「ネクロマンティック・フィードバック」 #5
ニンジャスレイヤーはどうか?彼は落下中に電撃的な状況判断を下していた。床でうつ伏せになったデッカー、シンゴへ駆け寄り、右肩に担ぎ上げると、飛び回るヒトダマを大胆に避けながら、今度は壁際のアンドウへ突進する!
2011-02-22 17:54:13「アイエエエエ!ナ、ナ、ナムアミダブッダ!ナムアミダブッダーマゲドン!アムダブッダブツ!アイエエエエ!」「息を止めろ!」左肩に錯乱したアンドウを担ぎ上げる!「アバー!」青白い炎の塊が複数、ニンジャスレイヤーの背中に追いすがる。「イヤーッ!」両肩に重荷を担いだまま、窓の外へ脱出!
2011-02-22 17:59:26「ム……」シンゴの意識を揺り起こしたのは、冷たい土の上に降ろされた感覚だった。彼がまず見たのは上空の星一つ無い夜空だ。サウナマシンめいた暑い空気。すぐに痛覚が戻る。背中に走る刺すような激痛に顔をしかめ、シンゴはなんとか半身を起こした。そしてすぐに自分が置かれた状況を把握した。
2011-02-22 18:59:10絶望的な心持ちでどうにか立ち上がる。すぐそばに座り込む狂信者のアンドウがシンゴの背中の方向をぼんやり見つめている。暑い空気は背後からだ。シンゴは呻き声をあげ振り返る。
2011-02-22 19:10:08熱の源はさっきまで彼らのいた廃テンプルだ。崩れかかったぐずぐすの木造建築は超自然の青い炎に不気味に包まれ、自重に耐えかね、さながら巨大キャンプファイヤーめいて、滅びのときを迎えんとしていた。そしてその炎を逆光として対峙するのは、二人のニンジャである。
2011-02-22 19:16:02シンゴはもはや、状況を分析する事を諦めた。何かが起こり、巻き込まれ、この時へ至った。たくさんだ。「私の弱い心がこれを呼び寄せたんだ、私は、アーマゲドンなどとバカな事を。これは不甲斐ない私に課されたブッダの裁きです」座り込むアンドウが涙声で呟いた。
2011-02-22 19:27:48「そんなワケがあるか」シンゴはデッカーガンに弾薬を込め始めた。「まあ、それならアンタもせいぜい反省して仕事でも探すがいいさ。全て終わったらな。生きて出られたらな……」そして、逆光の中で対峙する二人のニンジャが、交錯した。
2011-02-22 19:32:42