政治と科学はどのように関わっていくべきか?

6月3日朝~昼の、平川秀幸(@hirakawah)先生のツイートをまとめました。 遺伝子組換えやBSE問題、原子力の取扱い、政策過程の問題、研究成果の公表、専門家の育成、米国とのシステムの比較など、興味深いお話が多いです。 「誰でも編集可」にしましたので、この話題に関係したツイートがありましたら、追加をお願いします。
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Hideyuki Hirakawa @hirakawah

2008-9年度の段階でもなお「理解増進」「国民理解」「受容」言いますか。(まぁ資料価値は大きそうではある。)/遺伝子組換え技術をご理解いただくために 科学技術振興調整費「遺伝子組換え技術の国民理解に関する研究」報告 http://tinyurl.com/3mo4l5v

2011-06-03 05:37:02
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

今後しばらく国際学会では、「当事者」である原子力関係や関連する工学分野、医学分野はもちろん、人文・社会科学系(科学技術社会論、政治学、経済学、法学、社会学)などでも、「当事国の研究者」の「説明責任」として、原発問題に関する研究発信が求められるんだろうな。

2011-06-03 06:13:06
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)自分として一番切り込みたいところは、これまでの原子力安全規制における意思決定と専門知の関係だろうか。たとえば津波対策を「想定外」にしたり、津波研究とか全電源喪失シミュレーションなどの「エビデンス」を却下した理屈や科学外的理由、外部社会からの批判に閉じていたことの影響とか。

2011-06-03 06:17:01
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)あとは、まだ混乱中・現在進行形で、実態を知れるようになるまでには(例えば関係者ヒアリングとか)時間かかるが、311以降の意思決定と科学の関係。たとえば食品・飲料水の暫定基準の決まり方、「20mSv/y」の問題とか。

2011-06-03 06:20:21
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)BSE問題の時もそうだったけど、いずれにせよ政治と科学の関係は、いろいろ政治的思惑乱れて陰謀論的構図が当てはまる部分もないわけではないけど、政治の世界の文化・作法と科学の世界の文化・作法のギャップや摩擦とか構造的問題も大きい。そういうあたりを明らかにできれば意味あるはず。

2011-06-03 06:23:02
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)それと政治と科学の関係でよく見られるのは、政治側が意思決定の責任を科学側に転嫁してしまうパターン。政策決定は科学的エビデンスだけではできず、政治的・経済的・社会的要因も勘案して「総合判断」するのだけど、あたかも科学「だけ」に基づいて「客観的」に決めたように装うことは多い。

2011-06-03 06:31:02
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)そういう科学の懐に政治が隠れて責任転嫁する問題については、米国産牛肉のBSE問題では、食品安全委員会の科学者側が強く危惧して、リスク評価の報告書にも「施策を決めるのはリスク管理者(農水・厚労省)」と明記したほど。http://tinyurl.com/yhmkf7w

2011-06-03 06:34:04
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)そういう「責任の境界画定問題(responsibility demarcation problem)」は、政策決定における専門知利用ではとても大事なはず。単に政治家・役人と科学者の責任の押し付け合いと見てはいけない。

2011-06-03 06:36:35
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)そんな話をBSE問題に関して部分的に書いたことがあったが、原子力問題も射程に入れつつ、まずはBSE問題のおさらいをした論文でも書くか。(昨日来た依頼原稿にも序の口くらいは書けるだろうか。)

2011-06-03 06:37:48
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

はい、まさに今後10年の日本の公共哲学の仕事だと思います。RT @Shimazono: 賛成です。哲学思想系で生命倫理・技術倫理、公共哲学も入りましょうか。@hirakawah 今後しばらく国際学会では…人文・社会科学系… (cont) http://deck.ly/~7Kw2i

2011-06-03 06:39:41
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

経済政策などあらゆる分野で見られますね。政治家にちゃんと責任を取らせるにはどうしたらいいかを考えねばなりません。RT @kbichiey: 責任の取れない日本の政治家がよく取る手法です。RT @junsaito0529… (cont) http://deck.ly/~jkJTU

2011-06-03 06:42:17
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どの国でも起こりうる問題で、日本が特に深刻か不明。大学のテニュアは政治介入から研究者を保護する目的も QT @kbichiey 責任の取れない日本の政治家がよく取る手法です。RT junsaito0529: RT @hirakawah: (続)政治側が意思決定の責任を科学側に転嫁

