Age of Wonders III -Chronicle of Valmsun Runekeeper- その2

PCゲームソフト、『Age of Wonders III』のプレイ記録その2です。 数々の成功と失敗を通して、ヴァルムスンは君主としても、魔法使いとしても成長していく… その1はこちら http://togetter.com/li/1003681
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まんぼ @manbo_khazad

彼はウユルタのほんの一部を手中に収めただけである。山の向こうにはまだまだ未知の領域が広がっているのだ。 ロガーン・ドゥルの背後の山々を眺めながら、ヴァルムスンはひと時の間、その先の世界に思いを馳せた。 #AoW3CoV

2016-08-02 00:42:16
まんぼ @manbo_khazad

ヴァルムスンのその思索に対する一つの答えは、やがてすぐにもたらされることとなった。 時を少しさかのぼり、ヴァルムスンがオランティウス前哨にて戦っている頃。ロガーン・ドゥルの山師の一人が南西の方角へと山を渡っていた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/D423Yjiq1V

2016-08-02 00:51:42
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まんぼ @manbo_khazad

いくつも連なる山脈を進むにつれて、やがて寒さが増してくる。雪原が近いのだろう。山師は外套を着込み、先へと進んでいく。そして山の切れ目の向こうに、彼はドラコニアン(竜人)の軍勢とそれを率いる一人の勇ましい将軍を見た。 #AoW3CoV pic.twitter.com/QIZqwnpLX2

2016-08-02 00:58:30
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まんぼ @manbo_khazad

そのドラコニアンは一目で他の者とは異なる存在感を放っていることが山師には見て取れた。力強さ、自信、信念。そうしたものに満ち溢れていた。彼の主と同じか、それ以上に。 「ファイラック様?」部下にそう名前を呼ばれ、ドラコニアンは遠く山の中をじっと凝視するのを止める。 #AoW3CoV

2016-08-02 01:00:27
まんぼ @manbo_khazad

その鋭い目は、山中に身を屈めるドワーフの姿を認めていた。 「何処の手の者か…。まあ、縁あらばいずれ見えることもあろう。」 "荒肌"のファイラックはにやりと口の端をゆがめると、きびすを返した。 #AoW3CoV

2016-08-02 01:01:41
まんぼ @manbo_khazad

山師は一目散にロガーン・ドゥルへと戻った。 「"荒肌"のファイラック…」報告を受けたヴァルムスンはその名を呟く。 今はまだ敵となるか味方となるかはわからない。しかし確かなことは、自分同様にウユルタに覇を唱えようとしている者が、他にもいるかも知れないということだ。 #AoW3CoV

2016-08-02 01:04:09
まんぼ @manbo_khazad

「宴はもう充分だ。次の動きを考えよう。」 ヴァルムスンのこの一言で一週間続いたロガーン・ドゥルの祝宴は終わり、彼はいつもの忙しい日々へと再び戻って行った。 #AoW3CoV pic.twitter.com/D6YC8WLsF5

2016-08-02 01:05:53
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第2章 躍進のハルファー・ドゥン  了