初★体★験 〜男子凍結・外伝〜

【R18】 細々と書いてる「男子凍結」のスピンオフ。
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男子凍結 一覧

一話 - 初めて覗いた母の情事

夢乃 @iamdreamers

あたしがそれを見たのは小学五年の秋頃のことだった。 #twnovels

2016-08-30 17:24:19

夢乃 @iamdreamers

まだ夏の暑さの残る9月の半ばも過ぎた頃。あたしは村に着いたマイクロバスから降りた。 「さようなら。また明日ね」 バスを運転しているお姉さんの、いつもの別れの挨拶。 「うん。また明日、お願いしま〜す」 あたしもいつもの挨拶をする。 「気を付けて帰るのよ」 #twnovels

2016-08-30 17:24:55
夢乃 @iamdreamers

「はーい」 お姉さんと、東と北の集落に帰るみんなに手を振って、あたしはチカちゃんと西の集落に向かって歩き出した。今は、西の集落の小・中学生は二人だけ。学校のことや遊びのことをきゃいきゃいと話しながら、舗装された道を歩いてゆく。 #twnovels

2016-08-30 17:25:33
夢乃 @iamdreamers

チカちゃんとは、チカちゃんが学校に上がってからだいたい一緒に登下校している。姉妹みたいな関係。でも、それを言ったらこの村の子たちはみんな姉妹みたいなものだし、バス停からはみんなバスで一緒に登下校しているけど。 #twnovels

2016-08-30 17:25:58
夢乃 @iamdreamers

それに、ある意味、この村の十八才以下の子たちは、みんな血の繋がった姉妹なのよね。みんな別々に住んでいるから、あんまり実感はないけど。 二人で、田んぼより高くなった道を並んで歩く。まだ沈んでいない太陽に照らされて、二人の影が長く伸びる。田んぼにも届きそう。 #twnovels

2016-08-30 17:26:42
夢乃 @iamdreamers

ここの辺りはもう稲刈りも済んで、残された稲株が並んでる。もうちょっと離れたところでは、自然乾燥させた稲をトラックに載せているのが見える。お母さんもいるはずだけど、遠くて判んない。もしかしたら、精米所にいるのかもしれない。 #twnovels

2016-08-30 17:27:12
夢乃 @iamdreamers

「お、今お帰りかい?」 田んぼに向けていた視線を前に戻すと、シゲルさんが立っていた。 「あ、シゲルさん、今日は。只今。うん、さっきバスが着いたところ」 「今日は。ただいま」 隣でチカちゃんも挨拶を返す。 「お帰り。学校は楽かったかい?」 「うん!」 #twnovels

2016-08-30 17:27:43
夢乃 @iamdreamers

チカちゃんが元気に答えた。 「でもねぇ、たいくとしゅくだいがなかったらもっと楽しいんだけどな」 「そうか、チカちゃんは体育が苦手か。でも、農業をやるなら運動もしておかないといけないよ」 「うん、わかってる。でも、きらいなものはきらい」 #twnovels

2016-08-30 17:28:16
夢乃 @iamdreamers

チカちゃんが神妙な顔になった。 「えっと、シゲルさんは何しているんですか?」 あたしはシゲルさんに聞いてみた。チカちゃんの様子を見て、話題を変えた方がいいかな、って。 「散歩だよ。たまには外でみんなに顔を見せておかないと忘れられちゃうからね」 #twnovels

2016-08-30 17:28:51
夢乃 @iamdreamers

シゲルさんは、わはは、と笑った。 「忘れられるわけないですよー。毎日、みんなが交代で夕食を作りに行ってるんだから」 「そーだよー。わすれないよー。シゲルさん、おもしろいし。またあそびにいくねー」 「ありがとうよ。いつでも遊びにおいで」 #twnovels

2016-08-30 17:29:29
夢乃 @iamdreamers

シゲルさんは優しい笑顔でチカちゃんの頭を撫でた。それからあたしは、自分の言ったことで今日のことを思い出した。 「そうだ。シゲルさん、今夜はお母さんとお邪魔します」 両手を揃えて頭を下げる。帽子が落ちそうになって慌てちゃった。 #twnovels

2016-08-30 17:30:15
夢乃 @iamdreamers

「ん? 今日はルミコさんが来る日か。クミコちゃんも一緒なんだね」 「はい」 「待ってるよ。気を付けて来るんだぞ。チカちゃんも、気を付けて帰りなさい。それじゃ、また」 「またねー」 あたしとチカちゃんは手を振ってシゲルさんと別れた。 #twnovels

