読書記録

読んだ本のツイート集
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まだちぃ。 @madarasensei

水木揚『誠心誠意、嘘をつく』読了。高松生まれ、苦学して早稲田を出て弁護士になり戦前は憲政会、翼賛選挙に抗し、戦後は吉田茂を倒して保守合同を成し遂げた政党政治家三木武吉伝。老練で、私欲がなく、大目標を見失わないため、簡単に手の平を返す三木は本当に面白い。ただ、この伝記は少し平板。

2023-05-31 00:12:05
まだちぃ。 @madarasensei

若島正『盤上のパラダイス』読了。詰将棋界という将棋界よりさらに小さな世界を、戦後に鶴田諸兄氏の立ち上げた『詰パラ』の歴史を通して語り継ぐ本。出てくる人が個性的で、金にならない詰将棋に人生を賭けていて、論争したり、プロ側の盗作を激烈な調子で罵倒したり、どこかで見たような世界である。

2023-05-14 00:07:54
まだちぃ。 @madarasensei

岡田章『ゲーム理論の見方・考え方』読了。ゲーム理論の第一人者による入門書。全9章で、序、ミニマックス定理、ナッシュ均衡、逐次手番までが歴史的経過と理論の基礎。その後は協力、大人数、信頼、公平性の中で諸々のミクロ的な問題が述べられてて面白い。一読しただけでは何も理解できてない。

2023-05-05 23:51:28
まだちぃ。 @madarasensei

遠山啓『代数的構造』読了。全5章で構造、数学的構造、群、環・体、ガロア理論の構成。 記述はとても平易でわかり易く見えるし内容もおそらくは理解していると思われるが、ひと通り読み終わってもわかった気がしないというか、自分で自分に内容を全然説明できないので、要するにまだわかってない。

2023-04-16 23:46:22
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村上陽一郎『ハイゼンベルク』読了。行列力学を立ち上げ、不確定性原理を提唱し、量子力学の黎明期を築いた学者の伝記。相対論を唱導したアインシュタインとの対比によって20世紀初頭の物理学史を描いてる。ところどころ面白かったが、内容は全般的に古くなってるし、当時はさておき今や平板に見える。

2023-04-11 22:38:46
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広中平祐『学問の発見』読了。51歳のときに出版された数学者の半生を綴った自伝。秋月康夫に師事し、ザリスキの下で修行した著者は特異点解消問題を解決し世界的な業績を挙げたが、どのように学ぶべきかをテーマに論じている。中でも失敗談は面白い。ニーズではなくウォントでという言葉が耳に残った。

2023-03-10 00:31:24
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彌永昌吉『数学者の世界』読了。彌永さんがそれまでに発表した親しい人たちに対する文章をまとめた本。高木貞治、アルティン、シュヴァレー、エルブラン(面識なし)、ワイル、デルサルトなどとの逸話や、小平邦彦、安倍亮などについて。神保町で400円だったので買ったが面白くて一気に読んでしまった

2023-03-03 17:37:31
まだちぃ。 @madarasensei

吉田・赤『数学序説』読了。約70年前に書かれた文系学生用の数学史の教養書。ギリシャの幾何とインドの代数がアラブで融合し、西洋で再認識され花開き、微分を通して厳密性が検討され、無限を通して現代の数学が準備されるまでを描いてる(ゲーデルは出てこない)。記述が信頼できて骨太で面白かった。

2023-02-06 23:02:17
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牧原出『田中耕太郎』読了。商法・国際法の権威、東大法学部長から戦後は局長から文部大臣、最高裁長官を経て国際司法裁の判事を歴任した田中の評伝。彼の関わったそれぞれの制度を、外部からの批判や政治から独立させようとする人物として田中を捉える。様々な分野をまとめ切ってるすごい本だと思った

2022-11-30 22:53:05
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末弘厳太郎『嘘の効用 上』読了。言わずとしれた法学の古典。上巻は、生きた法律を求めた民法学者でエッセイの名手だった末弘の代表作を集める。非常に歯切れよく自らの意見を述べていて清々しいし、何より面白い。末弘は伝記を読んでみたいのだがなかなか見つからない。もっと評価されてほしい。

2022-11-01 22:55:24
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宮沢俊義『憲法講話』読了。学生の頃、流し読みしてたのを読み返してしまったが面白かった。新憲法の基本的な項目(各種の権利、統治機構その他)について宮沢がわかりやすく、ユーモラスに、教養豊かに語っている。宮沢は変節っぽくてあまり好きでなかったが本書は面白かった、成長したのかもしれない

2022-10-16 22:06:15
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牧野雅彦『ハンナ・アレント』読了。「現代新書100」という100ページ足らず(新書は普通は200ページくらい)の新書企画の第一弾 『起源』や『条件』『過去と未来』の簡潔な要約が素晴らしい。今まで読んだどのアレント入門より良かった。短いのがいい。とても充実している。『条件』の新訳に期待。

