科学技術コミュニケーションとは- @hirakawah と @gnsi_ismr の対話
そもそも「科学技術コミュニケーション」という言葉が日本に導入された時、STS関係の実践者だけではなく、科学教育、科学館・博物館、研究機関広報の関係者や、アウトリーチに取り組む研究者の活動も一括りになりました。果たしてそれがよかったのかどうか、と思うわけです。
2011-03-09 02:22:04.@gnsi_ismr なるほど。批判の宛名というのは難しいところがあると感じています。具体的実体としては第一の宛名は政策立案者とファンディングエージェンシです。それについては全く微力で恥ずかしい限りですが10数年前からやってきました。
2011-03-09 02:24:48例えば長年科学館で実験ショーや工作教室に携わってきたスタッフが、自分たちの活動をある日突然「科学技術コミュニケーション」の一部であるとカテゴライズされ、STS的文脈からバランスを欠く、欠如モデルである、トランスサイエンスも扱うべき、と批判されると(続)
2011-03-09 02:26:02そして、より影響力のある人たちの努力が実り、政策は大きく変わってきたと思います。さっき書いたようにRistexのようなものもできましたし、第3期、第4期の基本計画の理念は、例えば98-99年にやった振興調整費の政策提言で提案したことがかなり含まれています。
2011-03-09 02:27:36自分たちが要求したわけでもないのに勝手にカテゴライズされ、そのカテゴリーはSTS的文脈からはこのようなバランスであるべきで、現状はそうなっていないと批判されるのは、正直なところ理不尽だと感じると思うのです。
2011-03-09 02:27:57ええ、そこはまさに同じ思いです。RT @gnsi_ismr: むしろSTS的コンセプトを明確にするためには、それらを含めない方がよかった可能性もあるかと。
2011-03-09 02:28:15もちろん、科学館の活動や科学教育は時代に即して変わる必要がありますし、当然現場の実践者も問題意識を持っていると思います。しかし彼ら彼女らの共感を得るには、STS的意味での科学技術コミュニケーションの文脈ではなく、まずはあくまで科学館、科学教育の文脈に寄り添い(続)
2011-03-09 02:30:43.@gnsi_ismr なので最近は、「科コミュ」という術語はむしろ科学教育・科学館・広報・アウトリーチ系のものを表すものとして、それ以外は「ガバナンス」というコンセプトで語るべきではないかと考えてます。第4期基本計画の文書でもほぼ同じ扱いですし。
2011-03-09 02:31:32裏返せば、(失礼を承知で言えば)現在科学技術コミュニケーションの実践の布置がバランスを欠いているとすれば、それは科学館や科学教育や広報やアウトリーチの問題ではなく、他ならぬ、STSの研究者・実践者の問題ではないか、と。
2011-03-09 02:32:43なるほど。RT @hirakawah なので最近は、「科コミュ」という術語はむしろ科学教育・科学館・広報・アウトリーチ系のものを表すものとして、それ以外は「ガバナンス」というコンセプトで語るべきではないかと考えてます。第4期基本計画の文書でもほぼ同じ扱いですし。
2011-03-09 02:33:07それが拙著で「科コミュ」という術語を10回しか使ってない理由でもあります。RT @gnsi_ismr: なるほど。RT @hirakawah なので最近は、「科コミュ」という術語はむしろ科学教育・科学館・広報・アウトリー… (cont) http://deck.ly/~UOQxD
2011-03-09 02:33:51もちろん科学技術コミュニケーションの中でバランスを実現しようとしてもいいし、全体のボリュームが大きいほど効果も大きいし、誰もがそれぞれの立場なりに考えなければならない問題であることも理解しています。
2011-03-09 02:34:06o0( 科学コミュ再定義があちこちで熟議が尽くされて良い感じ。ただ「科学ジャーナリズム」は脇に避けて置いておいてくださいな、とも思う。ここのところ「ちょっとどこかできちんと書かねばならないなぁ」と思うことしきり。(僕自身のジャーナリズム観が、勉強すればするほど変わってるせいだが。
2011-03-09 02:34:20だからこそ、繰り返しになりますが、科学技術コミュニケーションの実践者に対しては、実践者の活動の文脈にまず寄り添い、そこから対話をはじめてほしいし、そのほうがずっと共感を得られ、結果として大きな力に結びつくのだと考えています。
2011-03-09 02:35:39こういうことは近著を拝読しても、一番注意深く考えていらっしゃる方だと思うので、他ならぬ平川さんに言うのはアンフェアという気もしますが、逆に平川さんに対してだからこそ言う意義があると思うわけです。
2011-03-09 02:38:31で、批判の宛名の話に戻します。先に書いた様に第一の宛名は政府であり、それはそれなりに目に見える形で変わってきたと思います。他方、コミュの実践者に対して第一にあるのは批判ではなく「期待」です。
2011-03-09 02:39:07科学技術コミュニケーションの実践者の出自は、あまりにも多様です。それがよい効果を生みもしていますが。私自身も、科学館が出自なので、よけいこのようなことを思うわけです。
2011-03-09 02:40:34@gnsi_ismr あ、いえいえ。お二人のやりとりは興味深く拝見しています。お二人にではなく、「科学ジャーナリズムもコミュニケーションだよね!」と議論の中で簡単に一括りされてしまうと、(今のお二人の議論とはまた違う感じで)色々齟齬が出るなぁ、と思うことが多いので、その呟きです。
2011-03-09 02:41:12期待ー早くー RT @J_Steman o0( 科学コミュ再定義があちこちで熟議が尽くされて良い感じ。ただ「科学ジャーナリズム」は脇に避けて置いておいてくださいな、とも思う。ここのところ「ちょっとどこかできちんと書かねばならないなぁ」と思うことしきり。
2011-03-09 02:41:43@east_j_higashi ていうか君と僕は、一本や二本は何とか書けるだけのデータを熟成させすぎて腐り始めているわけだが。
2011-03-09 02:42:28つまり政策枠組みも変わってきたし、科コミュも人材育成含めて振興され始めれば、従来の啓発・教育系の実践に加えて、トランスサイエンス的なガバナンス系の実践に取り組んでくれる人「も」増えてくるだろうという「期待」がありました。私個人だけでなくSTS業界には割と広くあったと思います。
2011-03-09 02:42:52