだけである。 #AoW3CoV
2016-07-28 21:54:14最後の望み――ロガーン・ドゥルを囲む壁は、あっけなく崩れ去った。正確にはあっけなく"通り抜けられた"と言う方が正しいだろう。非物質の体を持つ幽鬼はいともたやすく壁を通り抜け、そして接敵した弓兵部隊を蹂躙した。 #AoW3CoV pic.twitter.com/eG1mWI8xgx
2016-07-28 21:59:12すでに半壊していた幽鬼の部隊相手に弓兵たちは果敢に切りかかり、切り伏せる。これで敵部隊をひとつ減らした…彼らがそう思ったのも束の間だった。不死の幽鬼どもは次の瞬間、何事もなかったかのように蘇り、再びその場に立ちふさがったのだ! #AoW3CoV
2016-07-28 22:13:24倒してもきりがない上に、すぐに他の幽鬼も近寄ってくる。元より近接戦闘に関しては専門外の弓兵である。なすすべもない。オランティウスの人間たちは逃げることなくその場に踏みとどまり、そして残らず生気を吸われて殺された。 #AoW3CoV
2016-07-28 22:16:18「ああ……ああ………」残された移民部隊には戦闘能力はない。実際のところ入植に必要な物資を満載した荷車と牛馬である。ヴァルムスンにできることは、幽鬼が緩慢にそれらを屠殺していくさまを、遠見の魔法で見ているだけだった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/W9kz83wRdk
2016-07-28 22:18:05氏族長の座を継いでから一年と一月。こうしてヴァルムスンは本拠地ロガーン・ドゥルを、あまりにもあっけない形で失ったのであった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/NC6fCYKW2t
2016-07-28 22:19:26