2022-10-14 23:21:29
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矢崎美盛著 寄川条路解説『物語 精神現象学』読了。 1936年に岩波から「大思想家文庫」全26巻のうちの21冊目として出版されたものを版元を改め復刻。 晦渋な『精神現象学』を虚心に、経験を無限の認識能力を持つ人間が反省し、精神発達の梯子を登ってゆく様を旅になぞらえ解説。

2022-10-08 23:51:16
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山口裕之『語源から哲学がわかる事典』読了。哲学の本で当然のように使われる哲学用語の使い方のニュアンスがわかる本。プラトン、デカルト、カントに至る西洋哲学史の大枠と共に、なぜその概念(特に重要なのはアリストテレスのウーシアー)が問題とされたのか、後世はどう考えたかがよくわかる。

2022-09-26 00:01:35
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寄川条路『ヘーゲル 人と思想』読了。200頁程度の小著だが、ヘーゲルの生涯と著書の解説、その後の影響について要領よくまとめてある。この手のヘーゲル本はありそうでなかった気もするが、じゃあヘーゲルが具体的にどんな状況をイメージして酷く難解で抽象的な思想を展開しているのか今一つわからない

2022-09-14 23:48:24
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中島義道『晩年のカント』読了。80歳で死んだカントの69歳からの人生の解説。三批判書を上梓し真の形而上学確立に向け歩み出したカントの前に若きフィヒテが現れ宗教論の出版を懇願。その後、カントも宗教論を出すが官憲からNG、フィヒテと決裂、頼みの形而上学は精彩を欠く等、波乱万丈で面白かった

2022-09-11 23:20:32
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山本博文訳『福沢諭吉 幕末・維新論集』読了。 ①故郷中津藩の記録「旧藩情」 ②勝と榎本批判「痩我慢の説」 ③西郷擁護論「明治十年丁丑公論 」 ④若者に官吏でなく実業を勧める「士人処世論」 の4編。 学生の頃、福沢が嫌いだったので②や③は生涯読まんだろうと思った記憶があるが存外面白かった

2022-09-10 22:43:13
まだちぃ。 @madarasensei

佐藤優『日本共産党の百年』読了。結党百年を迎えた日共党史を特に51年綱領から61年綱領を中心に振り返る。記述は落ち着いていて面白かった。最後、性善説と日共は宗教と話を持って行ってて良かった。〜全協と党大会の違いは何なのか(分派の有無?)、いつも思うがそこがはっきりしない。

2022-09-07 10:21:44
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齋藤孝訳『学問のすすめ』読了。開国間もない明治日本で、個人が独立した気概を持って生きてゆくには一人ひとりが実用に耐える学問を修める必要があることを説いた啓蒙書。今読んでもその通りと思えるくらい古くなってない。非常に合理的で、途中、儒学者をボロクソに言ったりしてて面白い。古典である

2022-08-29 23:54:32
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『福翁自伝』読了。学生の頃に岩波版のを読んだ気がするが慶應版を改めて読んだ。慶応版のが読みやすい気はする。全15章で前半10章までが履歴、後半は子育てや官職拒否など人生訓。描写が非常にリアルなのにどこか突き放していてユーモアがあってとても面白い。これはさすがに古典と言わざるを得ない。

2022-08-25 23:10:59
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落合勝人『林達夫 編集の精神』読了。精神史家、批評家林達夫を編集者(本書では知識人/編集者と表記)という視点から捉えた力作。関東大震災や出版統制などの秩序の崩壊に面し、秩序を編んでゆく姿を描いている。私は林をただの岩波型の戦後知識人だとばかり思ってたので非常に面白かった。

2022-08-23 23:00:54
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池上・佐藤『漂流 日本左翼史』読了。数々の暴力事件で新左翼が失墜するも労働運動や革新自治体は左翼が盛り上がり、やがて頽落の過程を辿る。スト時国労への暴動に見える国民の労組への反感、江田パージからの協会派パージによって死んだ社会党などそこら辺の記述はよくしらないので非常に面白かった

2022-08-09 22:55:14
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御子柴善之『自分で考える勇気』読了。岩波ジュニア新書のカント哲学入門書。自然の必然性を認識する『純粋理性批判』、自由の国で道徳法則を認識する『実践理性批判』、自然と自由を人間が架橋すると説く『判断力批判』、これらをもとに理想的国家関係を考える『永遠平和のために』のわかりやすい解説

2022-08-04 09:33:46
まだちぃ。 @madarasensei

御子柴善之『カント哲学の核心』読了。純粋理性批判の簡略版『プロレゴメナ』解説本。形而上学を成立させるため、先験的総合判断の成立条件を問い、人間の理性はどうして魂、世界、神の等を独断的に考えてしまうのかを理性自身を吟味し、カテゴリーの使用法の限界を明らかにする。とてもわかりやすい

2022-07-29 23:48:23
まだちぃ。 @madarasensei

堀内正人『麻雀で生きていく』読了。堀内さんの半生。著者は仙台に生まれ、専門を出るも雀荘の雇われ店長になったり、東京でメンバーしながらプロ活動を行うも引退して、ポーカーやyoutubeで生活してる。雀荘業の生態やら当時の仙台や新宿近辺の様子がとても具体的なのがとても面白い。

2022-07-28 23:06:57
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