パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』感想について、上田早夕里先生によるtweet、リツイートを中心にまとめ。
遺伝子操作や環境操作が現実の問題として私たちの社会に存在している以上、フィクションの中でそれらをどう語るのか、ということは、たぶんSFジャンル以外でも、これからどんどん重要になってくるはず。(続く)
2011-06-04 18:47:19RT @Koompassia: バチガルピ『ねじまき少女』読了。面白いには面白いけれど、こういう文芸的なソツのなさが売りなの?と拍子抜け。SFだからといって必ずしも斬新である必要はない、という意見には首肯する部分もあるのだけれど、いざそういうものを読んでみるとどこか物足りない
2011-06-04 18:48:33RT @Koompassia: 一応、各所の評も見てみたのだけれど、やはり技巧や構成の妙に対する評価が目立つ。『ニューロマンサー』『大潮の道』『ディファレンス・エンジン』といった傑作群が20-30年前に発表されているSFというジャンルにおける本作の位置付けについて、
2011-06-04 18:49:28RT Koompassia: @ohip_up リーダビリティだけを単体で放り出すのであれば、せめて、サイバーパンク作品群との向き合い方くらいは明示してくださいよ、と。ギ・ブ・センなんて名前のキャラを出すのは、真正面から焼き直しを作る、という意思表明なのかもしれませんが、(→)
2011-06-04 18:51:50RT @Koompassia: @ohip_up 「エシカルで退屈」という印象は、最近では『華竜の宮』を読んだ時により強く感じました。『ねじまき少女』の場合には、エシカルな主題であれ何であれ、(→)
2011-06-04 18:55:37RT @ohip_up: @Koompassia (→)あのリーダビリティと抱き合わせる形で何か強烈なものが提示される訳ではなかった点に食い足りなさを感じているように思います。
2011-06-04 18:55:45RT @ohip_up: @Koompassia バチカルピ作品の退屈さって、SFは現代的な意味でエシカルでなければならない、という本人が設定した重しに原因があるような気がしています。しかも、けっこう手垢にまみれた問題を、手垢にまみれたまま律儀に拾っている印象。→
2011-06-04 18:56:42RT @ohip_up: @Koompassia →ジャンルとしてのSFの中で「エシカルなSF」がそれだけで価値になるかどうか、という議論には、わたしはできればコミットしたくないですがw 「エシカルな」の定義がバチカルピの場合現代的な意味で狭く、(→)
2011-06-04 18:57:02RT @ohip_up: @Koompassia 短編で感じていた「エシカルなバチカルピさん」への個人的な思いを手っ取り早く言えば「政治的に正しけりゃいいのかよ」。「ねじまき」は、そこの引っ掛かりをキャラクターの魅力が救ってくれた点を評価してます。カニヤ原理主義。
2011-06-04 18:57:34RT @ohip_up: @Koompassia ここ何年か「エシカルなナントカ」というのは喜捨専用商品というか、政治的免罪符としてそこそこ人気のある商品なので、「エシカルなナントカ」を掲げる人々の視野の狭さや政治的未熟さには、個人的にちょっと過敏かつ横柄な反応になっちゃってます
2011-06-04 18:58:07RT @ohip_up: (→)やたら説教臭いけど、道徳の教科書には載せられない「政治的正しさをめざして、そのそと」の成り成りて成り余れる風景を書いちゃうのがミエヴィル…といったらミエヴィル褒めすぎ。
2011-06-04 18:59:17RT @ohip_up: アトウッドにはおそらくもう期待のしようがないけど、ミエヴィルやバチカルピには「成り余れる逸物」を期待できるのではないかという思いがまだまだある。
2011-06-04 18:59:31RT @ohip_up: @Koompassia たしかにギ・ブ・センにはズッコケました。それまでに積み上げられたサイバーパンクの文脈は踏まえてないように思えたので。知らないふりで一から素朴に語りだしてるのかと思ったところに出てきたので、唐突でさえありました。
2011-06-04 18:59:46RT @ohip_up: @Koompassia 小説に限らず、広義の作品に新しい強烈なものを見たいという欲望は、(わたしも自己弁護的に)正しいと思います。既存のサイバーパンク作品群との真摯な向き合い、という一定の批評性を求めるのも正当な読み手の言い分ですし。(→)
2011-06-04 19:01:04RT @ohip_up: @Koompassia バチカルピに関しては、「エシカルな」の縛りが抜けたら新しさは獲得できそうな予感があるのですよね。メインストリーム的な解決法ではあるけど、無茶のできそうな片鱗は見えた。
2011-06-04 19:01:28RT @ohip_up: @Koompassia アトウッドやイシグロの「拡散組」にはカチンとくる、同じ苛立ちを「侵食組」に見えるバチカルピにも感じるのだけど、少なくとも後者を暖かく見守る気になっているのは、(→)
2011-06-04 19:02:34RT @ohip_up: @Koompassia (→)やはりガサツであるか多少繊細であるかというエシックの問題だというのが、我ながら複雑な気分です。
2011-06-04 19:02:48慶應義塾大学SF研究会のブログに掲載の『ねじまき少女』書評。こちらも併せて。http://d.hatena.ne.jp/keio_sf/20110530
2011-06-04 19:05:04