RPGの「僧侶職(Cleric)」はいつ回復呪文を唱えはじめ(その後さらにヒーラー役割を期待されるようになっ)たのか?

2017年06月26日に @shinimai さんが『ハーフリアル』読書会に参加していた際に書かれていた脇話を、TRPGゲーマー複数人が拾って考えていました。なおその日開催されていた『ハーフリアル』読書会本編の方は拾っていませんので、そちらにご興味をお持ちの方は別途TLを追ってみてください。
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*死に舞 @shinimai

RPGのゲームプレイと物語の乖離っていう論点では、今日ちょっと「もしかしてヒーラーってゲームによって捏造されたファンタジー的存在かも」と思った。実際はヒーラーのロールをアサインされている僧侶とかそういうやつなんだけど。

2017-06-26 00:18:02
*死に舞 @shinimai

というのは古典的なハイ・ファンタジーの中にヒーラー的なロールのやつおらんのではと思ったのだ。指輪物語系統はエルフが部分的にそういう行動とっているきはするが、純粋に回復役はいない気がする。

2017-06-26 00:18:46
*死に舞 @shinimai

まあといってもタンク的なやつも別にファンタジーにあったわけではない。ただタンクに割り当てられる雰囲気の種族やクラスはいる。実際にドワーフが前線でヘイトを集める描写とかはないんだけど。

2017-06-26 00:20:27
*死に舞 @shinimai

そもそもファンタジーの中にそんなに戦闘がないけど、CRPGは(TRPGからそうなのかもしれないが)戦闘をひとつのモデルとしたのはちょっとした歴史的ないたずらを感じる。

2017-06-26 00:22:12
tricken@暁月Main85 @tricken

オリジナルD&D以降の1970sで、いわゆる Cleric (Class) にあたるものをガイギャックス&アーネスンがどこから引いたのか。@nirvanaheim さんあたり既に調べてそう。twitter.com/shinimai/statu

2017-06-26 20:15:51
*死に舞 @shinimai

@tricken さらにそれが小説のファンタジーに影響あたえている例が気になりますね、

2017-06-26 20:15:32
tricken@暁月Main85 @tricken

@shinimai 英語WikipeのD&D Cleric 項で恐縮ですが、「”Hammer Horror” シリーズなどゴシックものにおける吸血鬼狩人の聖職者キャラをシミュレートする所から始まってる」という記述がありました。起源はハイファンタジーではなくゴシックファンタジーなのかも。

2017-06-26 20:25:49
tricken@暁月Main85 @tricken

@shinimai D&D以前の所謂“ブラックミムーア・キャンペーン”(1974年以前にプロトタイプD&Dとして名指される連続ゲーム)の逸話の中に詳しい形成過程があるようです。blackmoormystara.blogspot.jp/2011/01/bishop…

2017-06-26 20:26:55
tricken@暁月Main85 @tricken

ブラックムーア、でした。

2017-06-26 20:28:39

その後の議論結果を踏まえた話(2017.06.28)

2017/06/28時点では、Blackmoorキャンペーンに関する新資料が出ていて、以下の通りになっています:

  • 「回復呪文」が出てきたのは「ブラックムーア・キャンペーン」(1974年より前のプロトタイプD&D)である……ほぼ確定。
  • 「聖職者」クラス、OD&DにおけるClericクラスが出来たのは、 bad guysの出してきた「吸血鬼」対策が講じられた時である……ほぼ確定。
  • 「聖職者」クラスの後に「回復呪文」が生まれた……どうもそうとも限らないようだ。吸血鬼vs聖職者の構図が提案される前にブラックムーアキャンペーンにおいて「回復呪文」自体が導入された局面があったらしい(ただ、聖職者という役割がかっちり出てきていない段階ではあったもよう)

 というわけで、以後の記述の一部は、そのあたりの参考資料追加の前のやや古めの議論であることを踏まえて、どうぞお読み下さい。

tricken@暁月Main85 @tricken

『Lord of the Rings』でサルマン役を演じていたクリストファー・リーは、1960-70sの頃はHammer Horrorという吸血鬼もののシリーズで主役、つまりドラキュラを張ってたんですね。

2017-06-26 20:31:17
tricken@暁月Main85 @tricken

「D&Dのクレリックの武器制限は(ブラックムーアキャンペーンで無双していた吸血鬼PCをなんとかするためのクレリックキャラの創造とはまた別に)『バイユーのタペストリー』を参考にしている」って書かれてるな。>英語版Wikipe:Cleric

2017-06-26 20:34:03
tricken@暁月Main85 @tricken

ちなみに『バイユーのタペストリ』の誰がクレリック表象の元になっているのかというのは、「バイユーのオド」らしい。これも英語Wikipeに絵がある。en.wikipedia.org/wiki/Odo_of_Ba…

2017-06-26 20:48:12
tricken@暁月Main85 @tricken

あ、テュルパン情報間違ってた。「バイユー司教Edoがクレリックの武器制限の元ネタです。良く『ローランの歌』のテュルパン大司教に元ネタを間違われるけど、そっちは名剣アルマスだから違うのよ」っていう文脈でテュルパンの説明があっただけだった。

2017-06-26 20:51:30
tricken@暁月Main85 @tricken

いずれにせよ、OD&Dにおいてクレリック=ヒーラー系僧侶職ができた背景には、『指輪物語』みたいなハイファンタジー文脈とは別に、同時並行で1970sに流行っていた近代ゴシックホラー/ゴシックファンタジーにおける吸血鬼vs(吸血鬼狩人としての)聖職者の影響があったのよ、てことか。

2017-06-26 20:54:04
tricken@暁月Main85 @tricken

ということは、平野耕太『ヘルシング』のような「戦う聖職者」の文脈の方が、D&Dのクレリックの本分にだいぶ近いのかもしれない。(ヘルシングの聖職者はヒーラー要素ないけど)

2017-06-26 20:55:15

この部分、訂正します。『ヘルシング』におけるアンデルセン神父の不死性や回復効果は、信仰の奇跡に関わるものではないか、という指摘がありました。@heat_machine さん、 @EGFinal_mada さん、ありがとうございます。

tricken@暁月Main85 @tricken

ん、でもvs吸血鬼で聖職者なのはいいとして、「なぜOD&Dの聖職者はキュア・ウーンズが出来るのか」という要素については、明確な回答がまだ入手できてないな。吸血鬼倒すのになぜ癒やしの技を持ってる必然性があるか。ブラックムーアキャンペーンのどこでHealing Spellが誕生したの

2017-06-26 21:04:54
ultraviolet @raurublock

@tricken この話か twitter.com/raurublock/sta…

2017-06-26 20:58:48
ultraviolet @raurublock

D&Dに出てくる「聖職者は刃を持った武器を使えないが、メイスならOK」という話は、ウィリアム征服王の腹違いの弟のオドーという人の記録を誤読したことによって生まれた伝説なのだ

2016-02-22 11:37:26
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