アンド・ユー・ウィル・ノウ・ヒム・バイ・ザ・トレイル・オブ・ニンジャ #1

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

流石はシックスゲイツ、恐ろしい相手だった。だがニンジャスレイヤーは敵の最大の武器である触手状アームを一本ずつカラテで切断し、グラップル技に持ち込んだのだ!「ニンジャ殺すべし!イヤーッ!」容赦ない顔面蹴りから首元へのチョップ!ついにデビルフィッシュは爆発四散を遂げた!「サヨナラ!」

2011-05-15 23:21:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

顔とメンポに飛び散った返り血をぬぐいながら、ニンジャスレイヤーは黙々と上への階段を目指す。まるでツキジだ。あとには、血まみれになったタタミと黒焦げの死体、浜に打ち上げられたマグロめいて痙攣する両腕、そして破壊された十本のサイバネアームだけが残されていた。

2011-05-15 23:29:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

階段を上ると、再び新たな門が彼の前に現れた。「総会六門」と威圧的なオスモウ・フォントでモールドされたカンバンが、重々しい扉の上に掲げられている。さらに、扉の表面には赤い丸と大きく「二」の文字。ソウカイ・シックスゲイツの2人目が、この先で彼を待ち構えているのだ……。

2011-05-15 23:37:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

扉を押し開けようとするニンジャスレイヤー。その瞬間、上下左右から赤漆塗りの見事なヤリが勢い良く突き出してきた!ナムサン!だがこの程度のトラップに引っかかるニンジャスレイヤーではない!余人ならばいざ知らず、彼は回避動作を取ることすらなくカラテで全てのヤリを叩き折った!「イヤーッ!」

2011-05-15 23:49:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

タダーン!電子合成されたドラの音が鳴り響く。セレモニーホールと同様、数百畳サイズの薄暗いタタミ部屋が現れる。部屋の中には四本の円柱が立てられ、そこからボンボリが吊り下げられている。部屋の中央にはスリムフィット黒ニンジャ装束を着た一人のニンジャが、アグラを組んで彼を待ち構えていた。

2011-05-15 23:52:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン、レイザーエッジです」「ドーモ、レイザーエッジ=サン、ニンジャスレイヤーです、イヤーッ!」オジギ終了から僅か0コンマ1秒!ニンジャスレイヤーはその右腕をムチのようにしならせてスリケンを4連発で投擲していた!タツジン!

2011-05-15 23:53:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」レイザーエッジがジュー・ジツを構えると同時に、両腕の骨に沿って左右に展開式のセラミック・カタナが飛び出し、スリケンを切断した!タツジン!だがニンジャスレイヤーも、この程度の防御は予測済みである!スリケン投擲と同時に、すでにタタミを強く蹴って突撃を繰り出していた!

2011-05-16 22:34:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「馬鹿め、ニンジャスレイヤー=サン、貴様の負けだ!」レイザーエッジも真正面から突き進む。ニンジャスレイヤーの構えはカラテチョップ。走り抜けながら一撃で相手の首の骨を切断する構えである。(((あの程度のセラミック・カタナならば、一撃で破壊した上に首をへし折れるはず……!)))

2011-05-16 22:38:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

猛烈なスピードで接近する2人のニンジャ!その距離はタタミ5枚、3枚、1枚!ここでニンジャスレイヤーの本能が危険を察知する!「イヤーッ!」即座に彼はブリッジを決めた!直後、レイザーエッジの腰の両側面からカタナが展開され、紙一重の高さでニンジャスレイヤーの腹の上を通過!ゴウランガ!

2011-05-16 22:41:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チィーッ!」レイザーエッジは暴走するローマ式チャリオットのごとく走り抜け、柱の一本を深々と切り裂きながらターンした。彼はサイバネ手術により、全身に何百本ものカタナを仕込んでいる。特にこの必殺突撃は、左右に一列に並んだクローンヤクザ20人、合計40人を一度に切断できるほど強力だ!

