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ダークニンジャ・リターンズ #1

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
第一巻「ネオサイタマ炎上」 最終エピソード「ネオサイタマ・イン・フレイム」 #2 「ダークニンジャ・リターンズ」#1
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
ズゥン、と激しくネコソギ・ファンド社のメインオフィスが揺れた。上の階でヨコヅナ・ダンプカー同士が正面衝突したかのような衝撃。地震か?クルーカットのニュービー社員は驚き、サングラスを取って辺りを見渡す。
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広大なメインオフィスの壁は大型LED板でぐるりと覆われ、ネオサイタマの上場企業名、刻一刻と変わる株価、そして三角や丸などの意味深なマークが赤く明滅している。ウシミツ・アワーも近いというのに、数十人以上のサラリマンが残っていた。そして誰一人この震動に動じず、黙々と仕事をしている。
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(((カチグミの俺としたことが、うっかり動揺しちまったぜ……)))クルーカットはデスクの上に置いたサングラスをかけなおし、愛用のバンブー・ソードを握った。彼の頭髪はバイオ植毛によってブロンドに変わっている。日本人の金髪遺伝子所有者は稀であり、交渉時に威圧感を高める効果があるのだ。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「さあ、ビジネスを再開しようぜモドリ=サン」クルーカットの前には、磨き上げられた高級御影石の床に四つん這いの姿勢を取る、モドリ基盤コーポレーションの社長がいた。ネオサイタマのハイテク企業を陰で支える、家内制手工業会社のひとつだ。モドリ社はネコソギ・ファンドに多大な負債がある。
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「すみません、もう払えません」モドリ社長が怯えた豚のように哀れな声をあげる。「ザッケンナコラー! 成せば成る! 知らんのか! 成せば成るを!!」クルーカットは、敬愛するCEOラオモト・カンのお気に入りのコトワザを、社長の耳元で叫んだ。コワイ!モドリ社長のスラックスが湿る!
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「アイエエエエ!」絶叫するモドリ! クルーカットの心は全能感に満ち溢れていた。三十も年上の社長を跪かせているのだから当然だ。畳み掛けるように、重厚なバンブー・ソードでモドリの尻を打擲!「成せば成る!!」スパーン!スパーン!スパーン!「ンアーッ!!」ナムアミダブツ! 何たる無法か!
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ズゥン、と再びメインオフィスが揺れる。今度はクルーカットも身じろぎしない。冷酷なビジネスマンとして、モドリ社長と交渉を続けた。「ラオモト=サン、バンザイ!」クルーカットの狂信的な叫び声と打擲音、そしてく悲鳴がオフィスに響いた。他の社員はインカムでこのノイズをシャットオフしていた。
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ズゥン! 十メートル超の高さから床に叩きつけられたのは、今回はニンジャスレイヤーの番であった。500畳の広大なセレモニールームが震動し、落下点から同心円状に強化タタミがバタバタと跳ねる。「グワーッ!」仰向けにのけぞったニンジャスレイヤーの体が、三メートル近くバウンドした。
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「ムハハハハ! ダークニンジャ=サン、始末せよ!」セレモニールームの壁全面に貼られた大小様々の薄型ディスプレイに、哄笑するラオモトの顔が大写しとなり、次いでその右手が映った。処刑を命ずる古代ローマの暴君のごとく、突き出した親指を……下にする!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤーッ!」命令を受けたダークニンジャは、超人的スピードでニンジャスレイヤーの落下点へと駆け込む。そして両脚を開いてタタミを強く踏みしめ、手刀の形を取った右手を床の近くまで引いてタメを作った。落ちてくるニンジャスレイヤーの心臓部に狙いを定め、貫くつもりだ!ナムサン!
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だが、むざむざ串刺しにされるニンジャスレイヤーではない!額と胸に手を当ててバランスを取りながらぴんと全身を伸ばし、オリンピック高飛び込み選手のごとく空中で巧みに身をひねった!タツジン!一瞬にして形勢逆転し、高所の戦闘効果を得る!「イヤーッ!」そのまま下の敵に向けてスリケンを乱射!