2011-06-03 06:45:22
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

科学哲学ではかつて「科学と非科学の境界画定問題」。科学と政治の境界画定問題(巧く区別すると同時に結びつけるインタフェイス問題)は、今まで日本ではナイーブにしか考えられてなくてとても手薄。認識論的議論だけでなく、行政学も含めた政治学なども動員して制度的議論まで含めた対応が必要。

2011-06-03 06:45:50
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政治家には選挙という説明責任の過程があります。日本では官僚機構や中央銀行の統御の方が寧ろ難しい。政治家を責め過ぎても問題は解決しない QT @hirakawah 経済政策などあらゆる分野で見られますね。政治家にちゃんと責任を取らせるにはどうしたらいいかを考えねばなりません。

2011-06-03 06:46:41
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

確かに普遍的な問題だと思います。ただ米国や欧州諸国では、政府やアカデミーのレベルで専門知利用に関する各種の研究やガイドライン策定なども行っていて、その点で少なくとも「ナイーブ」でないところが日本と違うところです。R… (cont) http://deck.ly/~diZc6

2011-06-03 06:48:53
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

まさにおっしゃる通りですね。一番アカウンタビリティがないのは選挙の洗礼を受けることなく権力行使できる官僚機構などですね。米国政治では何か牽制する工夫などあるのでしょうか。RT @junsaito0529: 政治家には選挙… (cont) http://deck.ly/~6fB4t

2011-06-03 06:52:33
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科学技術、専門知識の処理は、研究者と政治家の間に本来は官僚機構が入るわけで、国庫の議論抜きには意味のある制度デザインは困難 QT @hirakawah まさにおっしゃる通りですね。一番アカウンタビリティがないのは選挙の洗礼を受けることなく権力行使できる官僚機構などですね。

2011-06-03 06:55:07
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

「国庫の議論」というのは具体的にはたとえばどんなことがありますか?RT @junsaito0529: 科学技術、専門知識の処理は、研究者と政治家の間に本来は官僚機構が入るわけで、国庫の議論抜きには意味のある制度デザインは… (cont) http://deck.ly/~YCdrY

2011-06-03 06:56:18
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政治任用、行政訴訟の仕組みが日本と大幅に異なる。政府訴えて殆ど勝ち目がない日本はどこか異常。 QT @hirakawah 米国政治では何か牽制する工夫などあるのでしょうか。

2011-06-03 06:57:19
斉藤 淳 『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』 (SB新書) 発売中💙💛 @junsaito0529

タイポ。「ここの議論」つまり官僚機構の情報過程を見る必要。 @hirakawah 「国庫の議論」というのは具体的にはたとえばどんなことがありますか?

2011-06-03 06:58:00
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

やはりその二つがあがるのですね。後者は環境政策の日米比較などでもよく指摘されるポイントですね。RT @junsaito0529: 政治任用、行政訴訟の仕組みが日本と大幅に異なる。政府訴えて殆ど勝ち目がない日本はどこか異常… (cont) http://deck.ly/~4xpPV

2011-06-03 06:59:48
斉藤 淳 『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』 (SB新書) 発売中💙💛 @junsaito0529

そうなんです。イェール・ローで行政学教えている先生と会う度に、日本の環境問題と訴訟の議論してました。 QT @hirakawah 後者は環境政策の日米比較などでもよく指摘されるポイントですね。

2011-06-03 07:01:22
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@junsaito0529 なるほど。事実、官僚機構内部には多くの専門知の担い手がおり、彼らが議題設定から情報選別、専門知から政治・法の言語への翻訳など、色々な過程でとても大きな役割を果たしているはずで、審議会だけでなく「事務局」も分析対象として重要になりますね。

2011-06-03 07:06:38
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

初めて米国の訴訟システムのことを知った時は「あぁ、こうやって日本国民は政治的手足を奪われてるのか」と暗澹となりました。RT @junsaito0529: そうなんです。イェール・ローで行政学教えている先生と会う度に、日本… (cont) http://deck.ly/~IJElg

2011-06-03 07:08:41
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@junsaito0529 確かに政治が専門知に適任転嫁するのは普遍的な問題なのですが、米国や欧州諸国では、政府やアカデミーのレベルで専門知利用に関する各種の研究やガイドライン策定なども行っていて、その点で少なくとも「ナイーブ」でないところが日本と違うなと思うところです。

2011-06-03 07:12:18
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