2011-05-16 22:46:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ならば正面からとばかりに、ニンジャスレイヤーが鋭角のトビゲリを仕掛ける!レイザーエッジはこれを素早くガードし、激しいカラテの応酬が始まった!「「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」」ここで突如、レイザーエッジの両胸から前方へセラミックカタナが勢い良く展開!「イヤーッ!」「グワーッ!」

2011-05-16 22:53:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アンブッシュ的に突き出したセラミック・カタナは、ソバットを繰り出そうとしていたニンジャスレイヤーの左腿を深々と切り裂いた!ナムサン!タタミに落下したニンジャスレイヤーはブレイクダンスめいた動きで隙を消してから、ネックスプリングと5連続バク転、そして3連続側転で仕切り直しをはかる。

2011-05-16 22:58:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「見たか!ニンジャスレイヤー=サン!カクシ・キリの前に敵は無い!」レイザーエッジは両手を広げてのけぞり、肋骨に沿って仕込まれた全セラミック・カタナを一斉に展開して、ガシャガシャと動かし威嚇する!コワイ!だが、体勢を整えたフジキドは臆することなく突き進んだ!「ニンジャ、殺すべし!」

2011-05-16 23:05:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

一方その頃、ネコソギ・ファンド社のメインオフィスでは、ふたたび社員全員が起立し、軍隊めいた直立不動の姿勢を取りながら、大型ディスプレイに見入っていた。その理由はもちろん、CEOラオモト・カンが生出演しているミッドナイト・オイランニュースを見るためだ。

2011-05-16 23:05:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「次のゲストは、アンタイブディズム・ブラックメタルバンド『カナガワ』のドラマー、ヘルゲート=サンです」リポーターが左肩をはだけながらコールする。「ドーモ、ヘルゲートです」。黒いハカマに上半身裸、ブラックメタルメイクに極細サイバーサングラスという極悪な出で立ちの男が椅子に現れた。

2011-05-16 23:12:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「先日、ギタリストにしてヴォーカリストのアーマゲドン=サンが突如脱退し、メンバーが数人死んだわけですが、今後もその音楽性に変わりはないのですか?」オイランレポーターが的確な質問をする。「無い」と不吉なボイスで答えた。体中の傷跡から時折血がしたたる。「新作のレコーディングも順調だ」

2011-05-16 23:16:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「では、そんなヘルゲート=サンは誰に投票するのでしょう?」「ラオモト=サンだ」「それは何故?彼はブディズムの名誉聖人に認定されたのですよ?」「彼はほとんどブッダ……ゆえに、反ブッダであるからだ……」スタジオの観客席から凄まじい歓声!「ワースゴーイ!!」キャバァーン!キャバァーン!

2011-05-16 23:20:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ムッハハハハ!いつもお世話になっております!ムッハハハハハ!!」ラオモトはグンバイで顔を扇ぎながら、肘掛に隠された振込ボタンを叩く!キャバァーン!キャバァーン!ヘルゲートの極細サイバーサングラスの内側液晶面で口座の金額が跳ね上がる!ヘルゲートの黒い唇が醜く歪んだ!キャバァーン!

2011-05-16 23:23:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スリムフィット黒ニンジャ装束を剥かれ、上半身裸になったレイザーエッジの体は、キリストめいた姿勢で柱に磔にされていた。両掌と両膝にはカタナが釘代わりに突き刺され、身動きが取れない。数百本のカタナは全て叩き折られ、体中には無数の傷が走る。「イヤーッ!」痛烈なストレート!「グワーッ!」

2011-05-16 23:36:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カタナ・メンポからぼたぼたと血を流しながら、レイザーエッジは呻く。「俺を殺しても、四人のシックスゲイツがお前を……」「イヤーッ!」顔面へと容赦なく叩き込まれる蹴り!あれは伝説のカラテ技、サマーソルトキック!「グワーッ!」レイザーエッジの首が飛び、体が爆発四散する!「サヨナラ!」

2011-05-16 23:41:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは宙をくるりと一回転し、体操選手のような着地を決めた。ボンボリの灯りが揺れ、焼け焦げた十字の死体を照らす。流石はソウカイ・シックスゲイツ、手強い相手であった。両耳からセラミック・カタナが展開された時は死の予感がニューロンをよぎったが、最後はカラテの力量差が出た。

2011-05-16 23:48:43