2016-08-30 17:30:58
夢乃 @iamdreamers

再び家に向かって。と、チカちゃんがスカートをつんつんと引っ張った。 「ねぇ、クミお姉ちゃん、お姉ちゃんはお母さんがシゲルさんとこに行くとき、いっしょに行くの?」 「うん、そうよ」 「なんで? わたしはいつも、おばあちゃんとおるすばんだよ」 #twnovels

2016-08-30 17:32:01
夢乃 @iamdreamers

「あたしの家、お祖母ちゃんいないから。あたしを一人で家に残しておくのが心配なんだって。だからシゲルさんのところに一緒に行くの」 「ふーん」 「あ、だから、明日はバス停まで、チカちゃん一人だけど、大丈夫?」 悪戯っぽい笑みを浮かべて聞いてみる。 #twnovels

2016-08-30 17:32:41
夢乃 @iamdreamers

「だいじょうぶだよー。クミお姉ちゃんがびょうきで休んだときも、わたし、一人で行けたよ」 「そう言えば、そうだったね。それじゃ、明日はバス停でね」 ちょうど、チカちゃんの家の前だった。 「うん。ばいばーい」 チカちゃんは手を振って、小走りに駆けて行った。 #twnovels

2016-08-30 17:33:20
夢乃 @iamdreamers

あたしも手を振って、チカちゃんが玄関のドアの向こうに見えなくなるのを待ってから、止めていた歩みを再開した。あたしの家は、もう二軒先。そろそろ、山の向こうに陽が消える。家までの残りの道のりを、あたしは少し脚の動きを速めて通り抜けた。 #twnovels

2016-08-30 17:34:00
夢乃 @iamdreamers

「ただいま〜」 玄関のドアを開けて、帰宅の挨拶。誰もいないけど。でも、声に反応して電気が点いてくれるだけで、なんだかホッとする。靴を脱いだら、自分の部屋へ行く前に洗面所へ。ランドセルを床に置いて手洗いとうがいを済ませる。 #twnovels

2016-08-30 17:34:33
夢乃 @iamdreamers

それからランドセルを拾って二階の自分の部屋へ。シゲルさんのところへ行くから準備をしておかないと。手提げ袋を引っ張り出して、パジャマや明日着る服やハンカチなんかを用意しているところに、裏口で人の気配がした。 「ただいま。クミコ、もう帰ってる?」 #twnovels

2016-08-30 17:35:08
夢乃 @iamdreamers

お母さんだ。あたしはランドセルと手提げ袋を持って、階段を下りながら答えた。 「おかえりなさ〜い。帰ってるよ〜。今日はシゲルさんのとこに行くんでしょ?」 裏口まで行くと、お母さんは一日の仕事で汚れた仕事着を脱いでいるところだった。 「そうよ。準備しておいてね」 #twnovels

2016-08-30 17:35:42
夢乃 @iamdreamers

あたしに聞きながらさっさと丸裸になって、脱いだ服を洗濯かごに放り込む。 「できてるよ。あとはお母さんだけ」 「そんなこと言って。じゃ、ちょっと待って。シャワー浴びちゃうから」 お母さん、あたしのおでこを指でちょん、と弾くと、おっぱいを揺らしてお風呂場に入った。 #twnovels

2016-08-30 17:36:32
夢乃 @iamdreamers

お母さんが仕事の汗と汚れを流している間、あたしはシャワーの流れる音を音楽に、ランドセルから出したタブレットでメールをチェックしたり読みかけの小説を読んで時間を潰す。いつの間にかシャワーの音が消え、服を着替えたお母さんが居間に入ってきた。 #twnovels

2016-08-30 17:37:21
夢乃 @iamdreamers

「じゃ、行くわよ。準備できてる?」 さっき答えたのに、また聞いてくる。 「できてるよ。お母さんは?」 あたしは立ち上がってタブレットをランドセルに仕舞いながら言った。 「もちろん、オッケー。じゃ、行こうか」 #twnovels

2016-08-30 17:38:01
夢乃 @iamdreamers

お母さんは手にした手提げ袋を軽く持ち上げてあたしを促すと、玄関へ向かう。あたしも、ランドセルを背負い、自分の手提げ袋を持って後を追う。 「行ってきま〜す」 無人になる家に声を掛けて、あたしたち二人は、陽が落ちて暗くなりかけた外へ歩き出した。 #twnovels

2016-08-30 17:38:38
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