『学び合い』についての考察 as of 2011/02/18 10:47
- marianna_ave
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「学び合い」について少々調べてみた。「学び合い」とは、上越教育大学の西川純教授の実践に端を発する、教育の場での「子供たちの学び合い」をキーとする教育実践メソッドである。まあ、「メソッド」と言っていいかどうかは微妙だが。
2011-02-15 02:15:23西川教授の「『学び合い』の手引き書(10.04.15)」(http://bit.ly/id4bWg からDL可能)によると、『学び合い』の考え方の基本は3つ。
2011-02-15 02:18:30『学び合い』の基本的な考え方の第1:「学校は、多様な人とおりあいをつけて自らの課題を達成する経験を通して、その有効性を実感し、より多くの人が自分の同僚であることを学ぶ場」であるという学校観。第2:「子どもたちは有能である」という子ども観。
2011-02-15 02:19:40第3:「教師の仕事は、目標の設定、評価、環境の整備で、教授(子どもから見れば学習)は子どもに任せるべきだ」という、授業観。 この第3の授業観が興味深い。
2011-02-15 02:20:28「教師の仕事は目標の設定、評価、環境の整備である」というこの授業観は私にはとても納得がいく。 「教授(子どもから見れば学習)は子どもに任せるべきだ」 というのも、一見クレイジーなことを言っているようだが、それが可能だという感覚を実は私も持っている。
2011-02-15 02:27:15しかし僕は昨日の早朝、「左翼運動はエコロジーと学び合いへ解体したか・・・・確かにそうかもしれん」というツイートをしていた。これはいったい何だったのか?
2011-02-15 02:32:03実は昨日のそのツイートをした段階では『学び合い』のことをほとんど知らなかった(^^ゞ 知らない状態で、本家の西川教授以外の『学び合い』実践例(と称するもの)の一部を見かけて発したのがあのツイートだった。申し訳ない。
2011-02-15 02:35:00が、ここで言い訳をしておこう。「左翼運動はエコロジーと学び合いへ解体した」という印象を持ったのには理由がある。『学び合い』の基本的な考え方の第1、第2については、率直に言えば「脳内お花畑」な印象を持ったのだ。
2011-02-15 03:31:25理念としては美しいが実践はきわめて困難で、実践しようとすると逆に事態を悪化させるのが「脳内お花畑」的な考え方。 そしてこの「理念としては美しい」に飛びついて来たのが左翼運動の歴史だった。
2011-02-15 03:35:55『学び合い』について、主としてその批判者達による批判の声を見ていると、『学び合い』もまた「理念としては美しい」の罠にハマっているように見えた。 が、実際に本家本元をたどってみるとまったく様相が違う。
2011-02-15 03:39:33西川教授はブログで http://bit.ly/hgI2y3 このように言っている 「○山市で、市のレベルで実践されている学び合いは、(本当の)『学び合い』とはまったく違う。理由は、全国学力テストを拒否した点に端的に表れている」
2011-02-15 03:44:51西川教授の見解: ttp://bit.ly/hgI2y3 『学び合い』は人との関わりによって、その有効性を実感しますが、その有効性を実感するのが学力であって良いのです。いや、現状の法規上、また、保護者・子どものニーズから考えれば、学力であるべきです。
2011-02-15 03:45:49西川教授の見解: http://bit.ly/hgI2y3 この違いは、善意の先生方の学び合いに共通するものです。何か業者テストに端的に表れるものを目指すことが、何か不浄のもののように感じるようです。
2011-02-15 03:46:38「善意の先生方」という言葉が出てきたけれど、これは根の深い問題なような気がする。 「善意」は必ずしも良い結果をもたらさない。 善意にあふれる人は往々にして自分の力量以上のことをやりたがり、自分の力で世界を変えられるという幻想に酔う。
2011-02-15 03:53:4110数年前からIT業界では「Xtreme Programming」や「アジャイル開発プロセス」という方法論が出てきているのだけれど、西川教授の『学び合い』を調べているとそれを思い出した。
2011-02-15 04:03:03おっと、xtreme じゃなくて Extreme Programming ね。略してXP (WindowsXPとは別物)。開発方法論のXPには、「プラクティス」と呼ばれる具体的な実践項目が12ある。この12のプラクティス、一つ一つはクレイジーに見えるものも少なくない
2011-02-15 04:05:51従来型のソフトウェア開発方法論が、「予定通りにものを作る」ことに力点を置いているのに対して、XPのプラクティス(現在では12以上あるようだ)は、「開発チームが力を発揮できるようにする」ことに、より力点が置かれている。
2011-02-15 04:17:52深夜の「学び合い」ツイートに関して、「学び合い」を「メソッドと言っていいかどうかは微妙だ」と書いたことについて補足。 「メソッド」という言葉は、何か決まったやり方があって、それにしたがってやれば一定の成果が出る、というタイプの方法論については使えるのだが・・・・
2011-02-15 10:55:31西川教授の『学び合い』の手引き書を読む限り、『学び合い』はそういう「決まったやり方があるタイプの方法論」ではなさそうだ。「メソッド」と呼ぶべきかどうか微妙、というのはそういう意味。
2011-02-15 10:58:46そういえば百ます計算の陰山先生も「良い授業を作る」ための授業研究をさかんにやった人物だけれど、その結果行き着いたところは「百ます計算」という最も単純な方法だった、ということを著書に書いておられる。
2011-02-15 11:01:23