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「チィーッ!」ダークニンジャは両手の人差し指と中指でスリケンを逸らす。それから素早く戦況分析を行い、危険を察知すると、五連続のバク転を決めて落下地点から離れた。まさに紙一重! 一瞬後にニンジャスレイヤーが前方回転からのダブルカカト落としを決め、落下地点の強化タタミに大穴を穿つ!
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「ヌウウウウーッ!」ディスプレイの中のラオモトは、不満そうな声を黄金メンポから洩らしつつ、手に持ったグンバイをへし折った。この二者は、互いに決定的打撃を与えられぬまま、かれこれ三十分近くも戦っているのだ。
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ニンジャスレイヤーとダークニンジャは、タタミ5枚分の間合いを保ちながらジュー・ジツの構えを取り、同心円状に横歩きをしつつ互いのダメージを値踏みした。両者とも、わずかに息が上がり、ニンジャ装束の下には痛々しい痣がいくつも隠されているが、未だ致命傷は負っていない。
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「あのニンジャソウルの力は使わんのか?」ダークニンジャが問う。会話から隙を作るのはニンジャの常套手段だ。「不要。己のカラテとチャドーのみでオヌシを倒す」とニンジャスレイヤー「そちらこそ、あの刀を何故抜かぬ? 懐の中に隠してあるのは先刻お見通しだ。微かな…ニンジャソウルを放つ刃を」
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ダークニンジャは些か驚いた。確かに彼の懐には、カーボンケースに納められた妖刀ベッピンの破片が隠されている。だが彼が驚いたのは、この刃の正体を言い当てられたことではない。以前は直線的なカラテだけが武器だったはずの相手が、ごく短期間で不気味なほどの懐の深さを得ていたことに驚いたのだ。
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「貴様のごとき野良ニンジャなど、ベッピンを使うまでもない!前回のような手加減はせぬぞ!」ダークニンジャは『突撃するタイガーの構え』から一気に駆け込んだ!「イヤーッ!イヤーッ!」左右から繰り出される猛烈なストレート!凄まじい破壊力!ニンジャスレイヤーは防御に徹するしかない!
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「ラオモト=サン、ビデオ対談の時間が迫っております。あと2分30秒を切りました」。高度会話機能と広角カメラアイを持つY-13P型クローンヤクザが、天守閣のフスマをノックした。ニンジャスレイヤーとダークニンジャが戦っているセレモニールームから、300メートル以上高みの安全圏である。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ヌウウウーッ! 手早くそのネズミを始末するのだぞ!」ラオモトはマイクを切り、革張り椅子から立ち上がると、デスクに置いたウメボシ・マティーニを呷った。「フジオのうつけめが……。だが、ゲンドーソー亡き今、1対1の戦闘でフジオがニンジャスレイヤーにおくれを取ることもあるまいて……」
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「お急ぎください、あと2分10秒、5秒……」クローンヤクザは廊下を歩き、グリーンスクリーンと照明機材が整ったスタジオルームのフスマを開けて待機する。三十秒後、清廉潔白を強くアッピールする純白のアルマーニに身を包んだラオモトが部屋に入ってきて、鎖頭巾を整えなおしつつ椅子に座った。
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
セレモニールームでは一進一退の攻防が続いていた。両者の実力はほぼ同じ……コトワザで言うところのドングリ・コンペティションである。「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」上下中と繰り出される三連続回し蹴りを回避したニンジャスレイヤーは、相手の着地の隙をつき、痛烈なポン・パンチを繰り出す!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イイイヤアーッ!」「グワーッ!」痛烈なインパクト!ダークニンジャはとっさに両腕でガードしたが、それでも立っていられず後方に回転しながら三十メートル近く吹き飛ばされる!どうにかバランスを取って足を下に向け踏ん張ると、急ブレーキを踏んだタイヤ痕のように、摩擦熱でタタミが焦げ付いた!
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
(((クウッ!何たる強烈なカラテ……!チャドーの呼吸が組み合わされているのか?!)))ようやくガードの衝撃から開放されるダークニンジャ。視線を戻すと、ニンジャスレイヤーはタタミを蹴って大きく跳躍し、右手を限界まで振りかぶったチョップの構えを取って飛び掛ってきていた!「サツバツ!」
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011-05-13 06:49:29
「ダークニンジャ・リターンズ #2」 http://togetter.com/li/134899
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